東武熊谷線の廃線跡、道路になる 約2.5km開通 利根川方向へほぼ一直線
通称「カメ」と呼ばれたディーゼルカーが走っていました。
旧東武熊谷線 多くは道路に
埼玉県熊谷市の市道101号線の約2.5km区間が2022年3月26日(土)に開通し、全線開通となります。この道路は、かつての東武熊谷線の廃線跡です。
手前中央から奥に延びるのが、東武熊谷線の跡に開通する熊谷市道101号線(画像:Google Earth)。
熊谷線は、JR熊谷駅から北へ、利根川南岸に位置する妻沼(めぬま)地域の妻沼駅まで、約10kmを結んでいました。戦時中の1943(昭和18)年に開通。40年後の1983(昭和58)年に廃止されています。最後まで非電化で、「カメ」と呼ばれ親しまれたディーゼルカーが走っていました。
妻沼線は熊谷市内から利根川へ向かって、ほぼ一直線に敷かれており、今回の開通区間も直線かつ平坦路です。県道葛和田新堀線が開通区間の終点ですが、そこから北、旧妻沼駅付近までも、すでに大部分が道路になっています。
ちなみに、熊谷線はもともと、利根川を越えて現在の群馬県太田市にある中島飛行機の工場(現在のSUBARU群馬製作所)まで、軍需物資と工員を運ぶべく計画されましたが、妻沼からの利根川越えは叶いませんでした。
妻沼線の痕跡は、秩父鉄道と共用だった上熊谷駅付近の公園のほか、利根川を渡った群馬側の河川敷に未成区間の橋脚の一部などが残っています。