家づくりで間取りを考えるとき、悩むのが洗面所と脱衣所を一緒にするか、分けるかという問題。ハウスメーカーで家を建てた日刊住まいライターは、脱衣所を洗面所から独立させたプランに。広さはわずか1.5畳ですが、床暖房を入れ、収納も工夫することで、とても便利で快適な空間になっています。狭くても脱衣所をつくってよかったと感じる理由を語ります。

洗面所から独立。たった1.5畳でも大活躍の脱衣所

筆者は妻と子ども2人(2歳、0歳)の4人家族。3年前に、ハウスメーカーで2階建ての家を建てました。延床面積38坪、1階にLDKと水回り、2階に主寝室と2つの子ども部屋、書斎がある間取りです。

 

上は、1階の北側につくった水回り部分の間取り図です。洗面所はランドリールームと検討に。そして、浴室の間に1.5畳の脱衣所をつくりました。

家づくりの打合せをしている最中は、「たった1.5畳の空間なんて、狭くて使いづらいのでは?」と心配でした。

しかし、住んでみるとそれは杞憂でした。1.5畳という狭さだからこその、メリットがあることにすぐに気づいたのです。さっそく、独立した「小さな脱衣所」のメリットをご紹介しましょう。

床暖房ですぐ暖まる!寒い冬でも着替えが苦にならない

1.5畳という狭い脱衣所。しかし、狭いからこそメリットだと感じる時期があります。それは寒い冬です。

じつは筆者宅では、脱衣所に床暖房を採用しています。入浴する直前に床暖房を入れておけば、浴室から出る頃には心地よい暖かさになっています。寒い冬でも着替えが苦になりません。

1.5畳という狭い空間なので、あっという間に暖まるので非常に助かります。とくに筆者の場合、幼い子どもがいるので、その恩恵は大きいです。入浴後には自分のことはそこそこに、子どもの身体をふいて服をきせなければなりません。でも、暖かい脱衣所のおかげで、親も子も湯冷めせずにすんでいます。

1.5畳は、床暖房でなくとも、ヒーターなどの暖房器具を置くだけで、簡単に暖まる広さ(狭さ?)です。

脱衣所に衣装棚を設置。すべての動線がコンパクト!

筆者宅の脱衣所には、下着などの着替えを置くための、衣装棚を置いています。

脱衣所は、洗面所と兼用のランドリールームと浴室の間にあるので、脱衣所に衣装棚があるのが非常に便利です。

 

ちなみに衣装棚の対面の壁は、タオルハンガーを2つ取りつけました。狭いスペースですから壁の幅はとれませんが、上下に取りつけることで、バスタオルを余裕で2枚かけることができています。

また、隣が洗面所兼ランドリールームなので、洗濯して干した衣類を、すぐに衣装棚に収納できます。これはとてもラク。また、入浴後に衣装棚からすぐに、着替えを取り出せるのも便利です。

こういった動作は毎日のこと。ですから、家事動線がコンパクトであることは、大事なことだと思います。

独立していることで家族のプライバシーも守れる

家族同士であっても、プライバシーはあります。ですから、脱衣所という個室の空間をつくることは大事。

もし洗面室と脱衣所が同じ空間にあれば、入浴前後でだれかが着替えているときに、洗面所を使うのは躊躇するでしょう。でも、わが家の場合、写真のように引き戸で、完全に遮断できます。このことでプライバシーも守れます。

筆者には男女の子どもがいます。今はまだ小さいので困りませんが、年齢が大きくなれば、脱衣所が独立してあることのありがたみを、きっと感じてくれるでしょう。

 

後悔は湿気対策の換気扇をつけなかったこと

使い勝手のいい脱衣所ですが、少し後悔していることも。それは、浴室からの湿気対策です。狭い個室空間の脱衣所なので、当たり前ですが、浴室からの湿気がこもりやすいのです。

筆者宅は全館空調を採用したので、脱衣所も常に換気されています。それでも湿気はたまりやすいように感じています。

脱衣所に窓はつけています。しかしそれは、あくまで採光のためのはめ殺しの窓(写真)。別途、脱衣所に換気扇をつけておけばよかったと、少し後悔しています。とはいえ、たいした問題ではありません。使用していないときに、洗面所兼ランドリールームの引き戸をあけておくことで、ほぼ解決できています。