値上げが続く昨今、食品のムダ使いは避けたいものです。つくりすぎて食べきれなかったり、賞味期限ぎれにしてしまったり…。そんな事態を防ぐ5つのコツを紹介。教えてくれたのは、ミニマルな暮らしにまつわる著作が多数ある、カナダ在住のブロガー筆子さん(現在60代)です。

食品をムダにしないコツ5つ

節約するためにも、環境にいい生活をするためにも、食品をムダにしたくないと思っている人は多いでしょう。

フードロスを出さないいちばんのコツは、「買いすぎない」ことにありますが、これを踏まえた上で、ちゃんと食べきるコツを5つ紹介します。

1.つくりすぎない

一度に大量につくり、何日間にわけて食べるつもりがない限り、家族が食べきれる分だけつくることを意識してください。

いつも調理していたら、つくりすぎかそうでないかは、おのずとわかりますよね。むしろ少なめに用意して、おかずがたりなくなったときに使える常備菜や冷凍食品を用意しておくのはどうでしょうか?

家族がいる場合は、それぞれの夜の予定なども考慮しましょう。飲み会や会食など、外食する予定をギリギリに把握するのではなく、できるだけ早く聞いておき、それらを念頭に入れて食事を用意してください。

2.余りものを使いきるルートを用意する

食べきりサイズを意識して調理しているのに、たくさん余ることもありますよね? そういうとき、余りものをどうするか、事前に考えておきましょう。

よくあるのは

・翌日の自分のランチに使う

・翌日の弁当のおかずにする

この2つですが、これ以外に、余りものを使いきれるようなレシピを用意しておくといいと思います。

私の余りもの一掃レシピは、グリーンスムージー、スープ、チャーハンです。野菜の切れ端はグリーンスムージーに入れ、スムージーにできないものはスープやチャーハンの具に使います。

最近は、残りものを利用したレシピを検索できるサイトもあるので、そうしたサービスの利用もおすすめです。

さらに、隣人、友人、親戚など、余りものをあげることができる人や場所をつくっておくといいかもしれません。私が子どもの頃、母はよく隣近所の人に、おかずを持っていったし、逆にもらうこともありました。

3.先入れ先出し

食品を買ってきたら、すでにある古い食品より後ろに入れて、手前にあるものからどんどん使っていきます。このルールは、冷蔵庫や冷凍庫だけでなく、パントリーにも適用してください。

手前や上に出ている食品の後ろや下に、買ってきたものや、つくったものをわざわざ入れるのは手間がかかります。ですが、こうした作業をすると、どれだけ在庫があるのか肌で感じることができるので、買いすぎやつくりすぎを防げます。

冷蔵庫やパントリーがいっぱいになってしまうのは、すでに十分すぎるほど自宅に食べ物があることを忘れてしまうからです。

先入れ先出しをやりたくないときは、せめて冷蔵庫や冷凍庫、パントリーにどんな食品がどれだけ入っているのか、記録して把握しましょう。冷蔵庫用のホワイトボードや付箋、スマホで撮る写真も記録に使えます。

4.賞味期限を確認するクセをつける

買い物をするときも、なにかをつくるときも、まめに賞味期限を確認し、期限の近いものから食べるようにします。調理したおかずや常備菜を冷蔵庫や冷凍庫に入れるときも、日付を書きましょう。

私はマスキングテープを貼って、そのテープに日付を書いて管理しています。

付箋を使ったり、チャイナマーカーで直に容器に書いたりしてもいいですね。チャイナマーカーは、ガラスやステンレス、プラスチックなどインクを吸収しにくいものにも文字が書ける、一見、色鉛筆みたいなペンです。

私の夫は、ファーストフードで食事をした際に余った小袋入りの調味料をいつまでも冷蔵庫に貯め込む人です。このようなパウチも、日付を書くといいかもしれません。いちばんいいのは、その日の料理に使ってしまうことですが。

5.週に1度食べきる日をつくる

曜日ごとに、つくるものの目安を考えておくと、献立を立てるのも調理をするのもラクになります。たとえば、月曜のメインは肉、火曜は魚、または、月曜は和食、火曜は洋食、というように。このようにざっくり献立を立てるとき、週に1日は、「残りものを食べる日」にしましょう。

週末で疲れている金曜日の夜、家事をあまりやりたくない土曜日の夜、日曜日のランチなど、いつ残りものを処分するかはご自身のライフスタイルに合わせてください。

以上、食品を食べきるちょっとしたコツを紹介しましたが、自分1人だけでやらず、家族(または冷蔵庫をシェアしている人)の協力をあおいだほうが効果的です。一度、家族全員に、食品を無駄にしないという目標を共有しましょう。フードロスを減らして、食費が余ったら、全員で外食するごほうびを設定するのもいいですね。

筆子さんの著書『50歳からのミニマリスト宣言!』(扶桑社)では、上手なものの減らし方や、ミニマリストになってよかったこと、体と心の健康を保つコツなど、これからの暮らしに役立つ内容をたっぷり掲載しています。