【沢尻エリカ逮捕 MDMA所持の疑い】疑惑から10年。エリカ様〝SEXドラッグ〟で逮捕 - 渡邉裕二
※この記事は2019年11月17日にBLOGOSで公開されたものです
「エリカ様逮捕」のニュースは先週末の芸能界を一気に駆け巡った。
警視庁組織犯罪対策5課は、都内の自宅で合成麻薬「MDMA」を所持したとして、麻薬取締法違反の容疑で女優・沢尻エリカ容疑者（33）を逮捕した。
捜査関係者によると、発見されたのは東京・目黒区内の沢尻容疑者の自宅。16日午前8時40分頃のことだったと言う。「MDMA」は、カプセルに入って棚のアクセサリーケースの中に入っていた。今回の逮捕は2錠を持っていた容疑。沢尻容疑者は警視庁湾岸署での取調べに「私のものに間違いありません」と容疑を認めており、取り調べにも素直に応じているという。
警視庁組対5課の執念 クラブの黒服から情報得たか
「今回の逮捕は、沢尻逮捕に対する組対5課の執念というか、決意の表れでしたね。やはり、沢尻クラスとなると若くても大女優ですから社会的な影響は莫大です。自宅をガサ入れして『何も出て来ませんでした』では済みません。つまり、確実な情報を得て自宅に踏み込んだことになります」。
警視庁の内情に詳しい関係者は、そう前置きすると、今回の逮捕劇の裏側をポツリポツリと語ってくれた。
「実は、ガサ入れする前の日に、沢尻が行きつけにする都内のクラブの黒服らを組対5課の捜査員が相当締め上げたそうです。そこで沢尻がMDMAを取引していた情報を得たようです。同時にMDMAを風邪薬のカプセルの中に詰め込む様子の目撃情報なども得たのでしょう。そういった具体的な情報があったことから、自宅に踏み込み、さらに踏み込んだ後もピンポイントで発見することが出来た。ま、女性の場合、薬物を隠そうとしても、そう思い当たる場所はないですからね。特に自宅なんかの場合は…。ですからアクセサリー・ケースということになってしまうのかもしれません。しかも自宅には母親もいたそうで、結果的に母親が立会人になったことから、さすがの沢尻も認めざるを得なかったのかもしれません」。
MDMAの使用については尿検査など簡易鑑定をしているというが、その結果は「陰性」。今後は本鑑定で使用の有無を調べる。さらに警視庁では沢尻容疑者の携帯電話などの解析を進めるとしている。
破天荒な振る舞いでも甘やかされた芸能活動 「沢尻会」も
ここで沢尻容疑者について振り返ってみたい。
日本人の父、フランス人の母を持つ沢尻容疑者は、そのルックスから小学6年でモデルとして芸能界デビュー、少女ファッション誌などのモデルも務めた。2003年に放送されたTBS系「ホットマン」が連続ドラマ初出演。翌04年の「問題のない私たち」で映画初出演を果たした。
演技力が買われ、以降映画出演が続き、「シュガー＆スパイス 風味絶佳」（06年）「手紙」（同）に主演。
「彼女を起用したいという映画監督も多かったですね。しかも、その当時の彼女は、女優ばかりではなく、歌手としても人気があった（06年に放送したTBS系「タイヨウのうた」で演じた「Kaoru」でデビューしている）。シングルはもちろんですがアルバムもオリコンで2週連続1位を獲得するほどでした。特に、芸能界には彼女のファンが多く〝沢尻会〟なんていう組織もありました」（大手プロダクションの関係者）。 ただ、その一方で、八方破れ、破天荒の権化のような態度が問題になった。
07年に公開された主演映画「クローズド・ノート」の舞台挨拶では、「別に…」と不機嫌そうなふてぶてしい振る舞いをしてマスコミからパッシングを受けたことは今でも語り継がれている。
「ドラマの制作現場で共演者やスタッフに迷惑をかけるのは当たり前。撮影が中止になったこともあったようです。とにかくプロ意識に乏しい部分があった。そこで問題なのは、周囲が甘やかすことでした。ですから彼女も勘違いする。だいたい、芸能界の連中が〝沢尻会〟なんて言って定期的に集まって騒いでいるのですから異常でしたよ」（芸能記者）。
2009年に高城剛氏と結婚 当時から薬物疑惑が噂に
そんな人気絶頂だった09年1月、沢尻容疑者はハイパーメディアクリエーター高城剛（55）と電撃結婚して話題となった。
「高城氏の前はGグループの総帥だったO氏とも噂が出ましたが、そのO氏は、後になって沢尻に遊ばれただけなどと言われました。要は、オヤジ殺しだったんです。それに高城氏は結婚しましたが、結果的に沢尻のために金を使っただけでしたね」（高城氏を知る関係者）
