我が子の進路を考えたとき、公立か、私立か、はたまた国立か。

どの進路がいいのか、悩む親は多い。

そこで、今回は中でも人気の高い、国立小学校にスポットをあて、メリット・デメリットを考察する。

我が子の適正やお受験対策など、ためになる情報がココに集結!




お受験するなら国立小か、私立小か。我が子の適性を見極める方法


「長男が生まれたときには、小学校受験をしようなんて全く思ってはいなくて。じっくりと学校選びをしたうえで、中学受験でいいだろうと考えていました」

そう語るのは都内在住の黒田祥子さん(仮名、38歳)。大手電機メーカーに勤務し、夫とは職場結婚だった。

そもそも小学校受験をさせるつもりはなかったと言うのに、彼女の家庭に何があったのだろうか。

「それが…。主人の家系がみな国立小学校を受験されていて、長男が育つにつれて、お義父様が国立を勧めてきたんです。

私たち夫婦はそれを無下にはできなくて。でも次男も生まれて、いずれ2人の子どもが私立中学に通うことを考えると、果たして家計的に持つのだろうかという不安もありました。

そうしたこともあって、ダメもとで長男に国立の小学校を受験させてみようかという話になったんです」(黒田さん)

試しにと思って受けた結果は、意外なことに合格。そうなると、今度は次男をどうするのかという問題に直面する。

「長男だけに小学校受験をさせて、次男には何もしないというのでは可哀想な気がして。最初は長男と同じ国立小学校を受験させようと考えていました」(同)

しかし黒田さん一家は、結果的に次男のみ私立受験をさせる道を選んだ。その理由は、国立の“ある傾向”に気づいたからだった…。



「長男を通わせてみてわかったのですが、クラスの半分以上が1学期中に誕生日を迎えるんです。そして体格がいい子が多いんですね。

もちろん入学試験で誕生日を理由に判断することはないと思うんですが、国立小学校の受験はペーパー試験と体育実技。そして親を交えない、本人のみの面接がメインとなります。

ようは子どもの“出来の良さ”だけで合否を判断されるわけですが、幼稚園を卒園する前の子どもが中学や高校、大学受験のようにあれこれ詰め込んで対応できるわけじゃありません。

どうしても生まれつき早熟な子や体格がよい子が試験では目立つことになり、自ずと誕生日が早い子どもの方が有利な状況が生まれるんです」(同)

ちなみに黒田さんの長男は、5月生まれで身長にも恵まれていた。

一方の次男は、華奢で小柄。黒田さん夫婦は国立だけに絞るのは危ないと思い、私立へと方向転換することにしたそうだ。

「いろいろと学校見学をしたうえで、次男には小中高一貫のミッション・スクールを受験させることにしました。進学実績だけでなく、カトリック系の教育方針に共感を抱いたからです」(同)

