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●明石家さんまさんなど数多くの著名人が訪れる『そば処 更科』。SNSで話題になっている1日20食限定の「カレー丼」とは?

 天神橋筋界隈は、昔ながらの大衆食堂や惣菜屋、喫茶店などさまざまな飲食店が立ち並ぶ大阪有数のグルメスポット。大小さまざまなお店が600店も並ぶ商店街を中心に、今もなお下町の雰囲気が漂っています。

 そんな天神橋筋エリアで最近話題になっているのが、おそば屋さんで食べられる「カレー丼」。SNSで発見してそのビジュアルに一目惚れし、気になって行ってみました。

『そば処 更科』の外観

 天神橋筋六丁目駅から徒歩2分の場所にある創業46年の『そば処 更科』は、サラリーマンや地元の人から人気のお店です。平日の昼間に訪れましたが店内はほぼ満席で、お客さんがひっきりなしに訪れていました。

 店内にはカウンター席とテーブル席、座敷があり、昔ながらのおそば屋といった雰囲気。壁には明石家さんまさんや野球選手のサインがずらっと並べられていて、多くの方に愛されていることがわかります。

 到着したのはお昼の12時ごろ。「カレー丼」は1日20食限定なので売り切れていないか心配でしたが、無事ありつけました。休日のお昼は早い時間になくなってしまうこともあるそうなので、狙っている方はできるだけ午前中に行くのがおすすめです。

これぞそば屋のカレー! 出汁香る「カレー丼」

「カレー丼」1000円

「カレー丼」はプラス200円で「肉ましまし」、無料で「ご飯大盛り」にできるので、迷わず両方大盛りで注文。300円追加すると、そばやうどんを付けられますよ。

 待つこと数分でお目当ての「カレー丼」がやってきました。テーブルに置かれた瞬間お出汁とスパイスの香りがふわっと立ち上り、食欲を掻き立てられます。大きなどんぶりにたっぷりのカレーが入っていて、上には生卵。添えられているのは麩とわかめ、ねぎが入った赤だしと福神漬け。王道のラインナップです。

 鰹と昆布の旨みが効いていて、これぞおそば屋さんのカレー! と唸りたくなる王道の味わい。そばつゆを使っているのか少し甘辛さも感じられて、いわゆるカレーライスとは全くの別物です。

 辛さは控えめで、子どもや辛いものが苦手な人でも食べられそうなほどマイルド。刺激が欲しい方は、卓上の七味唐辛子をかけるのもおすすめです。

 具は牛肉と玉ねぎ、青ねぎのみと至ってシンプル。牛肉は脂身多めの薄切り肉が使われており、やわらかい食感でカレー餡に旨みが溶け込んでいます。肉マシマシにしたため、とにかく量が多く、カレーと牛丼を一緒に食べているような贅沢感です。

 とろとろのカレー餡がしっかりご飯に絡み、冷えた体に染み渡ります。出汁とカレーという組み合わせを嫌いな人はきっと少ないはず。初めて食べたのにどこか懐かしさを感じさせてくれます。

とろとろの生卵でマイルドに

生卵でマイルドな味わいに [食楽web]

 続いては卵黄を潰していただきましょう。

 濃厚な卵黄のおかげで味がまろやかになり、違った味わいに大変身。カレー餡の塩気が強めなので、卵がいい仕事をしてくれます。時間が経つと予熱で白身が少し固まってとろとろになり、新しい食感を生み出してくれます。

 卵は全部混ぜずに食べるのがおすすめ。カレーだけの部分と、卵を絡めた部分とで味に変化が出るので、最後まで飽きずに食べられます。間に福神漬けと赤だしを挟めば口がリセットされて、どんどん食べ進めたくなります。

 多すぎるかと思っていた肉マシマシとご飯大盛りの「カレー丼」が、あっという間に胃袋に消えていきました。

調査結果

「カレー丼」の豊かな出汁の風味は、おそば屋さんだからこそ出せる味。出汁とスパイス、生卵が見事に融合していて、長年愛され続けるのも納得の美味しさです。昭和の雰囲気漂う店内で、懐かしさに浸ってみてはいかがでしょうか。

(撮影・文◎安達春香)

●SHOP INFO

店名:そば処 更科

住:大阪府大阪市北区浮田2丁目1-10
営:11:00~15:00、18:00~20:00
休:日曜