日常的に携帯しておく必要のあるもの、というのは人それぞれだと思う。例えば筆者の場合、まず何はなくともスマホは絶対に必要だし、それに加えてペンとメモ帳、ペン型ハサミ、ワイヤレスイヤホンあたりは常に身近にないと困る。これらのツールは基本的にすぐ使いたいものなので、「使いたい」と感じて2〜3秒以内には手元に取り出せているのが望ましい。

 

単に携帯したいだけなら、ポーチやペンケースにまとめてカバンに突っ込んでおけばいいのだが、問題はこの「すぐ使いたい」というところ。必要なものはサクッと取り出して、シュッと元に戻したい。そこでオススメなのが、いわゆる “腰袋” と呼ばれるタイプの収納ポーチだ。

 

スマホ+文房具が常時携帯できる「腰提げペンケース」

腰袋は、一般的に建築現場などで、作業をしている人の腰にぶら下がっている「工具類がいろいろ入ったポーチ」のことを指す。もしくは、美容師がハサミやクシなどを何本も腰袋に提げているのも、わりとお馴染みの光景だと思う。要するに、腰からぶら下げることのできるポーチであり、増設タイプのポケットみたいなものだと考えてもらえばいい。

 

ということで、今回オススメしたいのが、クツワ「文具エプロンバッグ ミニ」。工事現場用や美容師用の腰袋はどうしてもサイズが大きくなってしまうが、こちらは文房具メーカーが作ったものだけに、スマホ+文房具がいくつか収納できるぐらいの、ちょうど欲しかったサイズ感(H175×W145×D20mm)なのである。

クツワ
文具エプロンバッグ ミニ
1600円(税別)

 

感覚的には、腰から提げるペンケース、といった感じだろうか。ちなみにこの製品は2023年秋にリニューアルされたが、ネットショップなどではまだ以前の旧タイプも併売されているので、そこは要注意。今回は新モデル準拠で話を進めさせてもらおう。

 

収納部の構成だが、まず最後面にマチ付きの大ポケット(内部に仕切り付き)があり、その次が一段低い中ポケット、幅の狭い小ポケット、そして最前面がメッシュポケットになっている。サイズが合えばどこに何を入れても自由だが、とりあえず大ポケットはスマホを収納しておくのに良さそう。筆者は6.7インチのiPhone 12 Pro Maxを入れているが、特にキツいとかはみ出すようなこともなく、スポスポと出し入れできている。

↑新モデルは最前面のポケットがメッシュタイプになっているのが識別ポイント

 

↑大ポケットは、6.7インチのiPhone Pro 12 Maxが入ってもこれぐらいの余裕がある。取り出す際に指もズボッと入れやすい

 

中ポケットはマチがないため、基本的には薄物用と考えた方が良さそう。リングメモや小型の手帳のほか、IDケースを一時的に収納するなんて使い方もいいだろう。高さは、標準的なボールペンを挿して、クリップがちょうどポケットのフチにかかるぐらいとなっている。

 

小ポケットは幅狭なので、収納物をちょっと選ぶ感じ。事務職の人ならシヤチハタ印を入れておくと便利かもしれない。ちなみに、筆者は冬場には手放せないリップクリームをここに入れている。

↑リップクリームやボールペンなど、いざというときにサッと使いたいツール類がまとめて携帯できる

 

リニューアルで新たに設けられたメッシュポケットは、フチゴムの弾力のおかげで、厚物を入れてもポロ落ちしにくいのがポイント。例えば、ワイヤレスイヤホンの充電ケースはコロンとした形状で意外と携帯しづらかったりするが、このメッシュポケットならピタッと収まってくれるのだ。

↑厚物を落とす心配なく収納できるメッシュポケット。正直、これがあるからリニューアル版を推しているところはある

 

腰への装着方法は3種類から選択可能

腰袋というからにはもちろん腰から提げて使うわけだが、この提げ方に関しては、(1)カラビナ (2)ベルトループ (3)専用ベルト(別売 550円)の3種類から選ぶことができる。この辺りは個人的な運用方法や好みもあるので、どれがベストかは一口に言うことはできないが、それぞれ使用感がかなり変わってくるので、できれば一通りは試してみるのが良さそうだ。

↑大きめのカラビナとベルトループは背面に備わっている

 

カラビナはベルトやベルト通しにひっかけるだけなので、装着は最も簡単。気軽に使うならばこれがベストだ。ただし1点で吊すのに加えて、腰からちょっと離れた位置にくるため、ブラブラと揺れやすくなってしまう。歩いているだけでもかなり揺れるので、それが気になる人には向かないだろう。

↑カラビナをパンツのベルト通しに引っ掛けて装着。手っ取り早いが、ブラブラと揺れるのが少し気になる

 

対してベルトループは2本のループにベルトを通すので、安定感はとても高い。揺れもほぼ発生しないし、身体の重心に近いところに固定できるので、腰袋自体の重さを感じにくいのもありがたいところだ。唯一の難点は、装着時にベルトが必須なこと。女性だとパンツやスカートにベルトを通さないことも多いので、その時点でこの方法は使えないわけだ。

↑本体ループにベルトを通して装着。これは文句のない安定性だが、咄嗟にベルトから外すことができないのが惜しい

 

筆者が普段から使っているのは、専用ベルトである。この専用ベルトの両端を本体左右のD環に付けることで、簡易的なヒップバッグのように運用することが可能になる。これなら装着は比較的簡単だし、ブラブラと揺れることもない。もちろんベルトを使わない衣服でも装着できるし、ベルトの長さを調節すれば、サコッシュのように肩掛けで使うことも可能だ。ベルトが別売りなのでコストはかかるが、個人的にはこれが一番使いやすいと思っている。

↑専用ベルトを腰に巻いて装着。安定性と装着の手軽さを両立するならこれがオススメ

 

↑肩掛けで使うと、スマホはさらに出し入れしやすくなる

 

普段からジャケットを着用しない人は、とにかくスマホの携帯場所に困りがち。パンツポケットに入れると型崩れするし、カバンに入れておくと、とっさに電話がかかってきても対応しづらい。そうなると、やはり腰袋の使用がベストアンサーではないかと思うのだ。スマホ+文房具に素早くアクセスできる携帯タイプのペンケースとして、「何かスマートな持ち運び方法はないかな〜」と思っていた人や腰袋未体験の人にはぜひ試してもらいたい。