お笑いタレント、大竹まことが同世代や全世代の男女に向けてお送りしているラジオ番組『大竹まことゴールデンラジオ』(文化放送・毎週月~金曜13:00~15:30) が6月7日に放送され、文春新書から発売されている『特殊詐欺と連続強盗 変異する組織と手口』を著した久田将義さんと、ジャーナリストの金賢さんが出演。番組パートナーで作家の室井佑月とともに本の内容について伺った。

大竹「今までの犯罪と特殊詐欺とは違うんですか?」

久田「はい、そうだと思ってます。特殊詐欺は、今で言うと象徴的なのは「ルフィ事件」だと思います。狛江市で口で言うのもはばかられる殺人事件が起きて、もともとオレオレ詐欺が発端なのに、なぜそのようなことになってしまったのか、というのが執筆動機の一つです」

大竹「海外に拠点を置いて、そこから指示があるみたいな関係で。今までは国内だけを取り締まっていればよかったのに、そういうことじゃなくなってきてしまった感じもありますね」

久田「でも、もともとフィリピンって、そういう土地柄と言うか何と言うか、逃亡犯が逃げていくようなところなので、僕らとしては驚かなかったんですけど」

金「ITが発達して国境を越えていろんなものが移動する利便性は、犯罪者にとっても同じです。昔、インターネットなどがない時は、例えばフィリピンやタイに拠点を確保して、不動産を契約して、そこに行って日本に対して通信を行って、詐欺を働くというのは非常に難しい。ものすごく大掛かりな組織がなければできなかったんですけれども、今、我々がその気になれば、不動産を外国で探して、契約はどうするのかな?と疑問があればインターネットで検索して、そこにたどり着けてしまう。それは犯罪者も同じなんですよね」

室井「私さ、犯罪者がニュースとか見てて賢くなったんだと思ってたんだけど、本読んだら全く違うのね」

金「そうですね。犯罪者は段階を踏んでプロになっていく部分があります。最初は、例えば不良少年の段階で罪を犯すとノウハウがないからすぐ捕まっちゃうわけですよね。それで刑務所に入ると、その中って暇らしいんですよ。そこで「お前は何で捕まったの? 俺はこうやって捕まったよ」と、裁判の過程で自分が何で捕まったのか分かった情報を持ち寄って、「次はこうやればいいんだ」と話し会って、「一緒になんかやらない」と、こうやって犯罪組織が結成されていくんですね。ただ初犯だと、その過程を経ていません。なので特殊詐欺犯の多くは若者なので、ITの使いかたには非常に長けているんだけれども、犯罪そのものは経験値が浅いこともかなりあるということになります。久田さんの紹介で会った、いろんな組織の人達はルフィグループのことを、みんな口を揃えて「間抜けだね」「あいつらは、何もわかってないね」と笑ってました」

大竹「え、どういうことですか?」

金「彼らはフィリピンの施設に身柄を取られた状態で、日本に指示を出して、犯罪を行っていたわけなんです。体を拘束されちゃってるんで、いくら追跡されにくい通信手段を使っていても、警察が本気になれば時間の問題なんです。その時に逃げられる状態でやらなきゃいけないのに、彼らは施設の中にいたから、自動的に捕まっちゃうわけですね。それを見て笑ってましたね」

大竹「でも、捕まって施設の中にいながら犯罪ができるっていう話ですよね」

久田「フィリピンはそういうところですよね。ワイロがまかり通ってしまうので、ですから、僕らとしてはフィリピンなら納得だって思いました。さっきの賢くんの話に補足すると、ルフィ事件というのは、とてつもなく大きくて、頭のいい知能犯がやってるかのように見えるけど、オレオレ詐欺をずっと前からやっていた連中や、あるいは裏社会の上のトップの人からすると「頭悪いだろう、あいつら」っていうような、非常に稚拙な犯罪ですね」

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