現役高校生「大学入学共通テストは劣悪で不明瞭」署名キャンペーンを立ち上げた高2生が新入試制度を批判 - 島村優
※この記事は2019年10月29日にBLOGOSで公開されたものです
大学入試センター試験に代わり2020年度から導入される大学入学共通テストに対し、批判の声が上がっている。ネット上などでは、直接の当事者である受験生からも困惑や不満の声が多く見られた。
署名サイト「Change.org」では、現役の高校生が「大学入学共通テスト2020年度実施の中止を求めます」というキャンペーンもスタートし、開始から数日で7000人強の賛同を集めている(10月29日現在)。
「大学入学共通テストから学生を守る会」と名乗る発信者は、
・学生のために大学入試を考えること自体には賛成
・しかしながら、現在決まっている共通テストは致命的な欠陥が多すぎて改革になっていない
・そもそも、現行のセンター試験は極めて洗練された方式であって、拙速に変える必要はない
・本当に学生のことを考えるのであれば、実施を延期してゼロベースで再検討すべきだ
と主張。このような問題を抱えながら推し進められる大学入学共通テストを「阻止すべく立ち上がりましょう」と呼びかけている。
今回のキャンペーンを立ち上げた、都内の学校に通う高校2年生は次のように明かす。
以前から共通テストに関して実施すべきでないという意見を持っていましたが、今回発起人の2人でたまたまその話題になった時、約1年前で共通ID等の発行がまもなく始まる今が恐らくラストチャンスであり今動かなければ永遠に後悔すると思ったので行動に移した次第です。
導入される新制度について、高校生たちはどのように受け止めているのだろうか。そう問いかけると、次のような答えが返ってきた。
訴えたいのは、やはり公平性に欠けることです。経済的・地理的公平性や採点の公平性などに大きく欠ける制度です。周りの友人等も、この点に憤慨しています。また、この時期になっても発表されていないことや、変更点が出てくることなどにも大いに困惑しています。
彼らは学生のために入試改革を進めること自体には賛成の立場をとりながら、「しかし今回の制度はあまりに不備が多く、『改革』になっていません。こんな劣悪で、しかも不明瞭な制度を拙速に実施する意味が分からない」と厳しく批判。その上で、誰がこの試験の実施を求めているのかと疑問を呈している。
この問題に対しては、高校生とそれ以外の人での温度感の違いを感じているといい、「まずは多くの方にこの問題を知っていただくことが最重要課題」とし、次のように呼びかけていた。
まずは署名活動やこの問題について知ってもらい、その上で、賛成していただけたなら是非とも署名していただき、仮に賛成していただけなくても、是非反対意見でいいので積極的に発信していただきたいです。反対意見も、議論が成熟していない現状においては貴重な存在だと思っています。