「空港の手続き」も自分で完結できる時代に!?“ストレスフリー”を目指す日本航空株式会社の取り組みとは?
笹川友里がパーソナリティをつとめるTOKYO FMのラジオ番組「DIGITAL VORN Future Pix」(毎週土曜 20:00〜20:30)。この番組では、デジタルシーンのフロントランナーをゲストに迎え、私たちを待ち受ける未来の社会について話を伺っていきます。11月11日(土)の放送は、日本航空株式会社 執行役員 デジタルイノベーション本部長の野田靖(のだ・やすし)さんをゲストに迎え、お届けしました。
野田さんは、1991年に日本航空(JAL)に入社し、大阪空港支店旅客部に配属。その後、2006年から旅客営業本部企画部マネージャー、2007年からは米州支社旅客営業部マネージャー、2012年からは海外地区販売部企画グループ長、2018年に国際提携部部長となり、2022年より現職に就いています。
◆旅客サービスだけじゃないJALの幅広い業務内容
日本を代表する航空会社の業務内容は多岐に渡るものの、主な事業は旅客サービスと貨物サービスで「この2つで売上の8割ぐらいを占めています」と野田さん。
ただ、航空業界は感染症の影響を受けやすく、世界的なパンデミックとなったコロナ禍は、国際線でお客さまがひと桁しかいない時期が続きました。そうした苦境を経て「航空事業以外の事業もしっかりやらなければならないと、コロナ禍で学びました」と回顧。
最近では、よりお客さまの日常に近い領域であるマイレージライフスタイル事業の強化に注力し、今年3月には、スマートフォン決済サービス「JAL Pay」を開始、さらに5月にはECモール「JAL Mall(JALモール)」を開設しました。
さらに野田さんは、デジタルイノベーション本部長として、社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の旗振り役を担っており、「新しい事業を作り上げるべく『ドローン』『空飛ぶクルマ』など、次世代のエアモビリティなども我々の部署でやっております。新しいものを作るのは本当にワクワクしますし、(社員も)みんなそういう気持ちで頑張っています」と語ります。
◆顧客&従業員の満足度向上のために
そんななか、JALではCX(カスタマー・エクスペリエンス:顧客体験価値)とEX(エンプロイー・エクスペリエンス:従業員の経験価値)双方の向上、充実を図るべく、2018年4月に「JAL Innovation Lab」、2019年1月に「Japan Airlines Innovation Fund」を設立。
立ち上げの経緯について、野田さんは「世の中はどんどん変わってきていますので“いかに新しいアイデアを取り込むか”というところで、JAL単独で考えていても、なかなか良いアイデアがすぐに生まれてこない。そこで、外部の皆さまと一緒に考えていくプラットフォームとして設立しました」と説明します。
「JAL Innovation Lab」では、スタートアップ企業をはじめ、優れた技術やアイデアを持っている多くの企業と協働し、新たなビジネスを創り上げていく取り組みをおこなっており、ここでは、サウナに関わる事例を紹介。
JALグループは、2019 年よりサウナを目的に旅をする 「サウナツーリズム」を展開していましたが、昨今のサウナブームによって利用者の拡大が進むなかで、人気施設における“サウナ室の混雑”が課題でした。
これにラボの若手メンバーが着目し、高精度センサー技術を活用したサウナ室の混雑状況をリアルタイムで可視化できる「リアルタイム人数カウントシステム」を開発。このアイデアをきっかけに、パートナー企業とタッグを組み、新たな事業として、サウナ室の人流を可視化するDXソリューション「TOKYO SAUNIST」を立ち上げました。
野田さんは、こうした新しい事業を作り上げていくうえで、「会社は『失敗してもいいから、新しいものをどんどん作れ』と言ってくれているので、社内からの後押しを励みに取り組んでいます。ですが“失敗してもいいや”という思いはなく、みんな“必ず成功させる”という気持ちで頑張ってくれています」と話します。
◆航空業界の“デジタル化”について
目覚ましいスピードでデジタル技術が進化するなか、航空業界にもデジタル化の波が押し寄せており、「我々も、常にお客さまのニーズに応えられるものをしっかり出していかなければならないので、日々いろいろなことに取り組んでいる」と言います。
その1つとして、ストレスフリーでスムーズな搭乗を提供する「JAL SMART AIRPORT」を紹介。空港で手続をする際、ひと昔前は係員に手続きをお願いすることが当たり前でしたが、「今は、係員を介さず、列に並ぶことなく、お客さまご自身でスムーズに手続きを完結できる。これが航空会社として一番良いサービスだと考え、力を入れています」と話します。
また、保安検査場での手荷物検査などでは、手荷物からパソコンやペットボトルを出す手間に時間がかかってしまい、それが混雑する原因の1つになっていました。そこで、羽田空港では、パソコンやペットボトルを入れたままで検査できる高度な手荷物検査機を導入し、「これによって処理速度がかなり速まり、お客さまのストレスも軽減されています」と胸を張ります。
最後に野田さんは、「今は人手不足が叫ばれているなかで、(こうした技術革新によって)従業員にもスムーズに日々の業務をおこなってもらう環境づくりも大事だと考えています。ですので、これからもテクノロジーを使って、お客さまも従業員もハッピーになるようなものをどんどん作っていきたい」と話していました。
次回11月18日(土)の放送も、引き続き野田さんをゲストに迎えてお届けします。JALが取り組むエアモビリティ事業などの貴重な話が聴けるかも!? どうぞお楽しみに。
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11月11日放送分より(radiko.jpのタイムフリー) http://www.tfm.co.jp/link.php?id=9052
