心機一転、2022年度から新たに事業が始まります。

新宿区が実態調査を予定


西武新宿線の中井駅(乗りものニュース編集部撮影)。

 東京都新宿区は2022年度の予算案を発表。その中で、西武新宿線の高田馬場駅より西の新宿区内の区間について、開かずの踏切解消のための立体化に向けて、調査を行うとしています。

 これは2022年度に新規事業として計上されたもの。西武新宿線では現在、隣で中井〜野方間の立体交差事業が進行中ですが、高田馬場駅からそこまでの区間についても、新たに立体交差化が計画されていくことになります。

 これまで西武新宿線では、西武新宿〜上石神井間について、「地下にもう2本線路を通して、全2層構造により複々線化する」という計画で、都市計画決定がされていました。しかし、2021年11月に、この計画は正式に廃止されています。

 区は「計画の廃止により、今までどおり全ての電車が地上を走ることとなるため、開かずの踏切対策の必要性が高まった」として、まだ連続立体交差事業が行われていない区内について、再検討を行うとのこと。

 2022年度はまず、当該区間の踏切がどれだけの利用者があり、待ち時間や迂回、事故発生など、どれだけの社会的損失が発生しているかといった調査を行うとしています。

 踏切道改良促進法に基づき国が指定する「改良すべき踏切道」に、新宿線の新宿区内の踏切はまだ含まれていません。しかし、これから実施される調査結果によって、新たに「改良すべき踏切道」への指定につながれば、立体交差化に向けて機運が高まってくる可能性があります。

 ところで、どのような立体交差化を行うかについてはまだ白紙の段階ですが、中井駅周辺では立体化に少々困難があります。空中では山手通りの跨線橋、地下では首都高中央環状線と地下鉄大江戸線がそれぞれ交差し、まさに「鉄壁の構え」。そういったこともあり、一概に高架化・地下化というわけにはいかず、どこで踏切を解消するかを含め、総合的な検討が必要になってくるかもしれません。