「日光杉並木街道」車両通行止めに 車はバイパスへ ギネス認定並木道の深刻な現状
日本唯一の「特定史跡&特別天然記念物」二重指定文化財だそう。
バイパス開通したので杉並木を車両通行止めにします
栃木県の世界遺産「日光の社寺」へ通じる日光杉並木街道の一部が、2022年3月22日(火)から車両通行止めになります。
車両通行止めになる日光杉並木街道。画像はイメージ(画像:栃木県)。
県道路整備課によると、対象は国道119号(日光杉並木街道)日光市道シドミ原〜下森友線交差部から東側へ、約800mの区間です。昨年10月、この区間を代替する国道119号「水無バイパス」が開通しており、さらにバイパスと現道119号を結ぶ連絡道路の整備が完了することにともなう措置としています。
現道の杉並木区間は、歩行者のみが通行可能に。この措置により地域の安全性を確保し、杉並木の生育環境の改善などが図られるといいます。
日光杉並木街道は、日本で唯一、国の特別史跡・特別天然記念物の二重指定を受けている「特別史跡・特別天然記念物日光杉並木街道附並木寄進碑」という名の貴重な文化財です。
約400年前、日光東照宮造営の頃に植樹された杉並木街道は、日光街道、例幣使街道、会津西街道の3つからなり、総延長37kmに及ぶ「世界で最も長い並木道」としてギネスブックにも掲載されているそうですが、実は杉の数が減少しています。
徳川家康の家臣だった松平正綱・正信親子によって植えられた杉は約5万本といわれていますが、1961(昭和36)年に東照宮が並木台帳を作成したときには、約1万6500本でした。それから50年で4000本以上が減少し、現在は約1万2100本だそうです。
原因としては、杉自身の老齢化や台風などの自然災害のほか、自動車交通量の増加や街道周辺の開発などによる杉の生育環境の悪化が考えられるといいます。このため栃木県はバイパス整備を含む、杉並木の保護を進めてきました。