【ミニレビュー】あえてCD再生にこだわる、ARCAM薄型コンポ。DAC内蔵アンプ「A5」と「CD5」を体験
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上からDAC内蔵プリメインアンプ「A5」、CDプレーヤー「CD5」
ハーマンインターナショナルは、英ARCAMブランドのDAC内蔵プリメインアンプ「A5」、CDプレーヤー「CD5」の日本導入に向けたクラウドファンディングプロジェクトを、GREEN FUNDINGにて開始した。実施期間は2024年8月31日までで、製品は2024年11月発送予定だが、一足先に実機を体験した。
一般販売予定価格はA5、CD5ともに99,000円。クラウドファンディングではリターンプランの一例として、「Super Early Bird」で18% OFF(先着20人限定)、「Early Bird」で17% OFF(先着30人限定)、「A5」+「CD5」セットのSuper Early Birdで20% OFF(先着30人限定)などのプランを用意。プロジェクト期間中は、二子玉川 蔦屋家電内「蔦屋家電+」にて製品展示も実施予定だ。
ARCAMとは
ハーマンでは、音楽ストリーミングでの“ながら聴き”が定着する一方で、気に入ったアーティストの曲は“本気聴き”したいというトレンドがあると分析。ディスクという形に残るメディアを求める動きは、レコードブームに顕著だが、国内のCD販売が2023年に10年ぶりに増加するなど、CDのリバイバルブームも起きているという。
そこで、音楽配信サービスを使いつつも、CDのライブラリーを持っている人や、1990~2000年代にハイコンポやミニコンポを持っていた人達をターゲットとして、高音質と洗練されたデザインを備えたコンポーネントとしてARCAMの新製品A5、CD5を訴求するという。
ARCAM(アーカム)は英国のブランドで、1976年にケンブリッジの名門ケンブリッジ大学の学生だったジョン・ドーソン氏らが創業。最初のプリメインアンプ「A60」が、シンプルで美しいデザインと高い音質で人気となった。
また、デジタルに関する技術力も高く、80年代には、英国で初めて完全自社開発のCDプレーヤー「Delta 70」を発売。今でこそ当たり前になっている“単体DAC”の草分け的モデル「Black Box Delta」シリーズも発売するなど、「デジタルオーディオの高音質化」に、長年の技術的蓄積を持つ老舗メーカーでもある。そして、2017年からはハーマンインターナショナルのグループ傘下となっている。
プリメインアンプ「A5」
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上がDAC内蔵プリメインアンプ「A5」
アンプのA5は、A60から受け継がれているARCAM伝統のアンプ設計を採用しつつ、それを発展させた設計思想を投入。具体的には強力な電源部、経路の最短化、シングルボードレイアウトを特徴としている。
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代表的なアンプの内部。経路の最短化、シングルボードレイアウトといった特徴が、最新モデルまで受け継がれているのがわかる
50W/chのAB級アンプで、アナログ/デジタル両方の豊富な接続性を実現するほか、ワイヤレスヘッドフォンにも接続できる双方向のBluetooth機能も搭載するのが特徴。スマホからの音を再生するだけでなく、深夜に音楽を楽しむ時などに、A5の再生音をBluetoothヘッドフォンで聴く事もできる。コーデックは、aptX Adaptiveもサポートする。
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アンプからBluetoothヘッドフォンへ送信もできる
DACはESS Sabre ES9018K2Mを搭載する。入力端子は、アナログRCA×3、Phono入力、光デジタル×1、同軸デジタル×2を搭載。筐体はフロント、トップ、サイド、リアまでアルミニウムを採用。薄型なアンプだが、実際に触れて、持ち上げてみると剛性が高い事がわかる。質感も良く、高級感のある筐体となっている。
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デザインアクセントとして、側面や天面にイエローのラインも採用。インシュレーターにもイエローが使われている。手のひらに収まるコンパクトなリモコンも付属する。
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デザインアクセントのイエローが各所に配されている
CDプレーヤー「CD5」
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CDプレーヤー「CD5」
CDプレーヤーのCD5は、専用機としてのCD再生能力を追求。DAC部にはESS Sabre ES9018K2Mを搭載。CD-RやUSBメモリーに保存した、WAV/FLAC/MP3/AAC/WMAの96kHz/24bitまでのハイレゾファイルも再生可能。USBメモリー接続用としてUSB-A端子も備えている。
信号経路上には、厳選したオペアンプを採用。電源の安定化を図りつつ、音楽信号の純度を維持。アンプと同様に、フロント、トップ、サイド、リアまでアルミニウムを採用した筐体を採用する。
アナログRCA出力、光デジタル出力、同軸デジタル出力を各1系統装備する。
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音を聴いてみる
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短時間だが試聴したのでファーストインプレッションをお届けする。
最大の特徴はアンプ、CDプレーヤーのどちらも薄型な事で、フルサイズのHi-Fiアンプにありがちな威圧感が無く、非常にスタイリッシュなこと。
一方で、「スピッツ/ロビンソン」のCDを再生すると、その薄型筐体のイメージを覆す、低重心で安定感のあるサウンドが流れ出し、見た目はスタイリッシュだが、中身は本格的なHi-Fiコンポだという事がわかる。
音楽配信が一般化した現在に、CD再生専用機でCDを再生するというのは逆に真新しさを感じる体験だが、CDならではの、こなれた美音は聴いていて心地よく、ゆったりとした気持ちにさせられる。ケースから取り出し、トレーに乗せて、トラックを選ぶという行程自体にも、“これから音楽を聴くぞ”という気持ちを高める効果があるように思える。
薄型コンポだと、ラックの隙間に入れるイメージがあるが、実機を前にすると、各所にあしらわれたイエローのラインが非常にスタイリッシュで、むしろ「この筐体を見せたい」という気分になる。ラックの上段や、棚の上などに配置し、このコンポを魅せるインテリアを考えたくなるような製品だ。
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モデル名が天面に書かれている
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梱包もスタイリッシュだ