実は、その頃から沢尻容疑者の周辺では「薬物疑惑」が噂になり始めていた。
情報では、警視庁は、今回1ヶ月前に「薬物情報」を得て捜査に入ったとしているが、実際には10年前から沢尻容疑者の動向には関心を持ち、何らかの内偵捜査を始めていたと思われる。
「当時、酒井法子の覚せい剤騒動の裏で噂に上っていましたね。というのも、高城氏と結婚した後、それまで所属して来たスターダスト・プロモーションが、沢尻との契約を解消したことでした。しかも、その契約解消の理由が、MDMAの使用で逮捕（09年8月）された押尾学にビミョーに似ていたこともあって、さまざまな憶測を呼びました。そこに拍車をかけたのはスターダストが、所属タレントに〝任意〟としながらも〝薬物検査〟を実施することを明らかにしたことです。それも結果として沢尻の〝薬物疑惑〟に拍車をかけたことは確かです。だいたい所属契約解消騒動という重要な出来事の真っ只中に高城氏と2人揃って海外に行ってしまうということ自体、何かあると思わざるを得ない行動でしたから。結局、真相は闇の中となりましたが…」（芸能関係者）
来年は大河出演予定 ピエール瀧に続き頭抱えるNHK
高城氏とは11年に離婚した。が、そういった中でも化粧品をはじめ「美」のイメージから多数のCM出演にもつながっていた。その一方、12年に公開された主演映画「ヘルタースケルター」ではヌードを披露。転落していく女優を演じ話題になった。現在は「人間失格 太宰治と3人の女たち」（19年）で存在感のある役を演じていたのだが…。
今回の逮捕を受け、サントリーは沢尻容疑者の出演するアルコール飲料「ほろよい」を、同社のYouTubeチャンネルから削除した。
また、逮捕前日の15日から公開されたばかりの求人検索エンジン「Indeed Japan」は、新CM動画とメーキング映像を同社のYouTubeチャンネルから削除、僅か1日でお蔵入りとなった。
最も頭を抱えているのがNHK。来年の大河ドラマ「麒麟がくる」（1月5日スタート）への出演が決まっており、既に収録に入っていたからだ。
「斎藤道三の娘・帰蝶（濃姫＝のちの織田信長の正妻）役でレギュラー出演しています。6月4日のクランクインから参加していました。今後の対応は検討中としか言えません」とNHKではコメントしているが、現在放送中の「いだてん」もピエール瀧のコカイン使用での逮捕があっただけに、早くも出鼻をくじかれた気分だろう。
「所属のエイベックスは当然、契約を解消ということになるでしょうが、CMはもちろん、ドラマや映画など損害金や違約金は莫大な金額になるはずです。場合によってはピエール瀧以上になることは確か。10億円に迫るかもしれません」（事情通）。
さらなる薬物逮捕者出るか
ちなみに、MDMAは、〝SEXドラック〟とも言われ、体に入ると20～30分でハッピーな気分になる。「頭がギンギンになり、体はまったりしてくるのでSEXにはピッタリなのです。とにかく何とも言えない一体感を味わうことが出来ることで人気が高いのです。ただ一般的には男性の使用の方が多いとは思いますがね」（週刊誌のライター）。
錠剤で使用することが出来る上、覚せい剤のような依存症はないが、服用を続けると効きが弱くなるため、その効果を上げるために服用量を増やすことになる。その結果「過剰摂取で死亡リスクも高まる」という。
しかし、沢尻容疑者が、所持していたのが果たしてMDMAだけだったのかは、今後の捜査次第となるが、場合によっては女優生命にも大きな影響をもたらすことは確かだ。
しかし、その一方で芸能界の麻薬汚染を指摘する声も多い。
「沢尻の薬物ルートで一部は、既に判明している部分があります。と言うことは、次の逮捕者が出てくると可能性が高い。名前の挙がっているところではモデルでタレントとしても活躍しているK、女優のMなどです。2人とも沢尻と交流があるので疑われるのは当然ですが、以前から薬物疑惑があり既に内偵捜査も入っていると聞いています。薬物の場合は、とにかく現行犯逮捕に限られるので慎重に行わなければなりませんが。いずれにしても、薬物捜査に関しては組対もマトリに対抗していますからね」（警視庁の内部に詳しい関係者）。
今年も残るところ40日。芸能界からさらなる薬物逮捕者が出てくる可能性は高い。
