心地よい暮らし方は人によってさまざまです。ものを減らしたり、少し丁寧に過ごしてみたり、昨今は多くの暮らしを学ぶことができます。「北欧デンマークには"ヒュッゲ"という家時間を充実させる概念のような言葉があり、人々の暮らしの文化にも深く根づいています」。そう教えてくれたのは、デンマーク出身の夫と日本でふたり暮らしをしているインスタグラマーの「saki+jens」さんことスヴェンスマーク 紗希さん。ふたりが実践する心地よい暮らし方のルールを教えてもらいました。

間に合わせで家具を買わない

引っ越しのときなど、今まで使っていた家具を処分して、新しい家に合う家具を新調することもあります。引っ越しや入居に合わせて、家具も一式そろえたくなりますが、気に入った家具がなかなか見つからないこともあるのではないでしょうか。

【写真】アートが飾られた洗面所

「“とりあえず”でものを買ってしまうと、後悔につながる可能性が高くなるので、わが家は、間に合わせで家具をそろえることはしません。気に入った家具に出合えるまでは、ダンボールをテーブル代わりに使っていた時期もありました」

間に合わせで買って、すぐに処分するのでは労力もお金もかかってしまうもの。とことん考えて買わないこともまた、節約にもなり、長い目で見ると満足度も上がります。

必要か、不必要かをシビアに判断する

「夫は独身のころ、『必要ないから』という理由でテレビやドライヤーを持っていなかったんです。デンマーク人はある意味とても合理的。そこには大きく学べるものを感じ、自分にとって必要なものだけで家を構成していると思います」

とはいえ、趣味もあって家にある物量はそれなりに多い方だという紗希さん。隠したいものはDIYで増やした収納スペースに入れているそうです。

足るを知ることを考える

「デンマークは日本と比べると便利グッズなどの種類は豊富とはいえないですし、暮らしのなかで不便さを感じる場面も少なくありません。でもその中で“足るを知る”ことで自分たちなりに工夫をし、日々を楽しもうとするデンマークの人々の姿勢からは、学ぶことも多いと感じます」

「買ったのに使わない」「持っているけど必要性を感じない」のはお金やスペースの無駄に。余分なものがなくなれば部屋の中もスッキリします。

「とことん無駄を省けばいいというものでもなく、デンマークではどの家にもアートが飾られています。中には部屋の壁に一辺が2mくらいある大きな絵を飾っている人もいるくらいなんです」

余分なものや無駄なものにとことんシビアに向き合いつつも、心の余白をつくることは忘れないようにするのが、生活を楽しむポイントなのかもしれませんね。