●後藤祐樹氏は「ちょっと気まずい(笑)」

“埼玉の奇祭”と呼ばれる『埼玉政財界人チャリティ歌謡祭』を生み出した埼玉県の独立局・テレビ埼玉(テレ玉)が、大みそかの国民的番組『NHK紅白歌合戦』の裏で、今年も『大晦日職人歌合戦 〜2023年もおつかれさまでした〜』(31日20:00〜)を放送する。

この番組は、埼玉で働く職人たちが自慢の歌声を披露するもので、昨年に第1回大会を放送。今年も建設業や道具の販売店に加え、塗装業、太陽光発電工事、さらには便利屋まで、幅広い“職人”たちが、趣向を凝らしたパフォーマンスとトークで、スタジオを盛り上げる。

マイナビニュースでは、11月中旬に行われた収録前のリハーサルに潜入し、全出場者にインタビュー。後半戦は、審査員の後藤祐樹氏の前でモーニング娘。を披露する勇者や、元常務のアルバイトという稀有な出場者がスタジオ狭しと駆け回った。

(左から)「便利屋ミヤナミ」宮南洋さん、「ジェイズ」地蔵堂俊介さん、「秀久」阿部鍛造さん、「エコグリーン開発」鈴木修次郎さん

○「おふくろに見せたくないです」と後悔

5番目に登場するのは、引越し・草むしり・不用品回収など、様々な依頼に対応する「便利屋ミヤナミ」の宮南洋さん。昨年は、DJ OZMAの「アゲ♂アゲ♂EVERY☆騎士」で踊り狂ったが、今年もモーニング娘。の「ザ☆ピ〜ス!」でパワフルなパフォーマンスを見せている。

リハーサルを終え、激しく息を切らしながらインタビューに応じた宮南さんは「モー娘。って十数人いるのに、それを一人でやるなんて無理でしょ(笑)」と後悔。本家を再現した水兵のセーラー衣装で、早着替えの演出もあるが、「おふくろに見せたくないです」と、また後悔した。

この選曲は、審査員に元モーニング娘。の後藤真希の弟である後藤祐樹氏(千葉県八街市議会議員)がいることから決定。それに加え、「娘が生まれたのが午前中だったので、モーニング娘。にしました」と、嘘か真か分からない理由も明かしてくれた。

後藤祐樹氏はこの選曲を聞いて、「ちょっと気まずいですね(笑)」と苦笑いしていたが、本番で実際にパフォーマンスを目の前にし、どんなリアクションを見せるのか。





○カラオケボックスで20回練習

6番目は、外装工事を手がける「ジェイズ」の地蔵堂俊介さんと堀川元樹さん。昨年は蔵堂さんが、きゃないの「バニラ」を独唱したが、今年はツインボーカルで、桑田佳祐の「白い恋人達」に挑む。

「せっかく2人で歌うなら、ハモリを入れてちょっとカッコつけるほうがいい」という社長の意見を取り入れたが、「なかなか難しくて緊張します」(堀川さん)、「カラオケボックスで20回ぐらい歌いました」(地蔵堂さん)と、練習では苦戦したそうだ

その上、強烈なインパクトを残しそうな「便利屋ミヤナミ」の次という曲順もプレッシャーに。「あの次はやりづらいですね」(地蔵堂さん)、「モーニング娘。には敵わないと思いましたが、ギャップを狙っていきたいと思います」(堀川さん)と、イロモノではなく正攻法で臨む。





●メンバーがイベント稼働で独唱に

7番目に登場するのは、電動工具・建築金物・作業着・各種建材を販売する「秀久」。昨年は、ボーカル、DJ、ギター、ダンサーという布陣で、圧巻のパフォーマンスを披露したが、今年は阿部鍛造さんのみ。「イベントが重なって、会社のメンバーがみんなそっちに行っちゃったので、1人になりました」ということで、銀杏BOYZの「骨」を独唱する。

昨年はオリジナルソングを歌ったが、「自分の歌よりこっちのほうが上手いかもしれないです(笑)。それに自分の歌は踊りもあってちょっと恥ずかしいので、こっちのほうがやりやすいかもしれないです」と、メンバー不在も前向きに捉えている様子。ただ、「ずっと立ちっぱなしなので、どういう動きをすればいいのか分からなくて、緊張しちゃいますね(笑)」と漏らした。

ライバルは、昨年「ベストパフォーマンス賞」(優勝)のエコグリーン開発。「やるからには優勝を狙いたいです。会社のみんなもそれを待っているので、頑張ります」と意気込んだ。持ち歌があるだけに抜群の歌唱力を見せているが、審査員の評価やいかに。





○社長からマイクを奪うアルバイト

そして大トリは、ディフェンディングチャンピオンで、太陽光発電事業を手がける「エコグリーン開発」。松平健の「マツケンサンバII」を、バックダンサーを従えた内ヶ島圭悟社長が歌うと思いきや、おなじみの黄金に輝くキラキラ着物の男性がマイクを奪い、ステージから降りてスタジオ中を駆け巡りながら、パフォーマンスを繰り広げた。

この男性の正体は、「諸事情があって、元常務で今はアルバイトです」(内ヶ島社長)という鈴木修次郎さん。リハーサルを終え、「いやもう、今年一番楽しかったです!」と充実の表情を見せる。

昨年優勝してからの反響は大きかったそうで、鈴木さんは「SNSでつぶやかれたりして、会社の知名度アップにすごく役立ったと思いますし、出場者との横のつながりも深くなったので、参加して良かったと思います」とメリットを享受。ただ今年は、「ミヤナミさんのパフォーマンスがすごかったので、ちょっと危ないですね」と危機感を持ちながら本番へ向かっていった。





○『大晦日職人歌合戦 〜2023年もおつかれさまでした〜』出場者/披露楽曲

1:(株)かじ兵衛・笠原誠児さん/SMAP「笑顔のゲンキ」

2:(株)吉村・吉村久朋さん/MISIA「アイノカタチ feat.HIDE(GReeeeN)」

3:(株)塗藤・藤ノ木善大さん/T.M.Revolution「HOT LIMIT」

4:(有)かじ兵衛 ふじみ野本店・後藤公成さん/新浜レオン「捕まえて、今夜。」

5:便利屋ミヤナミ・宮南洋さん/モーニング娘。「ザ☆ピ〜ス!」

6:(株)ジェイズ・地蔵堂俊介さん&堀川元樹さん/桑田佳祐「白い恋人達」

7:(株)秀久・阿部鍛造さん/銀杏BOYZ「骨」

8:(株)エコグリーン開発・内ヶ島圭悟さん/松平健「マツケンサンバII」