護衛艦「いずも」超える重さ 空母にもなる強襲揚陸艦「アナドル」公試開始 トルコ
トルコ海軍では2番艦「トラキア」の建造も計画中。
トルコ海軍、史上最大の軍艦が洋上へ
トルコ国防省は2022年3月上旬、新型揚陸艦(LHD)「アナドル」にトルコ国旗を掲揚し、海上公試を始めたことを明らかにしました。
揚陸艦「アナドル」は満載排水量2万7436トン、全長231mあり、全通式の飛行甲板と艦首にスキージャンプを備えているのが特徴です。同艦は2018(平成30)年2月7日に起工、2019年4月30日に進水しており、各種公試が予定通り進めば2022年12月に就役するそうです。
トルコ国旗が掲げられた強襲揚陸艦「アナドル」(画像:トルコ国防省)。
原型はスペインのナバンティア社が設計・建造した強襲揚陸艦「ファン・カルロス1世」で、「アナドル」はその準同型艦となります。ただ、建造はイスタンブールにあるセデフ造船所で行われ、搭載する戦闘システムなどには同国のアセルサン社のものなどが用いられているといいます。
なお、同様に「ファン・カルロス1世」をモデルにした艦として、オーストラリア海軍が運用するキャンベラ級強襲揚陸艦の「キャンベラ」と「アデレード」があり、これらすべて姉妹艦とされています。
トルコ海軍は過去、満載排水量2万5400トンの戦艦「ヤウズ・スルタン・セリム」を1914(大正3)年8月から1954(昭和29)年11月まで運用していたことがあったものの、「アナドル」はこれを上回る大きさであり、就役すれば同国最大の軍艦となる予定です。