中村江里子さんが20年続けてきた家計簿。「書く」ことを大切にしている理由
世の中は目覚ましい変化を遂げ、便利にそして、ある意味複雑になりつつあります。お金=通貨においてもそれは例外ではなく、現金、クレジットカードに加えて、ここ数年で電子マネーがすっかり定着し、暗号資産に興味を示す人も増えてきました。
そんな中、世界では、子どもたちがお金について学ぶ「金融教育」が注目されてきています。日本でも、子どもの金融教育の必要性が問われ、2005年ごろから少しずつ取り入れられてきましたが、来年2022年からは高校の家庭科の授業で「資産形成」の教育が始まることになり、話題となっています。
結婚以来20年、家計簿は欠かさずつけているという中村江里子さん
パーソナル・ライフスタイルマガジン『セゾン・ド・エリコ Vol.14
』(扶桑社刊)が発売となったばかりの中村江里子さん。この最新号では、中村さん自身の家計管理、3人のお子さんたちのおこづい管理についても紹介されています。
オフィシャルブログは月間500万PV、インスタグラムはフォロワー数が15万人に迫る勢いの中村さん。洗練されたライフスタイルと、華やかな交友関係も目を引きますが、何より、堅実で穏やかに、日々を大切に生きる姿に気持ちを寄せる読者も多いようです。
「金銭教育」と大上段にかまえなくても、変遷する金融システムの中で、もっと身近なところ、各々の家庭内で子どもの頃から身につけておいたほうがよいこともありそうです。中村さんにバルト家の様子をうかがってみました。
いま家計簿として使っているのは航空会社のノベルティでいただいたノート
──早速ですが、中村さんは、家計簿はつけていらっしゃいますか?
「はい。結婚当初からずっと。といっても細かくつけるのではなく、毎日出費だけをフランス語でひたすらつけていく、という方法です。ノートも専用の家計簿や金銭出納帳ではなく、ありあわせのものを使っています(笑)」
──レシートは品目ごとに分類して保管?
「ノートにつけたらレシートは破棄します。日々のレシートをとっておくと膨大な量になるので。私自身は現金派ですが、フランスはカード社会。だからこそ、自分の中で“使った”という感覚をもつためにも、書くという行為がとても大事だと思っています。銀行の明細がきたときには、ノートで確認ができます」
──お子さんたちのおこづかいについてはどうでしょう?
「私自身が小学生のときからずっとおこづかい帳をつけてきたので、逆に何もしないということが怖くてできないくらいになっています(笑)。ですから、子どもたちには毎月のおこづかいをあげるようになったとき、最初に『とにかく書きなさい』と、家にあるノートを同時に渡しました。お小遣いだけでなく、成長の節目でいただいたお祝い金、お手伝いのお駄賃を、そしてちょっとしたものでも使ったときには必ずメモしておくように言っています。もらったお金を、ただお財布に入れて使っていると忘れてしまいますが、書くことによって、自分の使い方がわかると思います。地道なことですが、毎月のおこづかいでも1年でいくらになるか、書くとわかります」
長男フェルディノンくんのお小遣い帳とお財布
──バルト家では、お小遣いは何歳から差し上げているのでしょう?
「それぞれ小学校3年生になったぐらいからです。金額は毎月5ユーロ(約700円)。じつは息子のフェルディノンが中学生になるときに、もっとあげるつもりでいたら、本人から『そのままでいい』と。学用品や服など学校に必要なものは私たちが購入するので、5ユーロのままでいい、と言われました」
──では、おこづかいの使いみちは?
「貯めたお金の使いみちは自由で、クリスマスにお互いにプレゼント交換をしたり、母の日にプレゼントをしてくれたりしています。息子は欲しかったスニーカーを自分で貯めたお金で買えたときには、とても喜んでいました」
長女ナツエちゃんのお財布と「レボリュト」のカード
──長女のナツエちゃんは17歳、高校生ですよね? ナツエちゃんはどうでしょう?
「ナツエは昼食代などが必要なので、「レボリュト」というカードを持たせています。以前は現金で渡していましたが、それだとどこで何に使われたかわかりませんし、現金を持ち歩くのは治安の面でも心配です。このカードですと、必要なときに必要な額を親がネットで即入金できて、履歴が残るという利点があるんです」
次女タカエちゃんのお財布とおこづかい帳。長財布はナツエちゃんのお下がり
家計簿やおこづかい帳を書くという行為はとても大切。それによって自分のお金の使い方がみえてくるから…という中村さんの言葉には、大きくうなずかされました。
また、子どものころから習慣化しておけば、おこづかい帳や家計簿をつけることはけっして面倒なことではないし、むしろ自然とお金の管理が身につくということを教えていただいたように思います。
中村さんのお話をうかがいながら、お金の管理は、それのみならず、時間の管理や暮らしの管理、健康の管理…よりよい暮らしのマネジメントへとつながるように感じました。
中村さんの、工夫たっぷりのすてきなデイリー・スタイルは、最新刊のパーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ Vol.14
』(扶桑社刊)でも紹介しています。ぜひ、こちらもチェックをしてみてください。
<取材・文/ESSEonline編集部>
●教えてくれた人
本名・エリコ・バルト。1969年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、フリーに。2001年にシャルル・エドワード・バルト氏と結婚し、生活の拠点をパリへ。パリと東京を往復しながら、さまざまなメディアで活躍。最新刊に、自身のパーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ』(扶桑社刊)の人気連載をまとめた『パリのおうち時間
』(扶桑社刊)がある。
そんな中、世界では、子どもたちがお金について学ぶ「金融教育」が注目されてきています。日本でも、子どもの金融教育の必要性が問われ、2005年ごろから少しずつ取り入れられてきましたが、来年2022年からは高校の家庭科の授業で「資産形成」の教育が始まることになり、話題となっています。
結婚以来20年、家計簿は欠かさずつけているという中村江里子さん
パーソナル・ライフスタイルマガジン『セゾン・ド・エリコ Vol.14
』(扶桑社刊)が発売となったばかりの中村江里子さん。この最新号では、中村さん自身の家計管理、3人のお子さんたちのおこづい管理についても紹介されています。
結婚20年。中村江里子さんが結婚当初からずっと続けていること
オフィシャルブログは月間500万PV、インスタグラムはフォロワー数が15万人に迫る勢いの中村さん。洗練されたライフスタイルと、華やかな交友関係も目を引きますが、何より、堅実で穏やかに、日々を大切に生きる姿に気持ちを寄せる読者も多いようです。
「金銭教育」と大上段にかまえなくても、変遷する金融システムの中で、もっと身近なところ、各々の家庭内で子どもの頃から身につけておいたほうがよいこともありそうです。中村さんにバルト家の様子をうかがってみました。
●書くことで見えてくるお金とのつき合い方
いま家計簿として使っているのは航空会社のノベルティでいただいたノート
──早速ですが、中村さんは、家計簿はつけていらっしゃいますか?
