奇跡の86歳・角野栄子さんのおしゃれの秘密。アイデアは娘のくぼしまりおさん
『魔女の宅急便』で知られる童話作家・角野栄子さん(86歳)のファッションをコーディネートしているのは、55歳の娘・くぼしまりおさん。カラフルで温かく、なによりおしゃれなファッションコーディネートのコツを、『50代になった娘が選ぶ母のお洋服 魔法のクローゼット
』(KADOKAWA刊)という本にまとめました。
くぼしまりおさんと、角野栄子さん
今回はくぼしまさんに、シニア向けの冬でもラクにおしゃれができるスタイリングのコツをたっぷりインタビュー。年を取ってから、どんなものを着たらいいのかわからなくなったと悩んでいるシニアの悩みを解決してくれるアイデアが満載です!
この時季、ファッションで毎日を快適に過ごすコツは、温かく、軽くてラクちんであること。シニア世代にとってはなおさらです。この冬からすぐに真似できる、くぼしまさん流のファッションの技とは?
真ん中のパープルはサイクリングウエアの「Rapha(ラファ)」から出ているアームウォーマー。
日焼けしないように使う人が多いアームウォーマーですが、シニア世代にとっては冷え対策としても役に立ちます。
「シルクなどの自然素材のもので、一つ3000円前後のものを選んでください。あまり高価なものだと生地が分厚くなってしまうのですが、安いものならぎゅっと握ったときに小さく畳めるくらいコンパクトなものが多いから便利です。そのままバッグに入れておけば、ちょっと寒いなと思ったときにサッとつけられます。カーディガンのようにかさばることもありません」(くぼしまさん)
おしゃれに体を温めてくれるアイテムならネックウォーマーもおすすめ。
「右上のえんじ色のものは母が気に入ってよく使っているアイテム。カシミアやコットン素材のものならばチクチクすることもありません」
今、一番おすすめなのがウール素材のインナーとのこと。
「スポーツ用品として売られているものは風をしっかりよけられるようにつくられているので、機能性も温かさも抜群。自然素材なので脇の匂いも気になりません。母の場合、発熱効果をうたう化学繊維のインナーがチクチクして合わなかったので、試しにこのウールのインナーを一枚プレゼントしたところ、気に入って愛用しているようです」とくぼしまさん。
「私がよく着用しているのはサイクリング用のウエアなのですが、腕やウエストまわりのつくりがややタイトなため、大き目のサイズを選ぶようにしています。もう少しシニア向けにアームホールがゆったりしているようなサイズ感のものが出るといいなと思っています」
「母の服もワンピースとアトリエコート以外は、ほどんど市販品。シニア向けの服に限らず、スポーツウエアでも合いそうだと思ったらどんどん取り入れて自由にアレンジしています」
おうち着もおしゃれな重ね着。温かいからそのままお出かけもできます。
シニア世代は、重ね着で温かく過ごすのがおすすめです。
「シャツ生地のような軽い素材なら、重ねても重たくならないんです。空気の層がふんわりとやさしく体を温めてくれます。上手に重ね着をすると、動きやすいから体もラクなんですよ」
くぼしまさんに、今気になっていることや、ファッションについて思うことを伺いました。
くぼしまりおさん(提供:著者)
「私が今、音楽にしてもファッションにしても、最先端をいっていると思うのが日本のアニメ。世間の人がどんなものに関心があるのか、常に興味を持っています」とくぼしまさん。
「仕事で忙しくしていても、アウトプットして出しきった後は、空っぽになる時期があってもいいと思うんです。そういうときは集中型なので、18時間くらいぶっ通しで本を読みふけることもあります」
純文学からライトノベル、BLまで、好奇心の赴くままに読んで知り、吸収することが、柔軟な考えに繋がります。
ファッションについても、ジャンルにとらわれず、もっと自由に身につけてほしいと言います。
「若い人は、固定概念にとらわれず、自分の『好きだ!』という気持ちを大切にして生きてほしいなと思います。たとえば、もしあなたが花柄を好きならば、若いうちからどんどん花柄のものを身に着けて“花柄が好きな人”というのを周りに発信しておいたほうがいい。シニアになってからも、その好きだった花柄を身にまとうだけで『あの人は若いころから変わらないね』なんて唯一無二の個性を発揮できるんです」
「年を取ることを恐れないで、思いっきり自分の“好き”と向き合ってください。ファッションについても同じです。お年寄りのファッションはこういうもの! と凝り固まった価値観を打ち破ってみんなが自分らしいファッションを楽しんで生きていけるように、私はその重たい扉をノックし続けているのです」
くぼしまさんの著書『50代になった娘が選ぶ母のお洋服 魔法のクローゼット
』(KADOKAWA刊)には、さらに詳しいシニアファッションのコツと、角野さんのコーディネート写真が満載! ぜひチェックしてみてくださいね。
<撮影/馬場わかな(『魔法のクローゼット』より) 取材・文/朝岡真梨>
●教えてくれた人
1966年、東京都生まれ。子どもの本の創作や翻訳に意欲的に取り組み、イラストレーターとしても活躍。著作に「ブンダバー」シリーズ、「ブンダバーとなかまたち」シリーズ。訳書に『チビねずくんのながーいよる』『チビねずくんのあつーいいちにち』『チビねずくんのクリスマス』『サリー、山へいく』『サリー、海へいく』など。最新の著作に『50代になった娘が選ぶ母のお洋服 魔法のクローゼット
』(KADOKAWA刊)
』(KADOKAWA刊)という本にまとめました。
くぼしまりおさんと、角野栄子さん
今回はくぼしまさんに、シニア向けの冬でもラクにおしゃれができるスタイリングのコツをたっぷりインタビュー。年を取ってから、どんなものを着たらいいのかわからなくなったと悩んでいるシニアの悩みを解決してくれるアイデアが満載です!
