北朝鮮の朝鮮中央通信は29日、金正恩朝鮮労働党総書記が兵器開発を担う兵器開発を担う国防科学院で演説し、偵察衛星が発射後のエンジン異常により自爆したと明らかにした上で、宇宙偵察能力の保有が国家防衛のための優先課題だと述べたことを報じた。

野村邦丸アナウンサーがパーソナリティを務めるラジオ番組『くにまる食堂』(文化放送・月曜日~金曜日9~13時)5月29日の放送は、元外務省主任分析官で作家の佐藤優が週替わりパートナーを務め、このニュースを解説し、日本は「日朝国交正常化を目指すべき」だと述べた。

野村邦丸(パーソナリティ)「北朝鮮のニュースは、日中韓首脳会談が大きく関係しているというのが、佐藤さんの見立てです」

佐藤優「日中韓首脳会談で朝鮮半島の非核化が重要であると言ったら、北朝鮮はものすごく反発したんですね。“絶対に核は手放さない、核は使ってやるからな”という脅しですよね。しかも、北朝鮮は失敗を認めたでしょ」

邦丸「いち早く認めました」

佐藤「ということは自信があるということなんです。機械ですから実験をして失敗するのは当たり前。失敗をすぐ認めてるのは、絶対に核は手放さない、逆に成功の目途が立っている。けっこう怖い話ですよね。それと、今年に入ってから北朝鮮は変わってきてます」

邦丸「変わってきているというのは?」

佐藤「今まで韓国は友達だったんです。ところが、今は、韓国は第一の敵。自分たちの仇をなすなら核兵器を使う。かなり北朝鮮の考え方は変わってきている。ですから緊張しているということを押さえなければいけない」

邦丸「では、どうしたらいいですか?」

佐藤「アメリカのトランプ氏の発想は単純だけど、意外と正しい。彼の発想は、“意思×能力”。能力というのは、北朝鮮が持ってる核兵器とミサイル。この能力を潰すために、どうすればいいか?戦争をするとコストがかかるから、能力は消去できない。だから、意思を消化すればいい。トランプ氏の発想は、金正恩総書記と友達になるということ。友達になれば、意思を極小化できる。そうすれば、アメリカにミサイルは飛んでこない。こういう発想ですね」

邦丸「日本の場合はどうしたらいいですか?」

佐藤「トランプ氏の公式通り、友達になるしかない。そのために一番良い方法は、日朝国交正常化。外交関係がある国というのは、お互いに侵略をしないという約束をする。もちろん約束は守らないかもしれない。でも、約束があるかないかはだいぶ違う。今、そういう状況にきてるから、北朝鮮と対話しないといけない」