松陽vs樟南二 バント攻撃、功を奏す・松陽
＜春季高校野球鹿児島大会：松陽9−0樟南二（7回コールド）＞◇20日◇1回戦◇平和リース
松陽は初回、2回と暴投で2点を先取した。
3回裏には2死二塁で4番・久保 元（3年）が左前適時打を放って3点目。連続四球、捕逸で満塁と更に好機を広げ、7番・福元 悠大（2年）が意表を突くセーフティーバントを決めて4点目を挙げた。
6回裏は1死一塁から連続バント攻撃で相手守備を揺さぶり、満塁と好機を広げる。エラーで5点目を挙げ、4番・久保の走者一掃中越え二塁打、5番・�眄� 心（2年）が右前適時打で続き、打者一巡で5点のビッグイニングを作った。
樟南二は毎回走者を出し、5、7回は満塁と攻めたが、あと1本が出なかった。
昨秋に続く初戦突破を目指した樟南二だったが無念のコールド負け。「細かいところを詰め切れていない。野球で勝つ難しさを感じました」と我那覇 悟志監督は悔しがった。
初回から毎回走者を出し、再三得点圏にも進めたが、肝心の適時打が出なかった。痛打された場面は少なかったが、暴投、捕逸などが失点に絡んだ。6回は意表を突くバント攻撃で揺さぶられ、守備が浮足立ってピンチが広がり、長打を浴びて大量失点になった。
「練習してきたつもりだったが、緊張で練習通りのプレーができなかった」と荻田 正輝主将（3年）。「投げる」「打つ」「走る」「守る」。野球の基本技術はこの冬場で積んできたが、「勝負に勝つ」には、もう一段階上の力が要る。自分たちから崩れない、スキを見せないことが失点を減らすために不可欠。得点するためには、相手のスキを突くそつなさも求められる。3年生2人、2年生9人のチームには、それらを身に着ける経験がまだまだ不足していた。
それでも「まだまだ発展途上のチーム」と我那覇監督は伸び代に期待を寄せる。気の抜けたプレーがあったら、選手たち同士で厳しく指摘し合うなど、自分たちでうまくなろうという雰囲気が少しずつ出てきた。荻田主将は「バッテリーがしっかり抑えられるようになり、チャンスで1本が出るチームになる」ことを具体的な夏への課題に挙げていた。
（取材＝政 純一郎）
