「配属ガチャ」も影響? 新卒入社直後に「転職サイト」登録の新社会人、過去最多に 2011年比で“30倍” doda調査
パーソルキャリア(東京都千代田区)が運営する転職サービス「doda(デューダ)」が、「新卒入社直後のdoda登録動向」を調査。その結果を発表しました。
Z世代の「はたらく価値観」に変化
調査は、過去13年間の「doda」会員登録者数のうち、「新社会人で、入社月の4月に登録した数」を分析したものです。なお、同調査での「新社会人」は「新卒で初めて社会人になった人」としています。
調査の結果、2023年4月に同サービスに登録した新社会人は、これまでで一番多かった2022年を上回り、同調査を開始した2011年以降、過去最多となったことが分かりました。2011年比では、約30倍にまで増加しているということです。
この結果について、doda副編集長の桜井貴史さんは「増加した要因の一つには、2018年以降に入社したZ世代である新社会人の『はたらく価値観』の変化があると考えられます」と指摘。終身雇用の崩壊や働き方改革の推進、その後の新型コロナ禍での経済、社会の混乱を経て、Z世代は自身の「はたらく」将来に不安を抱くようになり、その結果「転職・副業などを通じ、自己成長やスキルアップを図り、自らの市場価値を高めることを強く意識するようになっている」と分析しています。
さらに、昨今の「個」を尊重する社会の実現が叫ばれている背景から、多くのZ世代も「多様性」や「自分らしさ」を従来の世代以上に重視しており、「入社前から『自分がしたい仕事』や『自分のはたらくスタイル』が明確になっているように見受けられる」としています。
2023年度の新社会人が就職活動を行っていた2022年は、入社するまで配属先が分からない、いわゆる「配属ガチャ」が取り沙汰され、「不安を募らせる学生たちも見られた」とのこと。これを受け、桜井さんは「転職を、自らが望む『はたらく』を実現するための一つの手段として、柔軟に考える傾向が一層強くなっている」とし、入社後の早い段階から「はたらく」にまつわるさまざまな情報が得られ、かつ「はたらく」に精通するキャリアアドバイザーに相談ができる転職サイトへの登録が加速しているのではないかとみています。
結果を受け、桜井さんは「来年以降も『はたらく価値観』の一層の変化を受け、新社会人の登録者数は増加するでしょう」とコメントを寄せています。