矢野阪神 早くも「V逸フラグ」立つ?まさかの胴上げ予行演習で波紋呼ぶ

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 ノー天気にもホドがある。23日に行われた阪神・宜野座キャンプで異例のシーンが見られた。恒例となっているワンデーキャプテンを務めた西勇輝投手(31)と糸井嘉男外野手(40)の発案により、練習前の円陣で今季限りで退任が決まっている矢野監督をナインらで胴上げしたのだ。

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 これは矢野監督が就任以来大事にしている「予祝」を体現したもの。未来の姿を先に喜び現実を引き寄せようとする「予祝」は矢野監督が就任以来、ナインに何度となく説いてきたテーマだった。

 一方で、この「予告胴上げ」の記事が流れるとネット上には「優勝できないフラグを自ら立てなくても」「監督もそれは優勝のときにと拒否すれば良かったのに」「去年も似たようなことをやったのになぜ学ばないのか」と批判的な意見が散見された。

 フラグが立つとは、元々は英語の「フラッグ」の意味で近年はSNSで使われることが多く、意味としては「伏線」「前触れ」「見込み」などという意味で使われるもの。今回の場合は優勝する可能性が薄くなったことを指している。

 というのもチームは昨年も「失敗」した過去がある。昨年、在阪ローカルの朝日放送が6月に「あかん阪神優勝してまう」特番を放送。同時期は打線も絶好調で首位を独走、目指す優勝に明るい光は見えていたが、もちろん長いペナントレースを考えれば、まだまだ確実なことは言えない状況だった。


 結果はV逸。この場合はチーム内から派生した出来事ではなかったが、この時期に優勝特番を放送したことに関してはオフにバラエティー番組に出演した阪神・秋山が「正直いって(番組は)プレッシャーでした」と告白したこともあった。

 ただでさえ注目球団として結果を求められ高いハードルを課される中、矢野監督はキャンプイン前に「勝って辞める」と今季限りの退任表明も行っている。さらに重圧をかけるような今回の出来事には首をかしげるムキも多い。

「ノリのいい阪神ならではといえますが、他球団からしたら、ラッキーでしょう。キャンプイン直前の退任表明といい、開幕前の今回の胴上げも前代未聞。何やっているんだかという感じでしょうからね。果たしてチームが同じ方向に向いているのか。必ずしも全員がこのやり方に賛同しているとは思えず、自ら不協和音のタネをまいているようにも見える。これで優勝できればいいが、V逸となれば恥の上塗りです」(球界関係者)

 3度宙を待った指揮官は「うれしいサプライズで気持ち良かったです。考えてくれた嘉男(糸井)と勇輝(西)に感謝。そういう思いで戦ってくれるというのは本当に俺にとってありがたいこと」とご満悦だったが、果たして結果に結びつけられるか。

 矢野阪神ラストシーズンに不穏な空気が漂い始めた。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]