子どもの日焼け止め、注意点は?

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 日差しが強くなってくると、気になるのが「紫外線」。子どもに日焼け止めを塗って紫外線対策を行う親が増えてきている一方で、「親と同じ日焼け止めを使ってもいいの?」「何歳から塗るべき?」といった疑問を持つ親もいるようです。

 迷いがちな、子どもの「日焼け止め」の使い方や選び方。どのような点に気を付ければよいのでしょうか。逗子メディスタイルクリニック(神奈川県逗子市)の皮膚科医・徳永理恵さんに聞きました。

赤ちゃんのときからの使用を推奨

Q.紫外線が、子どもの肌に及ぼし得る影響とはどのようなものですか。

徳永さん「紫外線は『百害あって一利“あり”』といわれます。急激にたくさんの紫外線に当たれば『日光皮膚炎』というやけどのような状態になりますし、常に紫外線に当たる生活をしていれば、長い年月を経てシミやしわなどの光老化を引き起こします。また、紫外線はDNAを損傷するため、積み重なると皮膚がんの原因となります。

一方で、“一利”はビタミンDの生成です。『外に出ない』といった極端な紫外線対策は、ビタミンD不足からくる『くる病』などの原因となるため、避けなければなりません。とはいっても、ビタミンD生成に必要な紫外線はさほど多くないので、ある程度の日焼けが想定されるような環境で、日焼け止めを意識的に使う生活で十分です」

Q.子どもも、日常的に日焼け止めを塗った方がよいのでしょうか。

徳永さん「日焼け止めは、赤ちゃんのときから使うことを推奨します。ただし、子どもは皮膚のバリア機能が弱いので、日焼け止めだけに頼るのではなく、ラッシュガードや帽子などの物理的な防御を優先し、顔も含めて肌を露出する部分に日焼け止めを塗るとよいでしょう」

Q.親が使っている大人用の日焼け止めを、子どもに使っても問題ないのでしょうか。

徳永さん「日本小児皮膚科学会では、『ベビー用』や『子ども用』として販売されている日焼け止めを購入するように推奨しています。低刺激のものであれば大人用でも問題はないのですが、『ベビー用』『子ども用』のものは、実際に子どもでの使用試験を行っている製品なので、より安心といえるでしょう」

Q.子どもの日焼け止めの上手な選び方や注意点とは。

徳永さん「紫外線の防御指数は、日常の生活では『SPF15〜20・PA++』、海や山では『SPF20〜50、PA++からPA++++』を目安にしましょう。塗るときに薄く伸ばし過ぎると効果が低いので、厚めに塗るのがポイントです。子どもは汗を多くかくので、推奨される量を2、3時間おきに塗り直しましょう。

成分はできるだけ低刺激の、『ノンケミカル』『紫外線吸収剤不使用』などと記載されたものを選ぶとよいです。最近では、サンゴ礁を守ることを目的にハワイやパラオで規制されている有害成分の入っていない日焼け止めが販売されています。子どもたちの未来を守るためにも、環境に配慮したものを選びたいですね。

なお、使用後はきちんと洗い落とせることも大切です。洗い落とすときに皮膚に負担をかけてはいけません。子ども用の製品は、普通の石けんやボディーソープで落とせるものが多いですが、購入時には洗い方に関する商品説明を確認するとよいでしょう。洗い落とした後はしっかり保湿してくださいね」