2023年3月に東急と相鉄の新線「新横浜線」が開業します。分岐路線へ列車を振り分けることで、両者の既存の線区に影響はあるのでしょうか。

結局、影響が出るのはどこか

 2023年3月に開業が予定されている相鉄・東急の「新横浜線」。そのダイヤ概要が発表され、朝ラッシュ時は1時間あたり最大16本、日中も6本の電車が相鉄方面から新横浜線を介して東急東横線へ乗り入れることが明らかになりました。こちらに本数が向けられた分、他の既存線区にしわ寄せが来ないのでしょうか。


2023年3月から新横浜方面へ乗り入れる東急(画像:写真AC)。

●目黒線
 ほぼ影響がありません。なぜなら目黒線はもともと日吉が終点で、新横浜線は「延伸区間」のような形だからです。現在の日吉行き列車のうち、朝ラッシュ時は1時間あたり最大12本、日中は4本が、新横浜方面へ足を延ばしていくようになります。

●東横線
 朝ラッシュ時は1時間あたり最大4本、日中は2本が新横浜方面から東横線へ乗り入れしていきます。この「朝ラッシュ時の4本」の捻出は、「菊名駅始発」の各駅停車を置き換える形となります。ただし、新横浜から来る直通列車はすべて急行となります。

 この影響をうけるのは、本数が減る菊名〜日吉間と、「急行化」によって停まらなくなる駅です。前者は菊名・大倉山・綱島の3駅ですが、菊名でのJR乗り換え機能は新横浜駅で、綱島駅の機能はすぐ隣に位置する新綱島駅で、それぞれ代替されます。後者の「急行通過駅」は、元住吉、新丸子、都立大学、祐天寺、代官山の5駅。もともと急行は停車駅が比較的多いことで知られ、渋谷〜菊名の15駅のうち9駅も停車します。

 東急の広報担当者は「各駅の利用状況などを勘案したうえで、このようなダイヤ概要としました」と話します。

減るの?減らないの?まだ未確定の部分

 今回のダイヤ概要の発表では、まだ未知の部分があります。

●朝ラッシュ時の下り方面(新横浜線へ『直通していく』方向)
 先述の「朝は毎時16本、そのうち目黒線12本、東横線4本」は、あくまで「都心方面」の話です。都心から新横浜方面へ向かう列車の、朝ラッシュ時のダイヤは、発表されていません。

 上り同様に「菊名行き各停」を置き換えるのか、直通本数は上り16本より多いのか少ないのか、このあたりは今後の発表待ちです。

●日中時間帯では「新横浜方面行き」をどう捻出するのか
 先述の菊名駅始発列車の置き換えは、あくまで「朝の上り列車」の話。日中時間帯は元町・中華街行きしか走っていませんが、毎時2本が新横浜線に直通することで単純に減便になるのか、「日吉発元町・中華街行き急行」や「菊名発元町・中華街行き各停」が新たに運転されて補われるのかなど、詳細はまだ不明です。

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 未確定の部分と言えば、都心側の乗り入れ社局(東京メトロ・都営・西武・東武・埼玉高速)がどう新横浜線へ直通するのかも、発表されていません。11月24日の記者会見で東急は「まだ調整中です」としており、広報担当者は「ダイヤが固まって、駅ごとの発車時刻表が配布できるようになるのは、早くても年明け以降です」と話していて、最終的な運行形態が固まるのもその時期になってきそうです。