【冷蔵庫管理でSDGs】食品ロスゼロの収納術“最終回答”!定位置を決めて使い切る6つのルールとは

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6月4日に東京国際フォーラムで開催された「SDGs×美食育~選食力でつくる未来の環境と美しさプロジェクト~」に参加してきました。というのも、無料で視聴できるセミナーを覗いてみたかったから。それが「冷蔵庫収納で考える!収納×SDGs」。冷蔵庫の整理で食品ロスが減らせることを、具体的なメソッドと一緒に紹介してくれるというもの。わが家の冷蔵庫にも取り入れるべく、しっかり話を聞いてきましたよ!

福田かずみさんの冷蔵庫収納とは…?


お話をしてくれたのは「美人冷蔵庫LIFE」を提案する福田かずみさん

福田さんは”美人冷蔵庫LIFE”を推奨する食品ロス削減アドバイザーで、多くのメディアで活躍されています。家庭の冷蔵庫をキレイにキープすることで食品ロスをなくす…そのための収納術を発信していると言います。

日本の食品ロスの現状



SDGsのNo.12「つくる責任つかう責任」では、2023年までに世界の食料廃棄を半減する、という目標が掲げられています。日本で1年間に捨てられる食品は約570万トン(2021年11月農林水産省)。そのうちの約46%が家庭からの食品ロスだそうです。

この問題は、わたしたちが毎日の暮らしのなかで何とかしなければ…ですよね。

食品ロスを減らすためには…冷蔵庫の収納術を身につけよう!



家庭からの食品ロスを減らすには、冷蔵庫の管理が重要と福田さんは話します。食材が干からびたり、カビが生えてしまったり、消費期限を過ぎてしまったり…。冷蔵庫の片付けが苦手な人に多いのが、どこに何があるかわからない状態になっていること。欲しい食材を取り出すために、他のものをどけて探す…この「どける」が散らかりの原因だと言います。

あぁ、どかしまくってますね、わたしも…笑。これが原因だったのか。

そんな食品ロスを防ぐための、”冷蔵庫の見える化”を叶える収納術を教えてくれました。

1.食品類の2分類化
まずは、食品を「定番品」と「その他」に分けます。定番品というのは、食べてなくなってもまた買っておきたい食べ物のこと。先生のお宅では「納豆」と「豆腐」とか。

ちなみに家電メーカーが「定番品」と定めてほとんどの冷蔵庫に”定位置”を施しているものがあります。わかりますか? 卵です! 卵の位置って決まっていますよね。食品ロスを減らすには、この定位置を作ることが大切なんです。「その他」は残り物やいただきもの…などです。


2.定番品の定位置を作る



なので、定位置を作りましょう。その際に福田さんが活用しているのが「トレイ」。

先ほどの「納豆」や「豆腐」などはトレイで管理しているそうです。ここで大切なのが、食材を食べるなどしてトレイのスペースが空いたら、決して他のものを入れないことだと言います。家族みんながその食材の居場所を把握できていること。これが大切なんですって!

ちなみにトレイ収納のデメリットも教えてくれました。「トレイが入ると、どうしても収納力は落ちます」。なので、「あまり食品を買いこまないというお宅なら、トレイは邪魔になるだけかも…」とも。

トレイを使わない収納法としては、「ラベリング」も有効だそう。

定位置がきちんと決められない方でも、開封日や購入日、消費期限…等の情報を書き込むと、「庫内の景色が変わってきますよ」と教えてくれました。

3.棚ごとに賞味期限で物を置く

例えば、「一番上の棚」に手が届きにくいのであれば、ここに賞味期限が長いものをまとめておく。反対に早めに食べ切りたいものなら、よく目につく場所「(福田さん宅の冷蔵庫なら)下から2番目の棚」に置きます。

”開封済みの食品専用”の「エリア」を定めたり「ケース」を用意したりも有効とか。このエリア(ケース)にある食材から積極的に献立を考えるようにすると「食品ロスが大きく減らせると思います」と話していました。なるほど、言われてみれば確かに。この献立作りの発想はなかったな~。

4.調味料は開封日を記入する

調味料もロスは防ぎたいですよね。その方法として「開封日」を記入することを提案していました。「いつ開けたのか」を把握することが調味料を使い切るために有効とか。

ちなみに、食品には「消費期限」や「賞味期限」の記載がありますよね。消費期限は、期限までに食べ切るものです。賞味期限は、おいしさの目安。なので、賞味期限を過ぎた食品が食べられるかどうかは「五感を使って判断するしかないんですね」。ちなみに福田さんは、1か月以内には使い切るようにしているそうです。

また、調味料を使い切る観点から、「調味料から献立を考える」こともあるとか。

なかなかここまでは思いつきませんよね。でも、これは食品ロスもそうですが、結果料理のレパートリーを増やすことにもなるかも。わたしもやってみようかな…焼肉のたれ、余りがちなんですよ(笑)。

