年齢を重ねることにものとの向き合い方は変わっていくもの。家計改善コンサルタント・アドバイザーの高木瞳さんも40代を目前にこれからの「暮らし」について考えた結果、不要なものを捨て、なにを残すか重要視する「捨て活」を行ったそうです。今回は、高木さんが「捨て活」を通して気づいたことや変えたことをつづります。

40代を目前にして考えた「捨て活」

今年40代を迎えるにあたり、老後のことを具体的に考えるようになりました。きっかけは、数年前にシングルマザーになったこと。それまで、自分が離婚をするとはもちろん想像しておらず、結婚当初に描いていた人生が、予想外にずいぶんと違う流れに。

今後、子どもたちを成人まで見届け、自分の面倒を最後まで見るためにも、今自分の生活を改めて見直す必要があると感じ、身の回りを整え始めました。すると、自然と「捨て活」につながってお金の使い方にも変化が。今回は、40代目前で捨て活をして気づいたこと、変えたこと3つを紹介します。

「一生もの」だと思って買わないようにした

捨て活はクローゼットからスタート。あけていない引き出しから、ハイブランドではありませんが、「一生もの」と思って購入した本革のバッグなどが出てきました。

購入時はとても気に入っていたはずなのに、10年近くも経つとやはり当時のときめきは色あせ、どうも今の服とも自分とも合わない。今まではこういった「一生もの」をときどき取り出し、持ってみては、使えないのに手放す勇気もなく、また元の場所に戻していました。

それを今回思い切って手放すことに。すると、それなりに値が張った物、お手入れしていた物も数百円にしかなりませんでした。思い返せば、高額な物、勇気がいる物を購入するとき「一生もの」という言葉を免罪符にして、自分の背中を押していた部分もありました。

たしかに品質もデザインもいい。でも「私自身の気持ちが変わることもあるんだ」と実感し、一生ものは「物も人も変わらない」という条件がそろわないと成り立たないと分かりました。

40代に差し掛かり、大人としてある程度質のいい物を持ちたいとも思いますが、一生ものになるからという理由で大きな買い物をすることはやめようと思いました。

処分に困る物は増やさない!

捨て活は家じゅうに広がり、離婚してから見ないふりをしていた元夫のものなども処分しました。

リサイクルショップに持って行くと「年式が古いので買い取りできない。逆に引取り料をいただきます」とのこと。状態はきれいな方でしたが、使っていなくても物は古くなって価値が下がっていく。だからこそ、「もういらないかなぁ」と思ったら即手放さないと、捨てることにどんどんお金がかかるんだなと実感しました。

これから50代、60代と年齢を重ねるうちに、自分で処分できない物、処分するのも高額だからと家に置きっぱなしになる物が出てくるかもしれない。私が亡くなったとき、その片づけや費用を負担するのは子どもたちかもしれない…。

そう思うと、不用品はこまめに処分し、「処分に困る物は増やさないようにしよう」と決めました。

最小限で快適に暮らす

片づけは、老後の理想の生活について具体的に考えることにもつながりました。見えてきた私の希望は「広すぎず、狭すぎない家で、自分の生活を自分でこなしたい」ということ。

突きつめると「快適な最小限で暮らす」ということです。過不足ない程度の最小限がそろった中でスッキリ暮らしたい。この理想がよりはっきり意識できたので、40代からは余分な物を極力持たず、改めて計画的にお金を使いながら暮らしていきたいです。

今回、捨てる作業を進めることで、自分の生活と向き合う時間が生まれました。結婚、出産、離婚を経て、40代のこれからなにを目指すのかなど、普段はゆっくり考えることもできずにいましたが、とてもいい機会になったと思います。

一度自分の生活を見直したい、整えたいという方には、捨て活がきっかけになるのではと思います。