by BTC Keychain

取引所や専用のウォレットを使わずに仮想通貨「Bitcoin(ビットコイン)」を売買できる仮想通貨専用のATMは、2013年に初登場して以来、世界中で設置数を増やしていました。特に2021年初頭から2022年にかけて急激に増加していた一方で、2022年5月ごろにビットコインが大幅値下がりを起こしピーク時から55%も価格を落したり、2022年11月11日には仮想通貨取引所大手のFTXがアメリカ連邦法に基づく破産手続を申請したりした影響もあり、ビットコインATMの数は2022年内にほとんど成長しない「冬の時代」を迎えていることが、ビットコインATMの設置場所を地図上で確認できるサービス「Coin ATM Radar」のデータにより明らかになっています。

Bitcoin ATM Installation Growth

https://coinatmradar.com/charts/growth/

The Block: Bitcoin ATM installations flatline as crypto winter bites

https://www.theblock.co/post/200089/bitcoin-atm-installations-flatline

世界初のBitcoin対応ATMである「Robocoin」は、2013年10月にカナダのバンクーバーに登場しました。Robocoinは設置後わずか1週間で10万カナダドル(約988万円)ものビットコイン両替取引が行われたことが判明しており、翌年初頭にはアメリカでもビットコインATMの設置が決定しました。

世界初のBitcoin対応ATM「Robocoin」が登場、仮想通貨が現実世界へ進出 - GIGAZINE



ビットコインATMが登場してから約4年後となる2017年には、世界の至る所に設置されたビットコインATMの場所を確認できるサービス「Coin ATM Radar」も登場しました。Coin ATM Radarによると、2017年時点でビットコインやその他の仮想通貨を取引できるATMが1369台、ビットコインATMがなくても現金でビットコインの取引が可能なサービスプロバイダーは3万6345件にまで増殖していました。

ビットコインやイーサリアムなど仮想通貨専用のATMが増殖中 - GIGAZINE



ビットコインATMは2020年前後で急速に増殖しており、Coin ATM Radarのグラフによると、世界中のビットコインATM数は2020年1月時点では6363台だったのが、2021年1月には1万4058台まで急増しており、さらに2022年1月には3万4367台と、毎年倍以上に増えるという爆増っぷりを見せていました。



しかし、2022年から2023年にかけてのグラフはほぼ横ばいで、2023年1月時点の設置台数は3万8730台となっており、増加はしているもののその勢いはかげりをみせていることがわかります。



Coin ATM Radarでは、国別の設置数をグラフで見ることもできます。アメリカの設置数の増減はほぼ世界の設置数のグラフと一致しており、2022年初頭から増加率が低下しているほか、2022年8月をピークに設置数が減少している動きも見られます。



一方で、カナダのグラフでは、2021年から2022年にかけての勢いは落ち着いているものの、緩やかな増加傾向が継続しています。



その他、スペインやポーランド、スイスなどの設置数もカナダと同様に緩やかな増加傾向にあるほか、オーストラリアは2022年後半から設置数が3倍になるなど急激に増加していることがわかります。