アストラムライン「西広島延伸」駅の基本設計へ 工事着手めざし手続き進む
長い「盲腸線」脱却を図る延伸計画です。
令和10年度代の全線開通をめざす
アストラムラインの7000系車両(画像:三菱重工業/広島高速交通)。
広島市は2022年度の予算案を発表。その中で、新交通システム「アストラムライン」の広域公園前〜西広島間の延伸構想について、都市計画決定や軌道法手続きなどに向け、駅舎等基本設計や地質調査を行うとしています。
アストラムラインは広島市の中心市街地にある本通駅から、安佐南区を反時計回りに大町地区、伴地区と経由し、広域公園前駅へ至ります。この計画は、利便性向上のため、そこからさらに南へ延伸し、JRの西広島駅へ直結するものです。
延伸区間は延長7.1kmで、標高差は約100m。最大勾配59パーミル・延長1.7kmのトンネルで一気に高台を下り、己斐地区に達します。途中には、五月が丘1駅、五月が丘2駅、石内東駅、己斐上駅、己斐中駅の5駅が設置される計画です(いずれも仮称)。なお、用地取得をできるだけ少なくし、既存道路に幅を収めるため、延伸部は単線となる予定です。
公表されている事業スケジュールでは、まず石内東駅までを「令和一ケタ代後半」に先行開業、それから先の「山を下りる」区間へ延ばし、全線開通は令和10年代としています。概算事業費は約570億円と算定されています。
事業化は2015(平成27)年。これまで、測量や環境アセスメントの手続きなどが順次進められてきました。次年度はいよいよ具体的な形が出来上がっていきます。
ちなみに、西広島駅からさらに東進し、本通駅につなげて「環状線」とする計画もあります。こちらはひとまず西広島延伸の整備後に検討するという位置づけになっています。さらに先、広島駅方面まで延伸する第三期事業化計画もありましたが、こちらは正式に廃止となっています。