冬もおしゃれに温かく!くぼしまりおさんのシニア向けコーディネート
この時季、ファッションで毎日を快適に過ごすコツは、温かく、軽くてラクちんであること。シニア世代にとってはなおさらです。この冬からすぐに真似できる、くぼしまさん流のファッションの技とは?
●アームウォーマーをバッグに忍ばせ冷え対策!
真ん中のパープルはサイクリングウエアの「Rapha(ラファ)」から出ているアームウォーマー。
日焼けしないように使う人が多いアームウォーマーですが、シニア世代にとっては冷え対策としても役に立ちます。
「シルクなどの自然素材のもので、一つ3000円前後のものを選んでください。あまり高価なものだと生地が分厚くなってしまうのですが、安いものならぎゅっと握ったときに小さく畳めるくらいコンパクトなものが多いから便利です。そのままバッグに入れておけば、ちょっと寒いなと思ったときにサッとつけられます。カーディガンのようにかさばることもありません」(くぼしまさん)
●カラフルなネックウォーマーで首元も温かく
おしゃれに体を温めてくれるアイテムならネックウォーマーもおすすめ。
「右上のえんじ色のものは母が気に入ってよく使っているアイテム。カシミアやコットン素材のものならばチクチクすることもありません」
●シニアが買うべきこの冬一番の推しアイテム
今、一番おすすめなのがウール素材のインナーとのこと。
「スポーツ用品として売られているものは風をしっかりよけられるようにつくられているので、機能性も温かさも抜群。自然素材なので脇の匂いも気になりません。母の場合、発熱効果をうたう化学繊維のインナーがチクチクして合わなかったので、試しにこのウールのインナーを一枚プレゼントしたところ、気に入って愛用しているようです」とくぼしまさん。
「私がよく着用しているのはサイクリング用のウエアなのですが、腕やウエストまわりのつくりがややタイトなため、大き目のサイズを選ぶようにしています。もう少しシニア向けにアームホールがゆったりしているようなサイズ感のものが出るといいなと思っています」
●空気の層をまとえるような重ね着で軽やかに
「母の服もワンピースとアトリエコート以外は、ほどんど市販品。シニア向けの服に限らず、スポーツウエアでも合いそうだと思ったらどんどん取り入れて自由にアレンジしています」
おうち着もおしゃれな重ね着。温かいからそのままお出かけもできます。
シニア世代は、重ね着で温かく過ごすのがおすすめです。
「シャツ生地のような軽い素材なら、重ねても重たくならないんです。空気の層がふんわりとやさしく体を温めてくれます。上手に重ね着をすると、動きやすいから体もラクなんですよ」
年を取ることを恐れないで。おしゃれはもっと自由でいい
くぼしまさんに、今気になっていることや、ファッションについて思うことを伺いました。
くぼしまりおさん(提供:著者)
●何歳になっても知らなかった世界を発見できる
「私が今、音楽にしてもファッションにしても、最先端をいっていると思うのが日本のアニメ。世間の人がどんなものに関心があるのか、常に興味を持っています」とくぼしまさん。
「仕事で忙しくしていても、アウトプットして出しきった後は、空っぽになる時期があってもいいと思うんです。そういうときは集中型なので、18時間くらいぶっ通しで本を読みふけることもあります」
純文学からライトノベル、BLまで、好奇心の赴くままに読んで知り、吸収することが、柔軟な考えに繋がります。
●自分らしさをきらりと光らせることがおしゃれなシニアに繋がっていく
ファッションについても、ジャンルにとらわれず、もっと自由に身につけてほしいと言います。
「若い人は、固定概念にとらわれず、自分の『好きだ!』という気持ちを大切にして生きてほしいなと思います。たとえば、もしあなたが花柄を好きならば、若いうちからどんどん花柄のものを身に着けて“花柄が好きな人”というのを周りに発信しておいたほうがいい。シニアになってからも、その好きだった花柄を身にまとうだけで『あの人は若いころから変わらないね』なんて唯一無二の個性を発揮できるんです」
「年を取ることを恐れないで、思いっきり自分の“好き”と向き合ってください。ファッションについても同じです。お年寄りのファッションはこういうもの! と凝り固まった価値観を打ち破ってみんなが自分らしいファッションを楽しんで生きていけるように、私はその重たい扉をノックし続けているのです」
くぼしまさんの著書『50代になった娘が選ぶ母のお洋服 魔法のクローゼット
』(KADOKAWA刊)には、さらに詳しいシニアファッションのコツと、角野さんのコーディネート写真が満載! ぜひチェックしてみてくださいね。
<撮影/馬場わかな(『魔法のクローゼット』より) 取材・文/朝岡真梨>
●教えてくれた人
【くぼしまりおさん】
1966年、東京都生まれ。子どもの本の創作や翻訳に意欲的に取り組み、イラストレーターとしても活躍。著作に「ブンダバー」シリーズ、「ブンダバーとなかまたち」シリーズ。訳書に『チビねずくんのながーいよる』『チビねずくんのあつーいいちにち』『チビねずくんのクリスマス』『サリー、山へいく』『サリー、海へいく』など。最新の著作に『50代になった娘が選ぶ母のお洋服 魔法のクローゼット
』(KADOKAWA刊)