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里
(左から)笹川友里、野田靖さん
野田さんは、1991年に日本航空(JAL)に入社し、大阪空港支店旅客部に配属。その後、2006年から旅客営業本部企画部マネージャー、2007年からは米州支社旅客営業部マネージャー、2012年からは海外地区販売部企画グループ長、2018年に国際提携部部長となり、2022年より現職に就いています。
◆旅客サービスだけじゃないJALの幅広い業務内容
日本を代表する航空会社の業務内容は多岐に渡るものの、主な事業は旅客サービスと貨物サービスで「この2つで売上の8割ぐらいを占めています」と野田さん。
ただ、航空業界は感染症の影響を受けやすく、世界的なパンデミックとなったコロナ禍は、国際線でお客さまがひと桁しかいない時期が続きました。そうした苦境を経て「航空事業以外の事業もしっかりやらなければならないと、コロナ禍で学びました」と回顧。
最近では、よりお客さまの日常に近い領域であるマイレージライフスタイル事業の強化に注力し、今年3月には、スマートフォン決済サービス「JAL Pay」を開始、さらに5月にはECモール「JAL Mall(JALモール)」を開設しました。
さらに野田さんは、デジタルイノベーション本部長として、社内のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進の旗振り役を担っており、「新しい事業を作り上げるべく『ドローン』『空飛ぶクルマ』など、次世代のエアモビリティなども我々の部署でやっております。新しいものを作るのは本当にワクワクしますし、(社員も)みんなそういう気持ちで頑張っています」と語ります。
◆顧客&従業員の満足度向上のために
そんななか、JALではCX(カスタマー・エクスペリエンス:顧客体験価値)とEX(エンプロイー・エクスペリエンス:従業員の経験価値)双方の向上、充実を図るべく、2018年4月に「JAL Innovation Lab」、2019年1月に「Japan Airlines Innovation Fund」を設立。
立ち上げの経緯について、野田さんは「世の中はどんどん変わってきていますので“いかに新しいアイデアを取り込むか”というところで、JAL単独で考えていても、なかなか良いアイデアがすぐに生まれてこない。そこで、外部の皆さまと一緒に考えていくプラットフォームとして設立しました」と説明します。
「JAL Innovation Lab」では、スタートアップ企業をはじめ、優れた技術やアイデアを持っている多くの企業と協働し、新たなビジネスを創り上げていく取り組みをおこなっており、ここでは、サウナに関わる事例を紹介。
JALグループは、2019 年よりサウナを目的に旅をする 「サウナツーリズム」を展開していましたが、昨今のサウナブームによって利用者の拡大が進むなかで、人気施設における“サウナ室の混雑”が課題でした。
これにラボの若手メンバーが着目し、高精度センサー技術を活用したサウナ室の混雑状況をリアルタイムで可視化できる「リアルタイム人数カウントシステム」を開発。このアイデアをきっかけに、パートナー企業とタッグを組み、新たな事業として、サウナ室の人流を可視化するDXソリューション「TOKYO SAUNIST」を立ち上げました。
野田さんは、こうした新しい事業を作り上げていくうえで、「会社は『失敗してもいいから、新しいものをどんどん作れ』と言ってくれているので、社内からの後押しを励みに取り組んでいます。ですが“失敗してもいいや”という思いはなく、みんな“必ず成功させる”という気持ちで頑張ってくれています」と話します。
◆航空業界の“デジタル化”について
目覚ましいスピードでデジタル技術が進化するなか、航空業界にもデジタル化の波が押し寄せており、「我々も、常にお客さまのニーズに応えられるものをしっかり出していかなければならないので、日々いろいろなことに取り組んでいる」と言います。
その1つとして、ストレスフリーでスムーズな搭乗を提供する「JAL SMART AIRPORT」を紹介。空港で手続をする際、ひと昔前は係員に手続きをお願いすることが当たり前でしたが、「今は、係員を介さず、列に並ぶことなく、お客さまご自身でスムーズに手続きを完結できる。これが航空会社として一番良いサービスだと考え、力を入れています」と話します。
また、保安検査場での手荷物検査などでは、手荷物からパソコンやペットボトルを出す手間に時間がかかってしまい、それが混雑する原因の1つになっていました。そこで、羽田空港では、パソコンやペットボトルを入れたままで検査できる高度な手荷物検査機を導入し、「これによって処理速度がかなり速まり、お客さまのストレスも軽減されています」と胸を張ります。
最後に野田さんは、「今は人手不足が叫ばれているなかで、(こうした技術革新によって)従業員にもスムーズに日々の業務をおこなってもらう環境づくりも大事だと考えています。ですので、これからもテクノロジーを使って、お客さまも従業員もハッピーになるようなものをどんどん作っていきたい」と話していました。
次回11月18日(土)の放送も、引き続き野田さんをゲストに迎えてお届けします。JALが取り組むエアモビリティ事業などの貴重な話が聴けるかも!? どうぞお楽しみに。
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11月11日放送分より(radiko.jpのタイムフリー) http://www.tfm.co.jp/link.php?id=9052
聴取期限 2023年11月19日(日) AM 4:59 まで
※放送エリア外の方は、プレミアム会員の登録でご利用いただけます。
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<番組概要>
番組名:DIGITAL VORN Future Pix
放送日時:毎週土曜 20:00〜20:30
パーソナリティ:笹川友里