ここで福田さん、「ドレッシング」のロスを防ぐアイデアも提案してくれました♪

「お肉の下味に使ってみてください!」とのこと。例えば、鶏のもも肉だと300gでだいたい大さじ2杯ほどのドレッシングを使います。2つを袋に入れ、さらに塩やにんにくなどを加えて揉みこむだけでOK!「ドレッシングは加熱すると酸味が和らぎます。また、酢はタンパク質を柔らかくする効果もあるのでお肉がおいしく仕上がりますよ」とのこと。

これはやってみる価値ありそうですね♪

5.使いかけ野菜の専用容器を設置する



深くて仕切りのない野菜室。やみくもに野菜を放り込んでいたらロス必至です。

福田さんのお宅では大小さまざまな容器でこの大きな空間を仕切っています。家族構成や食生活に合った仕切り方を試してほしいと話していました。

ただし1点だけ。「(どんな環境でも必ず)使いかけの野菜の専用容器を設けてください」とのこと。

その際、すのこが敷いてある容器がおすすめとも。野菜の水分がほどよく切れて、特に葉物野菜の水ぐさりを防いでくれるのだそう。すぐに使い切れそうなら、ラップもせずにこの容器に入れておけばいいそうです。

野菜は放っておくとすぐにしおれて、枯れてしまいます。献立を考えるときは、この容器の野菜から考えてみる…。使いかけを早めに使い切るんです。そして、野菜室を定期的に空にする習慣をつけるのが大切とのことです。

さらに、収納術は冷蔵庫だけでなく「冷凍庫」にも…。 

6.冷凍庫は縦置きパンパン収納⁉

実は冷凍庫はパンパンに詰めて収納が正解! 10割収納です。というのも、食品が隣り合って詰まっている方が凍っているもの同士が接することで、よく冷えるからとか。それと縦置きが基本。「上から何が入っているのか見渡せることが大切」だからだそう。

食べてしまって隙間ができると、縦置きが崩れてしまいます。下の方に埋もれた食材はロスになりがちです。なので、ブックエンドを活用するのがおすすめとか。これなら常に縦置きをキープできそうですね♪

また、大きなスペースが空いてしまうなら、水を入れて凍らせたペットボトルで隙間を「埋める」ことも提案していました。保冷剤の役割になります。これは、防災時にも水の確保に良さそうですね。さっそく試してみようと思います♪

食品ロス削減とおいしい食生活の両立が大切



福田さんは、食品ロスをしないことはとても大切だが、「無理に食べるのはよくない」と言います。健康管理をきちんとすることも大切だと。そして、見た目や味を損なう料理もダメ。先の冷凍保存もうまく活用しながら、おいしく食べて健康的な食生活を目指してほしいと話していました。

庫内の写真を撮って”美しい冷蔵庫”をキープしよう 



せっかくの収納術も続けなければ意味がありませんよね。福田さんは持続可能な冷蔵庫収納には「写真を撮ること」が有効だと提案していました。

「冷蔵庫ってすぐに閉めるのが普通だから、じっくり中を眺めるってないですよね…」。
確かに。見るためだけに開けっ放しにはしないかも。だから「写真を撮ってじっくり見てください」と話します。

家族みんなで写真を見て、「うちの定番品ってなんだ?」「怪しい調味料はないかな?」…など話し合ってみて欲しいそう。

さらにはこの写真を買い物時に持ち歩いてほしいとも。献立を考えるのに便利だし、”重複買い”を防ぐことにもなるのです。

そして、美しい冷蔵庫をキープするためには「写真を印刷して冷蔵庫の扉に貼ってください」とも。

少し庫内が乱れてきても、整った冷蔵庫に「戻そう!」という気持ちになるからだそうです。

最後に…
「みなさんは買い物に行ったとき…例えば豆腐を買うとき、棚に並んでいるどこから取りますか?」と尋ねられました。

実は88%の人が奥から取る、取ったことがあると答えたそうです。「これも間違いではありません。でも、今日食べるお豆腐なら期限の短い”手前から”」を意識してほしいと言います。小さなことですが、食品ロスを減らすには日常の習慣を見直すことも大切なんですね。

冷蔵庫収納で食品ロスを減らそう!無くそう! 

SDGsの観点から、無駄を出さない庫内の収納術を、実践しやすいレベルからわかりやすく指導してくださった福田さん。それも健康的に無理なく続けることが大切、という考え方のもと提案していたのがとても印象的でした。食品ロスの問題を家庭の冷蔵庫から…。わたしも一歩ずつ始めてみようと思えた、貴重な時間でした。みなさんも参考になさってみてください!

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