丘陵から”飛び出す”高架 北大阪急行「箕面延伸」完成間近 地上は急坂 移動かなりラクに
開業を2023年度末に控え、大阪府箕面市の北大阪急行延伸部の現場も、工事は大詰めを迎えています。延伸部はどんな風景なのでしょうか。
現在は駅部の工事がメインに
建設中の北大阪急行延伸部。箕面萱野駅に向けて高架橋が伸びる(乗りものニュース編集部撮影)。
大阪メトロ御堂筋線から大阪府北部へ直通する北大阪急行。終点の千里中央からさらに北へ延伸する工事が、現在大詰めを迎えています。開業予定は2023年度末となっています。
延伸距離は2.4kmで、豊中市内の千里中央駅から箕面市内に入り、箕面船場阪大前駅を経て、箕面萱野駅に到達します。
千里中央から北側エリアは多数の人口を抱えていますが、鉄道空白地帯であり、阪急バスが千里中央駅を基点に頻発運行しています。今回の延伸で、梅田・なんば方面へ乗り換えなしで行けるようになり、利便性が飛躍的に向上します。
さて、現地を見てみると、いよいよ線路もほぼ完成間近になってきて、今にも電車がやってきそうな状態でした。工事が進行中なのは2つの新駅で、箕面船場阪大前駅は地下駅、箕面萱野駅は高架駅です。
駅部の工事は2022年12月初頭の時点で、箕面船場阪大前駅はホーム・コンコースがある程度完成し、その上屋の建設工事が最盛期を迎えています。隣の文化芸能劇場から見下ろすと、幾何学的な空間配置が際立つ駅躯体とその地下内部が露出していました。箕面萱野駅は、駅周辺は更地が広がるものの、駅部ではホーム基部や階段などが見えはじめ、いよいよ屋根の施工へと移りつつある状況でした。
現地を歩いて工事現場を見ると、延伸ルートはかなり激しい地形の変化を克服していることがわかります。千里中央駅の北側はさらに高い標高100m超の丘陵が待ち受け、そこに広がるのが船場の街です。地下の千里中央駅からは、緩勾配で上りながら、地下のまま箕面船場阪大前駅に到達します。
しかし船場を越えると一転、地上は千里川水系の谷間へ一気に下がっていき、。わずか1km弱で数十mもの高低差があります。線路は急斜面から地上に飛び出し、そびえ立つ高架で谷間を克服、高架のままあっという間に北摂山地のふもとにぶち当たります。そこが箕面萱野駅です。
船場からも、箕面萱野駅からも、この「トンネル→高架」となる急激な地形の変化を楽しむことができます。トンネル出口と箕面萱野駅は肉眼で視認できる距離ですが、丘陵側からは「線路が空中へ放り出される」様子、谷側からは「線路が丘陵の街のビル群の”根元”に吸い込まれていく」様子が見えます。
延伸部と並行する新御堂筋(国道423号)では、学生やお年寄りが、自転車でこの急坂を一生懸命上り下りして、千里中央と箕面萱野の街を移動している姿がありました。北大阪急行の延伸開業により、そびえ立つ船場の丘陵を越える必要がなくなる人もいるかもしれません。