東急と相鉄の新線「新横浜線」の開業まで4か月となり、試運転も始まっています。その境界駅であり核心部、「新横浜駅」の内部が公開。この駅では3本ある線路のうち“中線”が、運行のキモになりそうです。

開業まで4か月


相鉄・東急新横浜線の新横浜駅(乗りものニュース編集部撮影)。

 2023年3月に開業予定の東急・相鉄「新横浜線」。両者をつなぐ新線により、東海道新幹線・新横浜駅へのアクセス利便性が大きく向上するほか、横浜市中西部から都心各方面への移動も、東急とその相互直通ネットワークを介して、さらに強化されます。

 その新線の核となる、東急・相鉄の「新横浜駅」の内部が、2022年11月24日に報道陣へ公開されました。すでに今月3日から乗務員による習熟運転も始まっており、取材中も東急や相鉄の車両がホームへ入線し停車していました。

 新横浜駅は2本のホームに3本の線路を持つ構造。真ん中の線路は「2・3番線」として両側にホームがあります。ここが使われるのはどんな時なのでしょうか。

 東急の広報担当者いわく「主に新横浜始発の東急の列車が、折り返しのために使用します」とのこと。しかしラッシュ時はそれだけはありません。「外側の1・4番線に先行列車がいる場合、信号が青になるのを待つのではなく、空いている真ん中の線路へ後続列車を入れるというダイヤもあります」(同)。

 駅名標や方面案内のデザインは独特で、東急(黒地に縦のラインカラー)とも相鉄(青地)とも異なった、黒地で下部にラインカラーが引かれたものが新しく採用されています。

 ホーム空間は必要最小限の設備で、システマティックかつこぢんまりとした印象。東横線渋谷駅を一回り小さくしたようでもあり、天井も低く、どちらかというと地下鉄の途中駅のような雰囲気です。ただし天井デザインは木目を意識したもので、圧迫感はさほど感じません。

 コンコースは東急側、相鉄側にそれぞれ独立しており、共同使用駅ながら各社が運営を分担する形です。新横浜の歴史を象徴する「地層」をイメージした壁面デザインは共通ですが、東急側は線状の照明で全体的に白基調のシックな色使い、相鉄側は横浜の街をイメージしたレンガ模様とダークグレー、という違いもあります。

 横浜市営地下鉄とは中央で地下立体交差する形で、地下鉄側に乗り換えが便利な新改札口が整備される予定です。新幹線やJR横浜線とは、東急・相鉄両側の改札とも歩行者デッキで接続されています。

 新線では隣の「新綱島駅」も工事が進行中。今回の公開に合わせてダイヤ概要も発表され、あとは都心側各社局の乗り入れについて調整が整うのを待つ段階となっています。