2回のアラフォー・アラフィフ離婚と3回の結婚を経験した鈴木さん(筆者撮影)

アラフォーと言えば仕事が波に乗ってきたり、育児に追われている人もいる世代だ。そんなアラフォー世代が離婚した後、どのような生活を送っているのだろうか。昨今は3組に1組が離婚すると言われている時代。今回は2回離婚し3回目の結婚生活を送っている女性を取材した。

初婚は22歳、2回の離婚と3回の結婚を経験

約束の喫茶店に現れた鈴木美智子さん(仮名・51歳)はどこか妖艶な雰囲気を醸し出す女性だった。上品な京都弁でにこやかに話す。ずっと京都で生活をしていたが、3回目の結婚を機に上京したのだそうだ。上京しても、助産師の資格を持っているため働き口には困らなかったという。

鈴木さんは22歳で結婚後41歳のときに離婚、その後45歳で再婚後46歳で離婚、そして47歳のときに現在の夫と結婚している。2回の離婚と3回の結婚を経験しているのだ。

「恋愛遍歴がすごすぎて、人からは文章にしてみたら?と勧められるのですが、ブログをやってみようとしてもよく書き方がわからなくて……。私、離婚するたびにどんどん生活レベルが上がっていっているんです」

話を聞いてみると確かに鈴木さんの恋愛模様は波乱万丈だ。最初の結婚はDVにより離婚、2度目の離婚はうまくいかず1年半しかもたなかった。そして現在の夫は一回り以上年上だ。最初の元夫はメーカー勤務、2人目の元夫は京都で100年以上続く老舗問屋、現在の夫は少し前に退職したが元メーカー勤務だったという。

「実は最初の夫のとき、パトロンが3人もいました。それで、夫の収入+パトロンからの援助があったのでお金に困ることはありませんでした。また、それまでは専業主婦をしつつたまにアルバイトをしていたのですが、母の勧めで35歳のときに助産師の資格を取り、現在も助産師を続けています。パトロンについて子どもたちにも紹介したことがあるのですが『お母さんの好きな人』といった女を見せるような表現はせず、『お父さんとこの男の人たちが私たちの生活を支えてくれているんだよ』と説明しました」

離婚は円満、今でも元夫たちとは連絡を取り合う

パトロンは鈴木さんの子どもたちにもよくしてくれ、会うときは手土産を持ってきてくれたり、子どもたちと一緒に旅行に行ったこともあるそうだ。これだけ男性関係が放漫だと離婚の際にもめそうだが、2回とも円満離婚で今でも過去の元夫たちとは連絡を取り合っている。

離婚後に友人関係で変化がなかったのかと尋ねると「私、女性の友人はつくらないようにしているんです」と返答された。なんでも、自然と男性にモテてしまうためほかの女性からひがまれてしまうからだそうだ。若い頃は女友達が自分の彼氏を鈴木さんに紹介すると取られてしまいそうだと言われたことすらあるという。そんな小悪魔的な魅力が鈴木さんからは感じ取られた。現在も職場のドクターから口説かれていて、たまに食事に行くとのことだった。

「中学生の頃から大人びていて、同級生と恋愛したことがないんです。高校生の頃は校外の社会人向けのテニスサークルに入って、社会人とお付き合いしていました。だから、高校生の青春の恋愛、みたいなことは経験していなくて、学生時代は全然楽しくなかったです」

パトロンがいたことで気をつけていたことは「家に男性はあげない」ことだった。父親以外の男性が家に入ることで子どもたちに悪い影響を与えると考え、パトロンとは外で会っていた。

「私、2回とも円満離婚なんです。円満離婚の証しとして、41歳のときに離婚した元夫からは毎月25万円の養育費をいただいていました。それで私も働いてパトロンもいて、子どもたちを私立の学校に行かせてあげられていました。また、元夫は家のローンも払ってくれていて、ローンを払い終えたらこの家は子どもたちに譲渡してくれます。また、退職をしたら退職金の半分は私に入ってくることになっています」

離婚して再婚するたびに生活レベルが上がる

鈴木さんは離婚してから再婚するまでのスパンが毎回短い。なんでも、離婚をすると知人から「良い人がいるよ」と紹介の連絡がくるのだという。今の夫は前の夫と離婚をした翌日に紹介話がきたそうだ。

「離婚をすると生活レベルが落ちるよ」と母親から言われたが、逆に鈴木さんの場合は絶対にそんなことはないという根拠のない自信があった。事実、離婚して再婚するたびに生活レベルが上がり、お金に困ることがなくなっていることが安心だと話す。新型コロナが流行していた期間、夫の会社は業績が落ちるどころか上がり、助産師である鈴木さんも仕事が忙しくなり、収入が増えたという。たまたまこのようにお互い生活に困らない仕事だったことに感謝しなければいけないと鈴木さんは語っていた。

「今の夫は一回り以上年上なので、私よりも先に亡くなる可能性もあります。もし、夫が先に亡くなってしまっても、私はまた別の人と結婚すると思うんです。これは私のカンでしかありませんが、夫は長く苦しんで亡くなるわけではなく、いきなりぽっくりいく気がしています。あと、夫は少し亭主関白な部分があるので、『社長と秘書』のような関係でいることが夫婦円満の秘訣になっています」

若い頃から数々の恋愛をしてきた鈴木さん。冒頭でも述べたが鈴木さんは自分の恋愛遍歴を自伝として残したいと語っていたため、出版につながりそうなオススメのブログサイトを教えると、興味を示してくれた。鈴木さんは今後も穏やかな夫婦関係を築いていくのであろう。

本連載ではアラフォー世代で離婚された人が離婚後にどのような変化があり、どんな生活を送っているかの体験談を募集しております。取材の申し込みは以下(https://form.toyokeizai.net/enquete/tko2210b/)よりお願いいたします。


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(姫野 桂 : フリーライター)