あらゆる意味で「日本みたい!」って感じ。

隔離はないものの、条件はアリ

 2022年10月からワクチン3回接種者に対し、日本入国前のPCR検査が撤廃されるなど、一定の条件を満たせば、新型コロナウイルスによる水際対策が緩和され、ほぼ以前のように海外旅行ができるようになりました。では、その渡航先はどうでしょうか。今回はANA(全日空)協力のもと、日本人に人気だった台湾へ行きました。


台湾・松山空港に駐機中のANA機(2022年11月、乗りものニュース編集部撮影)。

 現在ANAでは羽田〜台北・松山線を毎日1往復運航。11月の取材時もほぼ満席の状況で、12月からは毎日2往復に増便されます。ただ、その現状を同社台北支店の担当者は「少しづつ日本人の方が増えてきていますが、ビジネスで渡航されるお客様が大半です」と話します。

 現在の台湾の状況は、日本より徹底した感染対策が講じられています。マスクは「屋外では外して問題ないケースもある」といいますが、コロナ渦中では罰則をともなう厳格なマスク着用規制が敷かれていたほか、かつて「SARS」流行を経験した台湾では、市民の衛生意識が高いことなどから、今もほとんどの人が常にマスクを着用している状況です。

 入国時には自主隔離こそないものの、4回検査が可能な無料の抗原キットが配布されるなどの取り組みも。その後に宿泊するホテルなども「自主防疫の場所は、『1人1室』(独立のトイレ・バス)を条件とする」ルールもあり、いわゆるドミトリーのような場所は使えません。

 とはいうものの、日本では数万円かかるような充実した設備を持つホテルを、1泊1万円以下で泊まれるような地域なので、コストパフォーマンス高く快適に過ごすことができるともいえるでしょう。

 台湾名物の「夜市」もかつてのような活況までとはいえませんが、十分に楽しめます。物価も向上しているほか、円安の影響もあり以前より食事も高額になってはいるものの、それでも「スーパーの惣菜を買うだけで2000円超」といった欧米のような状況ではありません。日本より多少安いか、日本なみの費用で食を楽しめるほか、配車サービスなどの交通機関は遥かにお得に乗ることができます。

 このように、海外旅行の選択肢のなかでは、依然として“行きやすい”渡航先であることは変わりない状況である台湾。冒頭のANAの復便のほか、同グループのLCC(格安航空会社)ピーチでも11月から羽田〜台北・桃園線の運航を再開するなど、日本との航空便も徐々に回復してきています。