熊本城の復興はどこまで進んでいるのか 3年ぶりに撮影してきた - 田野幸伸
※この記事は2019年11月24日にBLOGOSで公開されたものです
おはようございます。BLOGOSの田野です。九州新幹線で熊本に来ております。2016年に発生した熊本地震。その取材で訪れて以来、3年ぶりの熊本です。
今年10月から熊本城の特別公開が開始されたというニュースを耳にし、20年かかると言われている熊本城の復興工事がどこまで進んでいるのかを自分の目で確かめたく、取材にやってきました。
サクッと動画レポート
熊本城の特別公開は原則日・祝のみ
熊本城の特別公開は原則として工事のない日曜日と祝日にのみ行われます(年末年始も特別公開予定)。天守閣の内部には入れませんが、天守閣前広場まで行くことができ、復旧工事の様子を間近に見ることができます。
あいにく平日の取材だったので特別公開には参加できませんでしたが、3年前の写真と現在の熊本城の復興の様子を比較していきましょう。
2019年 熊本城復興の様子
熊本駅から市電で熊本城に到着。まずはお堀の石垣の様子から。シートだけだった石垣にガッツリと足場がかけられていました。いかにも「工事中です!」という印象が強くなっています。
戌亥櫓は崩れた石垣部分に雑草が生い茂っただけ。「夏草や兵どもが夢のあと」とはよく言ったもので、このあたりはまだそのままです。
加藤神社
3年前は崩れてそのままになっていた灯籠は元通りに。加藤神社にあった虎の石像。修復されているものの尻尾が少し欠けてしまっていました。 盛大に崩れていた加藤神社の石垣はネットに覆われ土嚢も積まれています。工事関係者の車がたくさん停められていました。
熊本城
瓦があちこち剥げ落ち、ヒビも目立っていた天守閣。工事用の巨大クレーンが設置され、着々と工事が進んでいます。大天守の外観工事はほぼ完了。2021年春の復旧と内部公開を目指しています。
崩れた石垣を元の場所に積み直すという途方もない作業
広場に積まれていた大量の石垣の石はそのまま。新しい石を挟んで積み直しをしていくのですが、この量を元通りにするってとんでもない作業です…。石には番号が振られており、壮大なパズルのよう。これは20年かかるのも無理ないですね…。
二の丸広場を歩いていると、懐かしい顔ハメの甲冑が置いてありました。この甲冑、元々は天守閣前広場に置かれていたもので、震災前の2014年に同僚と観光に来た時、写真をたくさん撮った思い出が。5年の月日を感じます。
最後は熊本城のお向かいに立つ熊本市役所へ。こちらには無料の展望スペースがあり、熊本城を一望できます。
クレーンの大きさがひと目で分かりますね。江戸時代の人が見たら腰抜かすだろうな…。
熊本城特別公開の詳細
入園料:高校生以上500円 小中学生200円 未就学児無料公開時間:9時~17時
2020年春には特別見学通路が開通し、2021年春に天守閣の内部が公開される予定。特別公開の詳細は公式サイトをご参照ください。
【公式サイト】https://kumamoto-guide.jp/kumamoto-castle/grand-unveiling/
成田や関空からLCCなら片道数千円で行ける熊本。復興工事中の熊本城を見られるのは今だけなので、ぜひあなたも応援に。