マナーっていつ、誰が決めたの?

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マナーには絶対的な「正解」がありません。だからこそマナーの基本である「思いやり」を形にするためにも、文化や歴史的背景とともに、望ましいマナーのあり方を知る必要があります。

2024年6月5日に発売される『図解で学ぶ 14歳から身につける国際マナー』(岩下宣子・監修/インフォビジュアル研究所・著)は、国際マナーについて、図解とQ&Aを用いてわかりやすく解説した一冊。その一部をOHTABOOKSTANDで全6回にわたって先行公開します!

 文献として残る最も古いマナーに関する記述は、食事や行儀作法に関するもので、古代エジプト時代にさかのぼります。古代エジプト第5王朝(紀元前2498年頃〜2345年頃)の宰相プタハヘテプによって書かれた教訓に、宮廷での行儀作法や食事の際の注意事項についての項目があります。つまり、4000年以上も前に、人と上手に付き合っていくための気き遣づかいや道徳について書かれていたことになります。

 一方ヨーロッパでは、中世の頃から騎士道が重んじられ、騎士道精神に基づく礼儀やエチケットは各地に広まっていましたが、食事に関しては手で食べるのが主流でした。それは王族や貴族でさえも例外ではありません。16世紀になってイタリアの名家・メディチ家の子女のカトリーヌがフランス王家に嫁ぐことになり、専属のシェフが付き添いました。メディチ家ではすでにテーブルマナーを確立していたので、手づかみで豪快に食べるフランス王家の食事を見て驚いたシェフがナイフやフォークの使い方を指南する『食事作法の50則』をまとめました。この世界最初のテーブルマナー書が、やがてヨーロッパ各地に広まり、現在に通じるテーブルマナーが確立したとされています。

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絶対的な「正解」のないマナーだからこそ、マナーの基本である「思いやり」をもち、形にすることが大切です。本書では、シチュエーションに分けて望ましいマナーのあり方を解説するだけでなく、その文化や歴史的背景がわかりやすくまとめられています。『図解で学ぶ 14歳から身につける国際マナー』(岩下宣子・監修/インフォビジュアル研究所・著)は全国書店・通販サイトや電子書店で6月5日から発売予定です。図版が多くわかりやすいと好評の書籍シリーズ「図解でわかる〜」は、日本の宗教、ごみ問題、水資源、気候変動などのSDGsに関する課題や、地政学、資本主義、民主主義、心のケア、LGBTQ+などなど、今だから学び直しておきたいワンテーマを1冊に凝縮して3〜4カ月毎に刊行されています。

Credit:
岩下宣子・監修、インフォビジュアル研究所・著