子どもを介した交友関係でできる“ママ友”は親友になれるのか意識調査を実施

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 学生時代にはたしかにいた“親友”と呼べる存在。だが、年齢を重ねるにつれ疎遠になったという人も少なくないはず。「大人になったら親友は不要」と考える人もいれば、中には「パートナーが親友」という人もおり、考え方やライフステージによって“親友の定義”は異なる。なかでも子育て期に登場する“ママ友”という形態をどう捉えるべきか? “友”とは付いているものの、その関係はなかなか複雑なもの。果たしてママ友は親友になれるのか? 子育て世代へのリサーチから、現代の親友事情を検証する。

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■現在「親友」がいる人は5割強  ライフステージが変わっても“学生時代”の気心知れた仲は絶対

 親友の定義は人それぞれだが、一般的には「互いに理解し合い、心を許し合っている間柄」とされる。eltha by ORICON NEWSではこの定義を示した上で、子どもがいる(妊娠中も含む)20〜60代の女性600名を対象に「親友事情」についてのアンケートを実施した。

 まず「あなたには親友がいますか?」の質問に、【現在いる】と回答した人は59.7%。その関係性は【学生時代からの友人】が最多の72.5%。次いで【ママ友】22.1%、【幼なじみ】17.8%と、ライフステージが変わっても気心の知れた学生時代からの関係性を続けている人が多かった。

 一方、【過去にはいたが現在はいない】と答えた人が親友と疎遠になったタイミングとして、【自分が子育てを始めてから】が最多の25.4%となった。【転居】17.5%、【結婚してから】15.1%と続き、仲違いをしたわけではなくても、ライフスタイルの変化は多少なりとも友人関係に影響しているようだ。

■子どもを介して出会った“ママ友” 子育ての苦労を共有し合える「戦友」

 さて、本題のママ友である。全体600名からすると「ママ友が親友」という回答は17.8%と低い割合となったが、「あなたはママ友がいますか?」との質問には53.5%が【現在いる】、30.5%が【過去にいた】と回答する結果に。80%以上の人が子どもを介して出会った“友”がいることがわかった。

 「現在ママ友がいる」と回答した321人に「ママ友は親友になれると思いますか?」との質問を投げかけてみると(※)、<親友になれる派>は68.2%、<親友になれない派>が31.8%と【なれる】と答えた人が多数を占める。つまり付き合いが浅く、子どもを介して出会ったとしても、「互いに理解し合い、心を許し合っている間柄」になることはできると推測される。

 具体的なコメントを見てみよう。

 <親友になれる派>からは、「子どもが小さい頃に互いに協力したり、愚痴を言い合いながら共に励まし合ってきた。大きくなってからは部活、受験でフォローし合っている」(埼玉県/40代)」「保育園の時のママ友は共に働きながら子育てする戦友のような関係性。子どもの成人後も打算なしで付き合える友人が多い」(東京都/40代)など、子どもにまつわる共通の境遇から絆が深まったという体験談が集まった。

 また「この人とは違う出会い方をしても親友になっていたと思う」(東京都/30代)、「共通の悩みがあったり、趣味が合ったりして、一緒に楽しく過ごす時間が長い」(千葉県/50代)など、ママ友をきっかけに気の合う相手に出会えたという人もいた。

 いずれも「幼少期から子どもが成長しても交流が続いている」という人が多かったのが特徴で、ライフスタイルがある程度固定してから出会った親友とは長い仲になるようだ。

■【ママ友は親友になれない】派 マイナスイメージから“ママ友”を敬遠する声も

 一方で、<親友になれない派>の声を見てみると、「子どもをめぐる見栄や競争心が見え隠れする」(兵庫県/50代)「子ども同士の関係(勉強やスポーツの優劣など)に変化が出てくると、複雑な感情を抱いたり抱かれたりする」(大阪府/40代)「お互いの子どもを比べて、実はドロドロしているところも少なくない」(群馬県/40代)など、子どもを介しているからこその複雑な関係性が垣間見られた。

 ママ友トラブルはレディコミなどの格好の材料になることも多く、そうしたイメージからか「グループで悪口言ったり、仲間外れがあったり、なんだかんだ気を遣ってしんどそう」(兵庫県/30代)と、そもそもママ友という関係性に及び腰になっている人もいた。

 いずれにせよ<親友になれない派>には、「あくまで子どもを通じての繋がり。深く関わると生活に影響が出そうで子どもにも良い事がなさそう」(東京都/30代)、「子どものことでトラブルにならないように、ほどほどの距離感がいい」(千葉県/30代)など、あくまでドライな関係性をキープしている人が多い。

 様々な意見が飛び交う中、再び600名全員へ「大人になっても親友は必要ですか?」と質問してみた。すると、76.5%が【必要】派と回答。内訳としては【何気ない話ができる人がほしい】が69.1%で最も多かった。2位は【悩みを話せる・解決してくれる人がほしい】で54.5%、3位は【信頼できる人がいると思うだけで安心するから】49.0%という結果となった(複数回答)。

 子育て世代は誰しも不安を抱えており、孤独に陥ることもある。<ママ友と親友になれる派>のコメントの中に「同世代の子どもがいるので悩みを共有できる」とあったように、この世代だからこそ支え合い、寄り添い合える相手がほしいと考える人は多いようだ。

 しかし、【大人になったら親友は必要ない】派(23.5%)の理由は【1人でいるほうが気が楽だから】が50.4%で最多に。深く付き合えばトラブルが起こることも少なからずあるもの。不要なストレスを避けるために「親友」ではなく「友人≒ママ友」と呼べるライトな関係を維持する人もいるのかもしれない。

 共働きの一般化により、家庭以外に居場所を持つ女性が増えている昨今。そのためか、アンケートでは「ママ友がいないことがコンプレックス」とコメントした人もいた。しかし大切なのはママ友の有無ではなく、「互いに心を許しあえる人」がいるかどうか。昨今は男性の育児も盛んになったこともあってか、現在親友がいる人の6.3%が「パートナーが親友」と回答していた。子育て世代にはママ友や親友といった“言葉”に縛られることなく、心の安定を保って子育てしていける環境であることを願いたい。

(※)4段階評価のうちTOP2とBOTTOM2をまとめた割合

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【調査概要】

調査時期:2022年9月7日(水)〜9月12日(月)

調査対象:「子どもがいる(妊娠中含む)」と回答した600名(自社アンケートパネル【オリコン・モニターリサーチ】会員20代〜60代の女性)

調査地域:全国

調査方法:インターネット調査

調査機関:オリコン・モニターリサーチ(https://omr.oricon.co.jp/)