結果は見事合格。こうして1人は国立、もう1人は私立という、それぞれの道を歩むことになる。

現在、長男は都内にある国立小の5年生。次男は私立小の2年生だ。そして黒田さんには、実際に子どもを通わせてみてわかった、双方の違いを聞いた。

我が子に合った進学先はどちらなのか…?その見極めの参考にしてほしい。

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エリート一家が子どもの教育のために決断したこととは




地方に移住したエリート家族の苦難。国立から公立小に転校した長男が漏らした本音とは


休日には子どもと一緒に渓流で魚釣りを楽しみ、晴れ渡る青空を見上げながら野鳥の声に耳を澄まそう。

昼食は自宅の庭で、家族一緒にBBQだ。

手作りのブランコで無邪気に遊ぶ子どもを眺めながら、腰掛けるウッドチェアの傍には自家製の石窯があり、庭で育てた無農薬の野菜をのせたピザが熱を帯びていく。

ゆっくりと、じっくりと。

そんな暮らしに憧れて、地方移住を決めたのは藤堂恵美子さん(仮名、45歳)一家だ。

恵美子さんは、かつてメガバンクに勤めていたが夫との結婚を機に退職し、専業主婦となる。

移住前は神奈川県横浜市の高級低層マンションに住み、夫は企業弁護士として年収2,000万円以上を稼ぐヤリ手だった。

11歳の長男は神奈川県内にある国立小学校に通い、5歳の長女も幼稚園に通わせながら小学校受験に備えていたという。

一見、順風満帆かのように思える生活ぶりだが、何が藤堂さん一家を移住へと駆り立てたのだろうか。




藤堂さん一家が地方移住を決意した背景には、子育て環境に対する悶々とした思いがあった。

「私も夫も、生まれ育ったのは東京でした。私の母方の実家は代々の政治家一家で、夫の実家も祖父が官僚という国家公務員の家系です。

思えば家柄的な事情で私も夫も、親にすべてを決められて育てられてきました。私は幼稚園から雙葉、そして夫は麻布中・高を経て東大です。

あれはダメ、これもダメ、こうしなさいと躾られ、進路も就職もすべて親に決められてきた。

こうした経験があって、我が子には基本的に「何になれ」という押し付けだけは絶対にしたくない、そんな思いが夫婦の共通の認識としてありました。

ですが双方の実家に長男を連れていくたびに、国会議員になるにも相応の学歴が必要だとか、官僚になるために東大を目指しなさいとか、孫にまで指図してくるんです」(恵美子さん)

自分たちだけでなく、孫に対しても決められたレールを敷こうとする実家に反発するかのように、藤堂さん夫婦は学歴重視の詰め込み教育ではない環境を求めた。

「とにかく自分の力で生きていける能力を備えてほしい、そんな思いで選んだのが国立の小学校(国立大学附属小学校)でした。

長男には今だけは我慢してと毎日5〜6時間、机に押さえつけて受験勉強をやらせて、なんとか合格できたのですが…」(同)

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地方の国立の利点とは?




地方移住先で、子どもの“学力格差”に愕然。急遽、国立小受験を検討した結果…


今回取材したのは、以前は東京の都心に住んでいたが、夫の転勤によって長崎県へと移住した村田千佳さん(仮名、37歳)ファミリー。

「夫婦ともに受験を経て大学を卒業しているので、娘にも中学受験をさせて、それなりの進路をと考えていました」(村田さん)

夫から転勤話をされた当時、村田さんの娘は1歳になろうとしており、この先どんな教育を子どもに与えたらいいのかと思い悩み始める時期でもあった。

そして村田さん家族が引っ越した先はというと、昔ながらの平屋住宅が散見する、のどかな場所だった。

主要となる駅前はまだしも、少し離れると人影はまばらとなり、鉄筋コンクリートの建造物は見当たらない。

こうしたギャップに、衝撃を受けたのではないだろうか。

「夫とは職場結婚だったので、転勤という可能性があることは覚悟していました。なので転勤については、そこまで抵抗はなかったですね。

転居した先でも転勤族が多く住む地域を選びましたし、車での移動が基本ですので、東京よりラクだと感じました。物価も安く、生活水準としては上がった気がします」(同)

ただ、すべてが順調だったわけではない。

移住後の様子をひと通り聞いた後、子どもの教育環境はどうかと尋ねると、言葉に詰まる彼女がいた。

いったい何があったのだろうか。

「地元の子どもを持つ親御さんと仲良くなるにつれ、だんだんと義務教育に対する考え方がわかってくるんです。

それは、とにかく子どもが学校にさえ通ってくれれば、学校なんてどこでもいい。あれこれ選ぶのではなく、公立の学校に行かせるのが当たり前といった感じなんですね。

そのときは『まあ、それが地方の子育ての一般的な考え方なんだろうな』と思っていました」(同)

しかし、どうにか生活も落ち着いてきた頃のこと。

彼女はさらに“ある事実”を知って、愕然としたそうだ。

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