W杯が開催されているカタールの交通事情とは 日本のクルマや列車が走る“環境”
圧倒的クルマ社会!
ほとんど砂漠 そんな国で必要なクルマはやっぱり…!
2022年11月20日、いよいよ「FIFA ワールドカップ カタール 2022」が開幕しました。日本では1993年のアジア最終予選で日本代表が試合終了直前にイラク代表に追いつかれ、初のワールドカップ本戦出場を逃した「ドーハの悲劇」の舞台としてサッカーファンの間では知られていますが、いったいどのような国なのでしょうか。産油国だけあって、その交通事情もなかなか特徴的です。
W杯に備え導入されたドーハメトロの車両(画像:近畿車輛)。
カタールの人口は約230万人、うち首都ドーハに国民の8割以上が住み、首都以外の国土の大部分は平坦な低地の砂漠で構成されています。そのため、夏場の日中温度は40℃を超えることもしばしば。この状態で外を歩ける訳もなく、かなりのクルマ社会となっているそうです。
また、世界7位の産油国ということで、国民はかなりリッチ。3年周期で新車に買い替えるといわれていますが、その中で日本車は壊れにくいと人気のようです。
日本の外務省や財務省によると、カタールへの主要輸出品目は自動車なのだそう。特に人気なのがトヨタ「ランドクルーザー」で、2021年、カタール国内ではトップの売り上げとなっています。
また、同国では裕福な国民や旅行者を運ぶタクシーの運転手のほか、公共事業や新しい高層ビルを建てるために雇われた労働者など、出稼ぎの外国人が多いそうです。その外国人労働者にも、40度を超える過酷な状況に耐える車両として日本車は人気のようです。
さらに、W杯の開催に向け、2019年5月には同国初の都市鉄道も登場しました。それが「ドーハメトロ」で、乗換駅であるムシェイレブ駅を中心に、空港や市街地、スタジアムを結びます。計画路線全てが完成すれば、カタールの国内各地や隣国などをつなげる総延長300km以上、100駅以上に達する見込みになっています。
この事業にも日本企業がかかわっています。運行されている全車両を手がけたのは近鉄グループの近畿車輛で、プロジェクトは三菱重工業が全体を統括しています。この開通を機に、クルマ社会のカタールがどう変わるのか注目です。