11月23日、本田圭佑は日本代表対ドイツの試合がおこなわれたスタジアムを訪れていた(写真・共同通信)

 11月23日、サッカー日本代表は「FIFAワールドカップ カタール2022」のグループリーグ初戦で、強豪国のドイツに2対1で逆転勝ちを収めた。

 終わってみれば、日本サッカー史に残る一戦となったこの試合は、地上波の「NHK総合」とネットテレビ局の「ABEMA」で生中継された。

 話題を集めたのが、ABEMAの中継で解説を務めた元サッカー日本代表の本田圭佑(36)だ。

 試合開始直後から “本田流” のフランクなしゃべりで、日本代表のプレーに「いいっすね!」と褒める。前半8分に日本のシュートが相手ゴールネットを揺らした場面では「イエス!」と絶叫。

 しかし、直後に線審がフラッグを上げたのを確認すると、絶叫を続けるアナウンサーを落ち着かせるように、誰よりも早く「オフサイド! オフサイド! オフサイド!」と冷静に状況を説明していた。

 前半中盤には「ドイツすごいなと思うのは、最初とフォーメーションちょっと変わってるんですよ」と状況変化を指摘する場面もあった。

 そして、後半の日本の同点、逆転シーンでは「よし!」「まだあるぞ!」「おー! 来たぞー!」「守るだけっすね! あと!」とハイテンションで、視聴者と “一体化” していた。

 この解説を聞いたネット上の視聴者からは、長らくサッカー解説者として活躍する「あの人物」を思い浮かべる人も多かったようだ。

本田圭佑は、松木安太郎の令和版ってことですね》

《まさか松木安太郎の後継者が本田圭佑とは思わなかった》

《松木安太郎の面白さに戦術眼のある本田圭佑の解説は本当に良い》

 じつは、この日は直前までフジテレビ系列でモロッコ対クロアチア戦が生中継されていた。

 この試合の解説には、元サッカー日本代表で、先日、引退した中村俊輔(44)が登場した。日本戦より感情移入が難しい試合だったと思われるが、本田に比べて、中村は落ち着いたトーンで話していた。

 前半にモロッコがフリーキックを獲得した場面では、フリーキックの名手らしく、「距離があるほうが壁に当たりづらいので強く蹴れるんですよね」「いい距離ですね。蹴りたいですね」と解説する場面も見られた。

 しかし、もともと低い声のためか、中村のボソボソとしたしゃべりが気になった視聴者も多かった。

中村俊輔の解説の声量が中森明菜レベル》

《昨日のドイツ戦、解説の声がすごい小さくて誰やねんこれ!聞こえねえよ!と思って調べたら中村俊輔だと分かった瞬間、全て許した。そして耳を澄ました。》

中村俊輔の解説、普段サッカー観てなさそうな層からは声小さい聞き取れない元気出せと不評な一方で普段サッカー観てそうな層からは興味深い解説いつものローテンションいいマイク用意しろって言われてるの愛だなと感じる》

 かつてのサッカー日本代表のスター同士で思わぬ「解説対決」となってしまったが、どちらの試合も見たサッカーファンからは、2人を比べる声も。

中村俊輔の解説:テンションは低めだが冷静かつ的確な解説。本田圭佑の解説:ハイテンション。松木安太郎の後継者候補。どっちも特徴あって面白い》

本田圭佑中村俊輔こんなに違う?!》

中村俊輔本田圭佑の解説対決は今のところ本田がポゼッション90%くらいで勝ってるかんじ》

 ワールドカップの第1ラウンドでは、本田に軍配が上がったようだ。

「ワールドカップは、現役選手たちが世界に自分の価値をアピールする “見本市” と言われていますが、引退した元選手たちにとっても、今後の “解説者人生” “指導者人生” の第一歩となる大事な場所なんです。思わぬ好評価を得ている本田は、今後も引っ張りだこになる可能性があります」(サッカー担当記者)

 多くの人生を変える舞台であることは間違いない。