先制ゴールを決めたザンブロッタは、危篤状態にあるペソットに捧げると語った(C)EFE
 W杯決勝トーナメント2回戦の行われた30日、優勝候補一角のアズーリ(イタリア代表)が初出場ウクライナを3−0で破りベスト4進出を決めた。

 前半6分、相手ボールを奪ったザンブロッタはトッティとのワンツーで相手陣地のスペースを豪快に突破、エリア外から放たれた左足シュートは低弾道で相手GKの左手を弾きゴール右隅に決まった。後半14分、セリエA得点王のトニが嬉しいW杯初得点を挙げ勢いを増すと同24分、左サイドを突破したザンブロッタが相手DFと競りながら左足を伸ばしてラストパス。W杯の呪縛が解けたトニが落ち着いて決め勝負あり。4バック、中盤の両サイドをこなす職人ザンブロッタの大活躍でアズーリは開催国ドイツの待つ準決勝へ駒を進めた。

 元ユベントスGMモッジによる「審判操作」など様々なスキャンダルが明るみになったイタリアで27日、最悪の事態が起きた。今季限りで現役引退したDFジャンルカ・ペソット(35=ユベントスマネージャー)がクラブ事務所屋上から突然の投身自殺。幸い一命はとりとめたが複数箇所を骨折したペソットは依然危篤状態。ドゥイスブルクで合宿中のアズーリからは急遽デル・ピエロ、ザンブロッタ、フェッラーラ(代表特別スタッフ)ら関係の深い3人がトリノの病院に駆け付けた。

 先制ゴールと駄目押しアシストを決めたザンブロッタは試合後TVカメラの前で「勝利に対する執念がこの結果を生んだ。ゴールはユーベ、代表で同僚だったペソットに捧げたかった」とここ5年間、合宿、遠征で常に同室だったパートナーを励ました。圧倒的勝利に主将カンナバーロは「我々はお前と一緒だ」と書かれた国旗を掲げ、代表監督リッピは「ペソット、妻、娘達、彼の親族に捧げる勝利だよ。選手達が一丸となっていた」と選手達の意気込みに目を細めた。