レアルでのラストマッチを迎えたトニ・クロース【写真:ロイター】

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欧州選手権でクロースは現役生活に幕

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)は現地時間6月1日に英ロンドンのウェンブリースタジアムで決勝戦を開催。

 レアル・マドリード(スペイン)とボルシア・ドルトムント(ドイツ)が対戦し、後半の2得点でレアルが2-0の勝利を飾って欧州の頂点に立った。今季のリーグ戦、スーペルコパに続いてシーズン“三冠”を達成。今季限りで現役引退を表明しているドイツ代表MFトニ・クロースにとってはレアルでのラストマッチとなった。

 クロースは母国ドイツで開催される欧州選手権に出場するもののクラブレベルでは現役ラストマッチ。レアルは落ち着いたボールキープからロングボールも利用しながら前進していったが、最初の決定機はドルトムントに生まれた。前半14分に背後のスペースに抜け出して受けたFWニクラス・フュルクルクがキープし、後方からフォローしたMFユリアン・ブラントにラストパス。ペナルティーエリア内に切り込んだブラントが右足で狙うも、シュートは枠外に飛んだ。

 前半はドルトムントの速攻が脅威を与えた一方、レアルはなかなかゴール前まで進出できない攻撃が多くなった。それでも両者にゴールは生まれず0-0で折り返した。

 後半に入るとレアルが立ち上がりにセットプレーからDFダニ・カルバハルがヘディングで狙う場面を作り、後半12分にも左サイドからのクロスをファーサイドでカルバハルが詰めてボレーシュートを放つなど、少しずつドルトムントのゴールにプレッシャーを与える攻撃が出るようになった。それでも互いにゴールが生まれず、膠着してきた試合展開の中、レアルがとうとう均衡を破る。後半29分、左コーナーキックをニアサイドに走り込んだカルバハルがヘディング。後半立ち上がりと同じ形だったが、今度は枠内にシュートを抑え込んで流し込み1-0のリードを奪った。

 焦りを見せるドルトムントは後半38分に最終ラインで痛恨のパスミス。これをレアルが奪うと、最後はフリーになったFWヴィニシウス・ジュニオールにパスが通りGKとの1対1を冷静に決めて2-0と点差を広げた。

 そして、2点リードを奪うなかで、後半41分にクロースがピッチを去った。拳を突き上げ、ファンを煽ったあと、ヴィニシウスらピッチ上の選手や、交代のMFルカ・モドリッチと熱い抱擁を交わし、レアルでのラストマッチを終えた。レアルはそのままリードを守り、15回目の優勝を達成。欧州王者という最高の結果で有終の美を飾った。

 米スポーツ専門局「ESPN」の公式SNSでは交代シーンについて「なんて瞬間」と投稿すると、「完璧な引退ギフト」「なんて素晴らしい引退」「レジェンド」「悲しい」「涙」など引退を惜しむ声が多く寄せられた。(FOOTBALL ZONE編集部)