「はい。結婚当初からずっと。といっても細かくつけるのではなく、毎日出費だけをフランス語でひたすらつけていく、という方法です。ノートも専用の家計簿や金銭出納帳ではなく、ありあわせのものを使っています(笑)」
──レシートは品目ごとに分類して保管?
「ノートにつけたらレシートは破棄します。日々のレシートをとっておくと膨大な量になるので。私自身は現金派ですが、フランスはカード社会。だからこそ、自分の中で“使った”という感覚をもつためにも、書くという行為がとても大事だと思っています。銀行の明細がきたときには、ノートで確認ができます」
──お子さんたちのおこづかいについてはどうでしょう?
「私自身が小学生のときからずっとおこづかい帳をつけてきたので、逆に何もしないということが怖くてできないくらいになっています(笑)。ですから、子どもたちには毎月のおこづかいをあげるようになったとき、最初に『とにかく書きなさい』と、家にあるノートを同時に渡しました。お小遣いだけでなく、成長の節目でいただいたお祝い金、お手伝いのお駄賃を、そしてちょっとしたものでも使ったときには必ずメモしておくように言っています。もらったお金を、ただお財布に入れて使っていると忘れてしまいますが、書くことによって、自分の使い方がわかると思います。地道なことですが、毎月のおこづかいでも1年でいくらになるか、書くとわかります」
●14歳の息子の毎月のおこづかいは5ユーロ(約700円)
長男フェルディノンくんのお小遣い帳とお財布
──バルト家では、お小遣いは何歳から差し上げているのでしょう?
「それぞれ小学校3年生になったぐらいからです。金額は毎月5ユーロ(約700円)。じつは息子のフェルディノンが中学生になるときに、もっとあげるつもりでいたら、本人から『そのままでいい』と。学用品や服など学校に必要なものは私たちが購入するので、5ユーロのままでいい、と言われました」
──では、おこづかいの使いみちは?
「貯めたお金の使いみちは自由で、クリスマスにお互いにプレゼント交換をしたり、母の日にプレゼントをしてくれたりしています。息子は欲しかったスニーカーを自分で貯めたお金で買えたときには、とても喜んでいました」
長女ナツエちゃんのお財布と「レボリュト」のカード
──長女のナツエちゃんは17歳、高校生ですよね? ナツエちゃんはどうでしょう?
「ナツエは昼食代などが必要なので、「レボリュト」というカードを持たせています。以前は現金で渡していましたが、それだとどこで何に使われたかわかりませんし、現金を持ち歩くのは治安の面でも心配です。このカードですと、必要なときに必要な額を親がネットで即入金できて、履歴が残るという利点があるんです」
次女タカエちゃんのお財布とおこづかい帳。長財布はナツエちゃんのお下がり
家計簿やおこづかい帳を書くという行為はとても大切。それによって自分のお金の使い方がみえてくるから…という中村さんの言葉には、大きくうなずかされました。
また、子どものころから習慣化しておけば、おこづかい帳や家計簿をつけることはけっして面倒なことではないし、むしろ自然とお金の管理が身につくということを教えていただいたように思います。
中村さんのお話をうかがいながら、お金の管理は、それのみならず、時間の管理や暮らしの管理、健康の管理…よりよい暮らしのマネジメントへとつながるように感じました。
中村さんの、工夫たっぷりのすてきなデイリー・スタイルは、最新刊のパーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ Vol.14
』(扶桑社刊)でも紹介しています。ぜひ、こちらもチェックをしてみてください。
<取材・文/ESSEonline編集部>
●教えてくれた人
【中村江里子さん】
本名・エリコ・バルト。1969年生まれ。フジテレビのアナウンサーを経て、フリーに。2001年にシャルル・エドワード・バルト氏と結婚し、生活の拠点をパリへ。パリと東京を往復しながら、さまざまなメディアで活躍。最新刊に、自身のパーソナルマガジン『セゾン・ド・エリコ』(扶桑社刊)の人気連載をまとめた『パリのおうち時間
』(扶桑社刊)がある。