NMB48のメンバーで、Jリーグ・北海道コンサドーレ札幌サポーターとしても知られるアイドル、堀詩音さん。SNSでサッカー観戦の魅力を発信し続けている。今回はサッカーとの出会いや、コンサドーレに対する想いなどを存分に語ってもらった。

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NMB48の堀詩音さんに、サッカー観戦や北海道コンサドーレ札幌の魅力をたっぷりと語ってもらった

【祖父、父と3代でコンサドーレを応援】

――サッカーや北海道コンサドーレ札幌との出会いは?

 私が幼稚園の年長くらいの頃、お爺ちゃんに札幌ドームに連れていってもらったのが最初でした。当時はまだ北海道にプロスポーツチームがコンサドーレ札幌しかなくて、人生初のスポーツ観戦がコンサドーレの試合でした。

――当時のことは覚えていますか?

 まだ小さかったのでよくわからずに見ていたんですけど、ホームの最終戦だったからなのか、ドームですごい光の演出とかをしていたんです。それがすごく綺麗で「なんじゃこりゃ!」みたいな感じで、幼いながらに感動したのを覚えています。サッカーのことは全然わからなかったんですけど、「面白かったなあ」と思っていましたね。

――そこからコンサドーレにハマっていったのですか?

 小学1年生の頃にコンサドーレのチアチーム「コンサドールズ」のジュニアの募集案内を父が見つけてきてくれたんです。その頃からダンスをやっていたので、「入ってみたらどうだ?」と父が言ってくれたので入ったんです。そこから8年間所属していました。

――コンサドールズに入って、チアダンスのメンバーとしてコンサドーレを応援していたんですね。

 そこからずっと応援しています! そのあとに北海道日本ハムファイターズが札幌に移転してきて、野球を見に行くこともあったんですけど、「やっぱりサッカーが一番面白いな!」と感じたんですよね。今ではお爺ちゃんと父と私の3代でコンサドーレを応援しています。

【チアチーム『コンサドールズ』で8年間活動】

――コンサドールズでの日々はどうでした?

 何もかもが楽しかったですね! その頃からアイドルになりたいという思いはあったんですけど、それよりもコンサドールズのトップの方たちが「すごいな! かっこいいな!」と思って憧れていました。「私も勝利の女神って言われる人になりたい!」と思ってずっとチアダンスをやっていました。

――楽しいなかでも大変なこともありましたか?

 コンサドールズはJリーグクラブ最初のチアダンスチームなので、「私たちが一番だ!」っていうプライドをみなさんが持ちながら毎年オーディションをやっていたり、毎試合セレクションがあるんですね。選手たちのようにスタメン争いをしている感じで、その競争はすごく大変でしたね。

――試合の時にみんながパフォーマンスできるわけではないんですね。

 そうなんです。ジュニアの頃はみんな出られたんですけど、中学生のユースになると、「今日の試合はこの人が出て、この人は出られません」という発表がありました。でもそうやって常に競い合ってきたのは、今のアイドル活動をする上ですごくいい経験だったと思います。だから中学生の頃にすごくメンタルを鍛えられましたね(笑)。

――それはすごい経験ですね。選ばれるためにどんな努力をされたのですか?

 今よりも体重管理とかはすごく厳しかったんです。毎週、体重、筋肉量、体脂肪率とかを測って、それこそサッカー選手のようにコンディションを維持、管理しなくちゃいけなかったんですよ(笑)。育ち盛り、食べ盛りの中学生だったので本当に大変で。でも、それも今思えばいい経験だったなと思いますね。

――コンサドールズとして8年間活動されていましたけど、今のようにサポーターとして応援するようになったきっかけはあったんですか?

 当時、私が反抗期だったからか、父とお出かけするのが苦手だったんですよ。もうなに話せばいいかわからないみたいな(笑)。父は全国各地に遠征するタイプのサポーターなんですね。そうしたなかNMB48に入ってからのある時、「お父さん、ここの試合見に行くんだけど来る?」と言ってくれたんです。私もちょうど握手会で東京にいるタイミングで、「じゃあ握手会終わりに行こうよ」と誘ってくれたのがきっかけでした。

――コンサドーレが反抗期の娘と父親をつなげてくれたんですね。

 NMB48に入る前の札幌に住んでいた頃だったら、誘われても絶対行ってなかったと思います(笑)。でもNMB48で私も少し大人になって「え、いいじゃん。行こう、行こう!」みたいな感じで。今では全国のいろんなスタジアムに行って、ご当地のご飯を楽しみながら旅行感覚で一緒に応援しています。

――YouTubeの撮影もお父様とされているそうですね。

 そうなんです。いつも大ゲンカしています(笑)。父は撮影が苦手で、なかなか上手に撮れなくて、結構ボツになることが多くて。だからよくケンカして、父のお友だちのサポーターの方々に笑われ、励まされながら撮影しています(笑)。

【スタジアム観戦の魅力を発信】

――「#しおんのコンサ旅」というハッシュタグで、スタジアムの雰囲気やスタグルなどをX(旧Twitter)やYouTubeで発信されるようになったきっかけはあるんですか?

