連休明け24日前場の香港マーケットは、主要80銘柄で構成されるハンセン指数が前営業日比112.80ポイント(0.66%)安の17059.33ポイント、本土企業株で構成される中国本土株指数(旧H株指数)が50.06ポイント(0.85%)安の5821.65ポイントとそろって4日続落した。売買代金は505億2360万香港ドルとなっている(20日前場は442億3740万香港ドル)。
 投資家の慎重スタンスが強まる流れ。中国の景気懸念が依然としてくすぶっているほか、中国と台湾の関係悪化も警戒されている。台湾・鴻海精密工業(ホンハイ)傘下の富士康科技集団(フォックスコン)はこのほど、広東や江蘇の拠点が中国当局の税務調査を受けた。台湾総統選に絡んだ動き――との見方もある。鴻海創業者の郭台銘(テリー・ゴー)氏は、台湾総統選に立候補を表明しているためだ。もっとも、下値を叩くような売りはみられない。米国の金利低下や中国の政策期待を支えに、指数は下げ渋る場面もあった。(亜州リサーチ編集部)
 ハンセン指数の構成銘柄では、太陽光発電用ガラス基板メーカーの信義光能HD(968/HK)が3.6%安、ガラス生産中国大手の信義玻璃HD(868/HK)が3.2%安、中国中堅デベロッパーの龍湖集団HD(960/HK)が3.1%安と下げが目立った。
 セクター別では、中国の銀行・保険が安い。中国建設銀行(939/HK)が1.8%、中国農業銀行(1288/HK)が1.7%、中国銀行(3988/HK)が1.5%、中国人寿保険(2628/HK)が2.5%、新華人寿保険(1336/HK)が1.2%ずつ下落した。
 中国発電セクターもさえない。華能国際電力(902/HK)が3.8%安、中国電力国際発展(2380/HK)が1.8%安、華潤電力HD(836/HK)が1.9%安、華電国際電力(1071/HK)が1.7%安で引けた。
 半面、医薬セクターは高い。翰森製薬集団(3692/HK)が10.6%、百済神州(6160/HK)が5.4%、石薬集団(1093/HK)が2.2%、華潤医薬集団(3320/HK)が1.3%ずつ上昇した。江蘇省拠点の翰森製薬に関しては、英グラクソ・スミスクライン(GSK)とライセンス契約を締結したことも刺激材料となっている。
 一方、本土マーケットは5日ぶりに反発。主要指標の上海総合指数は、前日比0.38%高の2950.53ポイントで取引を終了した。不動産株が高い。公益株、医薬株、素材株、エネルギー株、運輸株、インフラ関連株なども買われた。半面、銀行・保険株は安い。通信株も売られた。
(編集担当:亜州リサーチ=サーチナ)