ゴロリと寝そべれて、収納スペースも増える。そんなメリットから、リビングの一角に畳敷きの小上がりをつくるプランが人気です。ただし、収納としての使い勝手には落とし穴も。10年前に中古マンションをリノベーションした日刊住まいライターが使いづらいと思うところをレポート。もともとは、頻繁に出し入れするもの収納したかったのに、今ではめったに使わないものを収納しています。

マンションリノベでリビングに小上がりをプラン

筆者は、夫婦と子ども3人（長女17歳、長男12歳、二男8歳）の5人家族です。10年ほど前に65�崢�度の中古マンションを購入し、フルリノベーションを行いました。

リノベーションで採用したのが、リビングの一角に畳の小上がりスペースをつくるプラン。空間にメリハリをつけたい、寝転んだり腰かけたりとフレキシブルに使えそう、と思ったことがその理由です。

また、小上がり下に収納スペースがつくれることも、大きな魅力に。65�崢�度のコンパクトなマンションのため、少しでもスペースを、有効活用したいと考えたのです。

 

小上がりの下には引き出しタイプの2つの収納

小上がりの段差部分を収納にする場合、小上がりの上部をあける「天面開口タイプ」と、「引き出しタイプ」の2つのパターンがあるとのこと。

「天面開口タイプ」は開口が大きいので、収納しているものが見やすく取り出しやすいというメリットがあります。しかし、上にものがあると動かさないとあけられません。そこで、わが家は段差部分を手前に引き出して使う「引き出しタイプ」を採用。小上がり下に、2つの引き出し収納を設けました。

 

引き出しの大きさは、幅80×奥行き90cm程度です。

当初は、リビングに散らかりがちな子どものオモチャや絵本、雑誌などを、収納するイメージでいました。

住んでみて実感…意外に引き出し収納は使いづらい

住み始めるまでは、リビングで遊んだあとのオモチャを、そのままポイっと収納できて便利なはず…、と思っていました。しかし実際に暮らし始めてみると、オモチャの収納には向かないことが判明。そのおもな理由は2つです。

・引き出しが比較的大きいので、小さな子どもがあけるのは難しい
・引き出しても奥行きがあるため、奥にあるものが取り出しにくい

結局、大人が戻さないといけないということに。それが次第に面倒になり、オモチャを収納することはなくなりました。

 

また、引き出しをあけようとすると、その手前にある程度のスペースが必要です。しかし、わが家のリビングはあまり広くないため、イスやビーズソファなどを、いちいちよけないといけません。これが意外に面倒。

 

とくに冬場は、リビングにホットカーペットを敷くので、引き出しのあけ閉めもおっくうに。

めったに使わないものの収納スペースに

住みはじめて10年。現在の小上がり収納の中身は、写真のような感じです。左側にはCDやとっておきたい雑誌、マンガを。右側には衣類を入れています。

 

こちらは左側です。

ここ数年、音楽ストリーミングサービスなどで、音楽を楽しむことが大幅に増え、CDを聴くこと自体が、ほぼなくなりました。そのため、引き出しを頻繁にあけることもありません。

現在は、収納場所というより、CDやマンガのコレクションを保管するスペースのような状態に。お気に入りのCDや本などを大事にしまっています。

 

右側には、シーズン外の子どもの衣類を収納。衣替えシーズン以外は使わないので、あけ閉めによるストレスもありません。

小上がり下収納は、当初考えていたような、頻繁に使うものの収納には向きませんでした。しかし、つくっておくとなにかと役立つ収納スペース。小上がりを採用するなら、合わせて検討してみてはいかがでしょう。