 コロナ禍になる少し前なんですけど、急に思い立ったんですよね。それまではスタジアムに行って写真を撮るだけで終わっていたんです。でもある時、「YouTubeやっているのに、これだけいろんなスタジアムに行っていて、それを発信しないのはもったいないんじゃないかな」と思ったんですよ。

 みんながみんな全国のアウェーのスタジアムに行けるわけではないですよね。でも行ってこそわかるスタジアムの雰囲気とか、グルメとかがあって、YouTubeを通してもっと伝えられるんじゃないかと思ったんです。それで一度、当時のTwitterにアップしたら結構見てもらえて、「いいかも!」と思って自己満足ながら撮影するようになりました。

――今年も湘南ベルマーレのレモンガススタジアム平塚以外は、アウェーのスタジアムに全部行かれたそうですね。

 そうなんですよ! 湘南さんだけ行けてなくて悲しいんです。Jリーグは基本的に土日開催じゃないですか。私も土日は握手会とか、お話会とかがあって、日程が被ってしまうとどうしてもいけないことがあるんですよね。それでアウェーの湘南戦はちょうど日程が被ってしまって。今年はJ1のスタジアム制覇ができないと確定した時は、すごく落ち込みましたね。

――それだけアウェーのスタジアムを巡られて来て、「サッカーと旅」の魅力というのはどういうところに感じられていますか?

 やっぱりスタジアムの雰囲気とか空気感は、地域によって全然違いますよね。地方のスタジアムなどは「本当によくぞ来てくださいました!」みたいな感じで歓迎してくださいます。地元の高校の書道部のみなさんが「北海道コンサドーレ札幌サポーターの皆様、ようこそ!」と書いて、アウェー側の入り口に貼ってくださるところがあったりするんです。

 もちろんスタグル(スタジアムグルメ)も広島だったら牡蠣が食べられたりだとか、その土地土地のいわゆるB級グルメが食べられる。そこはみなさんアウェーを巡る時の楽しみの一つですよね。

――全国のスタジアムを巡る堀さんの活動はたくさんのサポーターの方にも届いていると思いますが、周りの反響とかはいかがですか?

 本当にありがたいことに、ここ2、3年でコンサドーレのサポーター以外の方々にもすごく覚えてもらえるようになって、「詩音ちゃんがここに来てくれてうれしい」とか、「次はうちのスタジアムにも来てください」とか、そんなことを言っていただけるのが本当にうれしいですね。

【「やっぱり超攻撃的なサッカーですよね!」】

――コンサドーレの魅力についてはどう感じていますか?

 まず札幌ドームのドームだから出せる空気感、臨場感はどこにも負けないと思います。それと地下鉄の福住駅の改札を出て、エスカレーターを上がって地上に出たら、札幌ドームがちょっと見えるんですよ。その時に「来たぞー!」って、テンションが上がってスイッチが入るんですよね。それはアウェーサポーターの方も感じてくれていると思います。

――もう一つのホーム、札幌厚別公園競技場はまた違った魅力がありますか?

 厚別は"聖地・厚別"と言われているだけあって、何かが起きるんじゃないかっていう空気感があるんですよね。感動するシーンもよく生まれたりして、なんなんだろうって思いますね。


堀詩音さんは「初心者も楽しめる」と北海道コンサドーレ札幌の魅力を語る

――コンサドーレのサッカーの魅力はどんなところに感じていますか?

 それはやっぱり超攻撃的なサッカーですよね! その分、ちょっと失点が多いのは課題なんですけど(笑)。でも「1点取られても2点取るぞ!」みたいな感じで、こんなこと言ったらサポーターの方に怒られちゃうかもしれないんですけど、2−0じゃまだ安心できないんですよね(笑)。

 前半2点取ってもまだ0−0の気持ちで、後半も「絶対に勝たせるぞー!」っていう思いで応援しています。初心者の方でもわかるサッカーの醍醐味は、やっぱりゴールだと思うんです。コンサドーレは誰が見てもわかる勝敗が分かれるゴールという瞬間がたくさん生まれるクラブだと思うので、初心者の方も前のめりになって楽しんでもらえると思います!

――ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が来てから変わりましたよね。

 そうですね。私は体育の授業でしかサッカーをやったことがなくて、サッカーボールを蹴ろうとしても転んじゃうようなタイプのど素人なんですけど、それでも年々チームのパスのスピード感とか、正確性が上がってきていると感じます。「ここにパスが通るようになった!」っていうのは、今年は見ていてとくに感じていますね。

 昔は苦しい時代もありましたけど、今は点を取られても「やり返せるぞ!」って、期待感が生まれるようになったのはサポーターとしてうれしいですし、相手サポーターに「札幌って強くなったね」と言われることもあって、すごく誇らしいですね。だから早く優勝とか、ACLに出られるくらいのクラブになってほしいと心の底から思います。

――では最後に、そんなコンサドーレやサッカーを通してやってみたいことなどはありますか?

 じつは一つあるんです。怖くてずっと言えてなかったんですけど、コンサドーレのホームゲームでキックインセレモニーをやるのが夢なんです。ただ、あのボールは選手がこれからプレーする神聖なものじゃないですか。そんなボールを持ちたいです、蹴りたいですって自分から言うのは恐れ多くて言えなかったんですよね。

 でもNMB48のメンバーがプロ野球の始球式をやっていたり、HKT48とかSKE48のメンバーが球団の公式アンバサダーになっていたり、コラボグッズを出していたりして羨ましいなと思うので、私もいつか叶えてみたいと思っています。

堀詩音 
ほり・しおん/1996年5月29日生まれ。北海道出身。NMB48チームMのメンバー。好きな食べ物はいちご、おばあちゃんが作るミートソーススパゲティ、馬刺し。趣味は北海道コンサドーレ札幌の試合観戦。アイドル活動の傍ら、札幌のJリーグ観戦に関する動画を数多く配信。熱心なコンサドーレサポーターとして知られる。
X(旧Twitter):@shion_0529_hori
YouTube:https://www.youtube.com/@shionhori