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 日本テレビの定例社長会見が27日、東京・汐留の同局で行われ、昨年10月期放送の同局ドラマ「セクシー田中さん」の原作者で漫画家芦原妃名子さん(享年50)が急死した問題を受け、調査の現状について「まとめの段階に入った」と説明した。

 同局は2月15日に「社内特別調査チーム」を設置し、23日に開始。3月の会見で石澤顕社長は、「再発を防止して、より安心安全な形でステークホルダーの方たちに制作に協力していただくことが目的。それに向けて必要十分なヒアリングを進めている」と説明していた。

 調査結果の公表について、今年3月の時点では「ひとつの目安はゴールデンウイークが明けたあたり」と報告していたが、翌4月の会見で、「現場から多少時間がかかっている状況にあるとのこと。GW明け早々というよりもう少し時間がかかるかなという見込み」と明かしていた。

 この日の会見で、石澤社長は「特別調査チームが外部弁護士とともにまとめに入っている段階と聞いている」と説明。現状について「関係者に齟齬(そご)が出ないように確認作業を行っている。このあたりがきちんとまとまったら、できるだけ早く公表したい」と語るにとどめた。

 確認作業の詳細については「小学館も入っています」と説明。「その他きちんと確認し、再発防止に向けてさらにお話を伺った方がいいなどいろいろな要素が入っている。そういったものをギャザリングし、きちんとまとめて、外に出せるかたちで報告という作業をしていると聞いている」と、現状を説明した。

 一方で、石澤社長自身は「全体像については全く把握していない」とし、進捗状況については「断片的に報告を受けていますし、こちらも問い合わせしている」と現状を明かした。

 具体的な結果公表時期について、記者から「6月に入るか」と追及されると、「“いつまでに”と言って、みなさんを裏切ってしまうと申し訳ない」と回答。「着実に細かいところまで進めている。関係の方への確認が必要な部分があって、お答えいただくのに時間がかかっている」とし、「お約束することはできないが、“できるだけ早く”を心掛けている」と主張。「できるだけ早くまとまってほしいなと思いつつ、中途半端な形でのまとまり方は本意ではない」とし、公表の方法についても「適切にご理解いただけるような公表の仕方を検討したい」と呼びかけた。

 芦原さんは1月26日に更新した自身のXで、ドラマの脚本を巡り局側と折り合いがつかず、自らが9、10話の脚本を書くことになったとして視聴者に向けて謝罪。当初提示していた「漫画に忠実に描く」などの条件が反故になっていたと主張していた。

 同局は、芦原さんの訃報が伝えられた1月29日にはドラマの公式サイトを通じ、哀悼の意を表明。今年2月から「社内特別調査チーム」による調査を開始していた。