そのプラスチック、本当に必要?使わないことで節約になるプチ習慣
持続可能な社会をつくるための「SDGs」という言葉が注目されています。一見難しそうに感じますが、じつは私たちの暮らしのなかに取り入れられることがたくさんあります。
今回のテーマは「プラスチック」について。SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんに、身近にできる工夫についてつづってもらいました。
「ワンウェイプラスチック」からやめてみませんか?
身近なことから「プラスチックフリー」始めてみませんか?
新聞を読んでいたら、カフェでアルバイトをしている20代女性の投書が目に入ってきました。彼女はテイクアウトでアイスコーヒーの注文を受けるたびに、心の中でこう思うそうです。
「お客様、マイボトルをお持ちいただければプラスチックゴミが減る上、30円引きになりますよ」
そこはサラリーマンが多いオフィス街で、最近胸にSDGsのバッジを光らせている人が多いとか。バッジを身につけるならSDGsの意味を理解し、自身の行動も変えてほしいと結んでいます。形だけの“ちょっとガッカリな”大人たちを冷ややかに見る若者の思いが伝わってきました。
以前このコラムでも何度かプラスチック問題のことを書きましたが、改めて私たちの生活のあらゆる場面で使われているプラスチックについて取り上げたいと思います。
そもそも、プラゴミが増えるとよくない理由は…
【海へ流れ出ることによる影響】
・海の中にプラゴミが増えてしまう(世界では1年間で約800万トンが流出)
・プラゴミは細かいマイクロプラスチックと呼ばれる粒子になり、それを魚が食べ、その魚を人間が食べている。1人1週間に平均5g(クレジットカード1枚分)のプラスチックを摂取しているという報告も。(世界自然保護基金)
湘南クリーンエイドフォーラムのビーチクリーン活動
私は、たびたびNPO団体の「ビーチクリーン活動」に参加しているのですが、海のゴミを拾っていくと、細かいプラスチックゴミがたくさん出てきます。
これらのゴミがどんどん海に流れていってしまうんです。
【地球温暖化への影響】
・放置されたプラゴミが太陽光や海水にさらされることでも温室効果ガスを出してしまう
・製造するにも処分するにも化石燃料(石油・石炭・天然ガス)を大量に使用
・燃やされると温室効果ガスと有害物質が発生
・日本は国内でゴミを処理しきれず海外に送っていて、その輸送過程で二酸化炭素を排出
今年のノーベル物理学を受賞したプリンストン大学の真鍋淑郎さんの研究がまさにこれなんですが、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが、今地球をどんどん温暖化に向かわせているのです。プラスチックをたくさん使うことが、異常気象につながっているなんて、一瞬ピンときませんよね。
でも、世界気象機関によると、2011〜20年は観測史上最も暑い10年間で、2020年の世界の平均気温は過去最高水準だったそうです。産業革命前の平均に比べ約1.2度上昇していて、このままいくと地球が限界点を迎えてしまうと警告しています。
これが「人間の活動が原因」と研究者たちは断言しているのです。プラスチックゴミの1人あたりの廃棄量が最も多い国はアメリカですが、その次は日本です。つまり、私たちは今よりもっとプラスチックを減らす努力をしないといけないのです。
来年春からは、レジ袋だけではなくその他のプラスチック製品の削減やリサイクルを促す「プラスチック資源循環促進法」が施行される予定です。とくに「ワンウェイプラスチック」(Single-use plastic)と言われる、一度だけ使用した後に廃棄することが想定されるプラスチック製品が対象になります。
フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、くし、カミソリ、シャワー用キャップ、歯ブラシ、ハンガー、衣類用カバーの12のプラ製品について、コンビニやクリーニング店、ホテルなどに使用を減らすよう義務づけたり、有料または代替素材への転換を求めていくという法律です。
そもそもストロー(Straw)は、英語で「わら」という意味ですから、本来の自然由来のものに戻すと言えるかもしれません。プラスチック新法施行に向けて、今からプラスチックとお別れする準備をしておきましょう。
・プラスチック製品をワンウェイにしない(繰り返し使えるものは使う)
・家で食べるなら、プラスプーンやフォークを断ろう
・自販機でペットボトル飲料を買う前に少し地球のことを考えてみる
→これから寒くなるので、お好きなホットドリンクを水筒に入れて持参するのもGOOD♪
・エコバッグを複数持ち歩き、レジ袋と本格的にさよならする
・過剰包装のものを選ばない
・エコポイントを貯めてお得なサービスを受ける
→一部コンビニでおでんを買う際、鍋をもっていくと割引になるサービス等も
・使い捨てコンタクトレンズの空ケースをリサイクル
参考:アイシティのecoプロジェクト
・マイボトル持参を習慣に。おトクかつ地球に優しい
・不織布のマスクはプラゴミと同じなのでポイ捨て厳禁!
