戦車にトイレがようやく設置されるようになりました。では、これまで乗員はどう用を足していたのでしょうか。乗組員のトイレ事情は実に切実なものがあります。

戦車にトイレがアピール要素?

 戦車の乗員は任務中、どう用を足しているのでしょうか。実は戦車にトイレが設置されるようになってきたのは、ごく最近のことです。


トイレがついたことを大々的にアピールしたT-14(画像:ロシア国防省)。

 2019年3月、ロシアの主力戦車「T-14」のアップグレードが行われ、大々的に宣伝された改良点がありました。それが、同車にトイレが装備されたことです。開発元であるウラルヴァゴンザヴォート社の役員が「トイレがあれば戦車内の兵士の生活の質が格段に向上する」とアピールしているように、戦車にトイレがあることは珍しいことなのだそうです。

 ほかに、イギリスの主力戦車「チャレンジャー2」にはトイレがついていますが、日本の10式戦車やアメリカのM1「エイブラムス」にはありません。

 ちなみに陸上自衛隊の場合、長距離移動で用を足す場合は戦車乗員間で警戒しながら、交代でトイレに行っているといいます。携帯トイレを使用する隊員もいるとのこと。諸外国でも、トイレが設置されていない戦車での事情は同様だと思われます。

 実は戦車だけではなく、兵員輸送などを行う装甲車にもトイレがついていないことが多いのですが、ドイツ陸軍の「ボクサー装輪装甲車」では、兵員の居住性を最大限に考え、簡易式トイレが設置されてるなど、最近は増えているようです。