今季の「STAR☆NIGHT」ユニホームは、斬新な襟付き開襟シャツ型【写真:球団提供】

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11年目の「STAR☆NIGHT」シリーズは「新たなスタートになる1年」

 DeNAの夏の恒例行事「YOKOHAMA STAR☆NIGHT 2022 Supported by 横浜銀行」。今年のスペシャルユニホームは、プロ野球史上初の襟付き開襟シャツ型を採用して話題を呼んでいる。超斬新なユニホームはどのようにして誕生したのか。その舞台裏や、選手たちの反応、個性あふれる着こなしに迫った。

 初お披露目となった2日の広島戦。試合前のセカンドアップで、この日1軍に復帰したオースティンはシャツのボタンをかなり開けて胸元をチラつかせ、スタンドをザワつかせた。「メジャー時代はよくボタンを開けて着ていましたが、ベイスターズのユニホームではできなかったので、あのスタイルができてうれしく思います」とオースティン。「着こなし方は選手それぞれ違うなと。コーチもですけど」と話した三浦監督も“ちょい見せ”スタイルだった。

 11日の阪神戦まで本拠地で開催する「STAR☆NIGHT」シリーズは今年で11年目。10年の節目を終え、球団は「新しいスタートになる1年」と位置付けた。テーマは「新しい定番」。この難題にイベントチームなどが知恵を出し合い、これまでになかった“襟付き”にたどり着いた。やりにくさがないかなど事前に選手へのヒアリングも敢行。日本野球機構(NPB)からもルールとして問題がないとの後押しを受け、襟付きユニホームは現実のものとなる。

 その後、複数のデザイン案の中から、横浜=海を連想させ、コロナ禍で話題が少ない世の中が元気になるように、との願いを込めてインパクトのあるデザインに決定した。横浜スタジアムや中華街をなどがあしらわれた「横浜の夏」を感じるデザインに、球団内では「夏らしさと斬新さを兼ね備えていて格好いい」という意見が多数あがったという。

“襟立てスタイル”で先発した浜口「自然とそうなっていました」

 5月24日の試合後に正式発表されると、SNS上でトレンド入りするなど大反響。「話題になってもらえたというところでは成功というか……好意的に受け止めてもらっているのかなと思いました」と球団関係者もニンマリだった。

 実際に着用してプレーした選手たちはどう思ったのか。桑原は「いいと思います。時代を突っ走っていいんじゃないですか」と攻守で躍動。“襟立てスタイル”で先発マウンドに上がった浜口は「あれは自然とそうなっていました」と苦笑いだったが「格好いいデザインですね」と話す。大和は「中にアンダーシャツを着ているのでバランスを取ってボタンを2つ空けてみました」とこだわりを明かした。

 新たなユニホームで臨んだ広島戦は2勝負けなし(1試合は降雨ノーゲーム)と好スタート。三浦監督も「縁起のいいものにしたい」と“幸運ユニ”の予感を感じ取っている。

 これだけ話題を呼ぶと、早くも来年はどんなデザインになるのか気になってくる。球団関係者は「過去のユニホームは増えていくので、新しいことをしようとすると生みの苦しみは増えますよね」と言いつつ「例年、今までと同じことはしない。今年の話題性はありましたが、皆さんにワクワクしてもらえるユニホームはエンターテインメントとしてやっていこうと思っていますので、来年も期待してください」と自信をのぞかせた。ハマスタを彩る真夏の祭典には、見どころが詰まっている。(町田利衣 / Rie Machida)