低用量ピルを飲んでも生理がこない?気になる原因と使用の注意点について詳しく解説します

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「低用量ピルを飲んでいるのに生理がこない」「妊娠したかな」と、生理がこず不安な人は少なくないでしょう。

低用量ピルは女性ホルモンが含まれており、排卵や生理をコントロールすることが可能です。

生理を計画的にこさせるために服用しているのであれば尚更、なぜこないのか不安な気持ちになる人も少なくないでしょう。

この記事では、低用量ピルを飲んでいるのに生理がこない原因・使用上の注意点・服用の効果について詳しく解説いたします。

低用量ピルを飲んでも生理がこない?


低用量ピルを飲んでいても生理がこない状況になると、心配になる人はいらっしゃるでしょう。通常、低用量ピルを飲んでいる間は女性ホルモンを摂取していることにより、生理がこないようになっています。
低用量ピルは女性ホルモンが含まれている実薬期間と、女性ホルモンを摂取しない休薬期間を繰り返すため、生理をコントロールできます。休薬期間から2日前後で生理がくるのが一般的です。生理がこない原因として、服用の仕方や体質など様々ありますのでご自身に心当たりがないか考えてみるといいでしょう。

低用量ピルを飲んでも生理がこない原因


低用量ピルを飲んでも生理がこない原因として、主に3つが挙げられます。

休薬期間を無視しての服用

体質による影響

妊娠の可能性

原因によっては生理がこなくても問題ない場合があります。3つの原因で、ご自身に心当たりがないか落ち着いて考えてみましょう。

休薬期間を無視しての服用

低用量ピルを服用しているのに生理がこないのは、休薬期間を無視していることが原因の一つであると考えられます。低用量ピルには女性ホルモンが含まれており、服用を通して排卵や生理をコントロールできます。
生理を意図的にこさせるためには、女性ホルモンが入っていない偽薬の服用や、低用量ピルを服用せず休薬期間を設ける必要があります。偽薬服用時や休薬期間に生理がくるため、低用量ピルを偽薬や休薬期間のサイクルを無視すると生理はこないのです。特に、休薬期間を設けるタイプを服用している人は、途中何日間休薬したのか忘れてしまう人もいらっしゃるでしょう。
休薬期間を無視しないためにも、スケジュール管理をして低用量ピルの摂取と休薬期間を正しく設けるようにしましょう。偽薬を服用するタイプを服用している人は、低用量ピルのシートにそって毎日同じ時間に1錠服用する必要があります。低用量ピルをはじめたけれど飲み忘れてしまう人や心配な人は、毎日の習慣として服用できる偽薬があるタイプを選ぶといいでしょう。
どちらのタイプでも毎日同じ時間に1錠を服用する飲み方で、女性ホルモンを摂取する期間と摂取しない期間を設け、生理をコントロールしましょう。

体質による影響

低用量ピルを服用しているのに生理がこないのは体質による影響が考えられます。体質には個人差がありますが、一時的に子宮内膜が薄くなり生理がこない人もいらっしゃるのです。そもそも生理とは子宮内膜がつくられた分剥がれて落ちて経血となるので、厚くなると経血量が多くなるという仕組みです。
子宮内膜が薄くなるのは低用量ピルの作用の一つで、服用を通して子宮内膜が厚くならないように一定の薄さにする効果があります。子宮内膜を薄くする効果は、経血量を減らして生理痛を和らげることに繋がるので、生理がこなくても問題がありません。休薬期間を終えても生理がこない場合は、新しいシートの服用をはじめる前に妊娠検査薬で確認をしてみるといいでしょう。
検査で陰性の場合は、念のため医療機関を受診し、新しいシートの服用をはじめていいか相談してみましょう。また、生理がこない原因が妊娠の可能性による原因について、続きで詳しく解説します。性行為をしたと心当たりがある人は読んでみましょう。

妊娠の可能性

低用量ピルを正しく服用すると妊娠しないと思っている人は少なくないでしょう。低用量ピルを正しく服用すると99.7%の避妊効果がありますが、絶対に妊娠しないというわけではないのです。低用量ピルを服用しているのに妊娠する理由は次の2点が挙げられます。

服用をはじめてすぐに避妊をせずに性行為をした

毎日同じ時間に飲めていない

一つ目について、服用をはじめてすぐの頃は卵巣の機能がまだ停止していないため、避妊をしないと妊娠する可能性があります。卵巣機能が停止して避妊効果が高まるのは、服用開始から7日ほど経ってからです。服用して7日目まではコンドームなどの別の避妊を行いましょう。
二つ目について、毎日同じ時間に1錠を飲めていなかったり飲み忘れてしまったりすると、避妊効果が下がってしまい妊娠の可能性が高まります。避妊成功率を高めるためにも、低用量ピルを正確に服用しましょう。また、正しく服用しているのに妊娠する可能性もあります。その理由の一つとして、下痢や嘔吐により正しく吸収できていないという要因が考えられるのです。服用しているからといって、100%妊娠の可能性を防ぐわけではないのです。
性行為をしていて妊娠に心当たりがある人は、妊娠検査薬で妊娠の可否を調べてみましょう。陽性の場合は妊娠について確かめるためにも医療機関を受診します。陰性の場合は妊娠の可能性は考えにくく、生理がこない原因が他に考えられるため、念のため医療機関を受診し原因を調べてもらうのもいいでしょう。

