東名・新東名と並行する静岡県内の国道1号バイパスは、どれほど“使える”のでしょうか。自動車専用の高規格な区間もあれば、ロードサイド店が並ぶ区間もあるなど、その表情は様々でした。

東名リニューアル工事で箱根の国道1号へ迂回…そのまま静岡へ行くと?

 2022年11月現在、東名高速はリニューアルの影響で東京から静岡にかけ夜間も激しい渋滞が発生。圏央道〜小田原厚木道路〜箱根新道(国道1号)〜伊豆縦貫道といった別ルートへの迂回が呼びかけられています。
 
 このルートで箱根を越えると、静岡県三島市で伊豆縦貫道と合流、そこから東名や新東名へ通じていますが、三島から国道1号をそのまま進むというのは”アリ”でしょうか。


国道1号藤枝バイパス、谷稲葉IC付近。自動車専用道区間のため看板は緑(ドラレコ画像)。

 静岡の国道1号バイパスといえば、無料でありながら自動車専用区間もある高規格なバイパスとしても知られています。とはいえ、静岡全域でそうではなく、各地域で様々な表情がみられます。

 箱根から下ってきたところにある伊豆縦貫道と接続する三島市の三島塚原交差点から先、静岡県内の国道1号は全線バイパス化されていますが、この三島市から沼津市にかけてが、最も市街化された地域といえます。立ち並ぶロードサイド店に出入りするクルマも多いほか、ところどころ交差点で渋滞も発生しています。

 ちなみに伊豆縦貫道も国道1号のバイパスという位置づけですが、こちらは高規格な自動車専用道で東名(沼津IC)・新東名(長泉沼津IC)へ通じています。

 国道1号が本格的な高規格道路となるのは、富士市から西です。富士の市街地や、静岡市内、浜松市内に平面交差区間がありますが、大部分が立体交差道路になっています。ただし藤枝市から掛川市にかけて暫定2車線区間があります。

 さらに、愛知県内へ入ると、そのまま国道23号となり、信号のないバイパスが名古屋方面へ通じています(蒲郡市内で未開通区間あり)。

より高速っぽくなる国道1号

 国道1号バイパスは、つかず離れず並行している東名のアクセスが要所要所で確保されていますが、無料ということもあり、連続利用する物流トラックなども多く走っています。高速道路のようにSA・PAはないものの、富士、宇津ノ谷峠、掛川、潮見坂と4か所の「道の駅」などが代替の休憩スポットとなっており、なかには24時間営業のコンビニが併設されているところもあります。

 参考として、伊豆縦貫道の三島塚原ICから東名の浜松ICまでをGoogle mapで検索すると、東名経由で1時間40分から2時間ほど、国道1号バイパス経由では2時間20分から3時間10分ほどという結果でした。

 ただ、1号バイパスは現在も改良が進められています。暫定2車線の藤枝市から島田市にかけては4車線化が進められているほか、富士市や静岡市清水区、浜松市内などに残る平面交差のボトルネック区間についても、今後立体化される見込みです。なかでも静岡の「清水立体」は、2026年に一部開通予定となっています。


国道1号静清バイパス。清水区内の平面交差区間で清水立体を工事中(ドラレコ画像)。

 このように、国道1号バイパスは自動車向けには走りやすくなっているものの、近年は自転車や原付の“誤進入”が増えていることから、注意が呼びかけられています。

 というのも、平面交差が多い街なかの区間もあれば、青看板で「自動車専用道と同等の規制」区間、そして高速道路などと同じ緑看板の「自動車専用道」区間が混在しているからです。自転車や原付が走れるか否かも区間によって異なりますが、料金所があるわけでもないので、標識などで判断する必要があります。

 平面交差を解消するなどして、より“高速道路っぽく”なれば、自転車や原付のユーザーからは逆に判別しやすくなる効果も生まれるかもしれません。

※一部修正しました(11/26 9時)