「お値段以上!」かもしれません。

ボーイング787でアジア・オセアニアに

 2020年に「第3ブランド」という仮称のもと設立が発表された、ANA(全日空)グループの新たな中距離国際線LCC(格安航空会社)。2022年3月8日(火)、報道陣に向け社名や機体デザインが明かされました。航空会社の名前は「Air Japan」です。


ANAが展開する新LCC「AirJapan」の機体デザイン(画像:ANA)。

 新型コロナ禍の航空需要の変化を経て、ANAでは、東南アジア・オーストラリア路線を中心に、拡大が見込まれるレジャー需要獲得を担う新LCCを立ち上げ、国際線の需要の回復をにらみながら運航を開始すると発表。

 新会社は、これまでANAブランドとして短・中距離国際線の運航を担当してきた傘下の航空会社「エアージャパン」を母体とし、これを発展させた形。飛行機は、すでにANAグループで使用しているボーイング787-8を活用し、300席規模に改修し使用します。

 社名を引き継ぐ形となった理由をANAは「世界中の方々から、日本のエアラインであること、また安心のJapanQuality(日本品質)を、シンプルに、分かりやすくお伝えするため、『AirJapan』に決定した」とのこと。一方で新たに「すべてにやさしいエアラインとして、日本らしい発想と品質で全く新しい空の旅を創り出すことを目指す」(ANA)を意味する「Fly Thoughtful」というブランド・コンセプトが設定されます。

機体デザインやサービスはどうなる?

 ブランドロゴは「AirJapan」の「r」と「J」の部分をモチーフに、手と手が織り成すやさしさをイメージしたといいます。カラーリングは日本の伝統色「藍色」と「曙色」の組み合わせたもので、藍色は、日本の伝統工芸の1つである藍染の“丁寧な技法”を表現。曙色は、日本の四季の中から、春の「日の出」の色を選定し、”心地よい暖かさ”を表現したとのことです。ロゴデザインは、機体の尾翼にあしらわれます。


AirJapanの峯口秀喜社長(2022年3月8日、乗りものニュース編集部撮影)。

 新「AirJapan」は「日本らしい発想と品質でフルサービスでもLCCでもない、双方の良いところを組み合わせながら全く新しい空の旅を創り出すことを目指す」(ANA)とのこと。各種のオプションサービスを選択性とし、LCCのような手頃な運賃を設定する一方で、「今までにない快適さ」の言葉の通り、中距離国際線の移動においても快適に過ごせる機内空間を提供するとアピールします。

「中距離LCCとして打ち出したものの、新ブランドは厳密にはLCCではありません。LCCとフルサービス両方の良いところをあわせた新しいビジネスモデルです。新ブランドの安全基準はANAは全く同じです。また、新ブランド『AirJapan』と既存のANAブランドの『エアージャパン』は併存し、客室乗務員はサービスや制服の異なる両ブランドの便を担当する新しい試みを実施します」(AirJapan峯口秀喜社長)

 この新LCC「AirJapan」は、2023年下期を目処に就航する予定です。