低用量ピルの使用上の注意点


低用量ピルの使用上の注意点2点あります。

休薬期間を考慮する

副作用を理解する

低用量ピルには女性ホルモンが含まれるため、休薬期間や副作用を正しく理解する必要があります。上記の2点を踏まえ高い効果を得られるようにしましょう。

休薬期間を考慮する

低用量ピルの使用上の注意として、休薬期間を考慮する点が挙げられます。休薬期間は低用量ピルに含まれる女性ホルモンを摂取しない期間です。休薬期間を設けることで有効的になるはたらきは2点あります。

生理周期を管理して妊娠しているかどうかを確認できる

卵巣のはたらきを正常に保つ

休薬期間には生理がくるため、生理期間の管理が可能になり、卵巣の活動を意図的に促すことができます。生理がきたのであれば妊娠していないと確認できるでしょう。休薬期間に生理がきていないのであれば、妊娠していないかどうかを確認する必要があります。妊娠検査薬で妊娠の有無を調べてみましょう。
また休薬期間中は卵巣の活動を促し、卵胞ホルモンが増えるため子宮内膜が厚くなり、剥がれて経血として出血します。低用量ピル服用中は卵巣を休ませているため、休薬期間で卵巣を活動させ卵巣のはたらきを正常に保つ効果があります。休薬期間が設けられている意味を知り、正しく服用していきましょう。

副作用を理解する

低用量ピルには副作用がありますが、最近の低用量ピルは自然な女性ホルモンに近い成分で、ホルモン量が減っているなど改良されています。個人差はありますが下記のような副作用がでる可能性もあり、一般的には飲みはじめから2~3か月で軽減されます。

嘔吐

不正出血

頭痛

乳房の張り

悪心

2~3か月で副作用が改善されない場合は、念のため医療機関を受診して服用の仕方や体の調子を相談してみるといいでしょう。

血栓症

特に重大な副作用には血栓症が挙げられます。血栓症は、血液中に血の塊が発生してしまい血流を止めてしまう恐れがある副作用です。10,000人に3~9人という割合で発症しますが、処方前の事前採血や問診で血栓症のリスクを理解しておくのが決まりとなっています。不安な点はあらかじめ医者に相談をしておくといいでしょう。

低用量ピルの主な効果


低容量ピルには女性ホルモンが含まれており、女性特有の悩みを解決する効果があります。
生理周期によって気持ちが落ち込んだり、辛い生理痛でその日の予定が崩れてしまったりした経験がある人もいらっしゃるのではないでしょうか。
低容量ピルを服用することで、主に2つの効果が挙げられます。

生理周期の安定

生理痛の緩和

上記の2つの効果について詳しく解説いたします。

生理周期の安定

低用量ピルを服用する効果として、生理周期を安定させる効果が挙げられます。これまでに解説したとおり、低用量ピルには女性ホルモンが含まれているため、服用を通して排卵や月経のコントロールができるのです。
28日を1周と考えて、21日間はホルモンが含まれる実薬、残りの7日間はホルモンが含まれない偽薬を服用したり休薬期間を設けたりします。偽薬服用期間や休薬期間に、卵巣を活動させて生理をこさせる仕組みのため、生理周期の管理が可能になるのです。

生理痛の緩和

低用量ピルを服用する効果として、生理痛を緩和させる効果が挙げられます。女性の身体は1か月に1度卵巣から卵子を排卵し、精子と卵子が受精した時のために、子宮内膜を厚くして準備をしていきます。受精すれば子宮内膜は必要ですが、受精しなければ子宮内膜は不要になるのです。
不要になった子宮内膜が剥がれて排出されるのが月経です。子宮内膜が分厚いと経血量も多くなり、生理痛も辛くなる可能性があります。低用量ピルを服用すると、子宮内膜を厚くしないように一定の厚さを保つ効果があります。その分、経血量も少なくなるため生理痛も緩和できるのです。

低用量ピルを飲んでも生理がこない場合は早めの受診を


低用量ピルを飲んでも生理がこない場合は、医療機関を受診すると安心です。前章までで生理がこない原因には休薬期間の考慮ができていない・体質・妊娠の可能性があると解説しました。
低用量ピルは休薬期間や偽薬服薬時に生理がくる仕組みであるため、その間に生理がこなくて不安になる人は少なくないでしょう。自分の身体についてわからない症状や不安な点を解消するために、医療機関での受診をおすすめします。

編集部まとめ


この記事では、低用量ピルを服用しているのに生理がこないのはなぜなのか・原因・服用の注意点など解説しました。

低用量ピルは毎日同じ時間に1錠服用すると効果がみられるものです。実薬期間・偽薬服用または休薬期間を設けることで生理がきます。

低用量ピルを安全に服用し、生理痛緩和やPMS緩和など効果を最大限にできるようにしましょう。

生理がこない人は低用量ピルの仕組みを正しく理解し、生理がこない原因が体質によるものなのか、妊娠しているのかなどを確かめる必要があります。

正しく服用しても生理がこない場合もありますので、処方してもらった医療機関に相談し、安心・安全に服用していきましょう。

参考文献

低用量経口避妊薬の使用に関するガイドライン
(改訂版)