・洗濯の際はネットに入れて、マイクロプラスチックが流れ出るのを防ぐ
→ナイロン、ポリエステル、アクリルなど化学繊維はプラスチックと成分が同じ
・ソーダ好きの方は、炭酸水メーカーでペットボトル削減へ
たまりがちなクリーニングのハンガーもリサイクル
残念ながら、コロナの蔓延でワンウェイプラスチックの使用は増えています。衛生上の理由や食事のテイクアウトに伴うもので仕方がない部分もあるとは思いますが、スプーンやフォーク、マドラー、クリーニングのハンガーなど「もらってあたり前」から、「もうタダではない」と今から意識を変えていきましょう。
(株)フジテレビジョン CSR・SDGs推進室所属。フジテレビにアナウンサーとして入社し、おもにニュース番組を担当。2011年よりCSRの部署へ。2018年にSDGsをテーマにしたレギュラー番組『フューチャーランナーズ』
を発案。内閣府男女共同参画会議・女性に対する暴力に関する専門調査会委員等、政府の審議会の委員も多数務める。企画・監修するミニ番組『体感!サステナWAVE』
が毎週火曜22:54‐23:00放送中(関東ローカル)。TVer
では見逃し配信も。
今回のテーマは「プラスチック」について。SDGsに詳しいフジテレビの木幡美子さんに、身近にできる工夫についてつづってもらいました。
「ワンウェイプラスチック」からやめてみませんか?
身近なことから「プラスチックフリー」始めてみませんか?
<今日からできる!暮らしのSDGs>
「お客様、マイボトルをお持ちいただければプラスチックゴミが減る上、30円引きになりますよ」
そこはサラリーマンが多いオフィス街で、最近胸にSDGsのバッジを光らせている人が多いとか。バッジを身につけるならSDGsの意味を理解し、自身の行動も変えてほしいと結んでいます。形だけの“ちょっとガッカリな”大人たちを冷ややかに見る若者の思いが伝わってきました。
以前このコラムでも何度かプラスチック問題のことを書きましたが、改めて私たちの生活のあらゆる場面で使われているプラスチックについて取り上げたいと思います。
●なんでプラスチックゴミが増えるとよくないの?
そもそも、プラゴミが増えるとよくない理由は…
【海へ流れ出ることによる影響】
・海の中にプラゴミが増えてしまう(世界では1年間で約800万トンが流出)
・プラゴミは細かいマイクロプラスチックと呼ばれる粒子になり、それを魚が食べ、その魚を人間が食べている。1人1週間に平均5g(クレジットカード1枚分)のプラスチックを摂取しているという報告も。(世界自然保護基金)
湘南クリーンエイドフォーラムのビーチクリーン活動
私は、たびたびNPO団体の「ビーチクリーン活動」に参加しているのですが、海のゴミを拾っていくと、細かいプラスチックゴミがたくさん出てきます。
これらのゴミがどんどん海に流れていってしまうんです。
【地球温暖化への影響】
・放置されたプラゴミが太陽光や海水にさらされることでも温室効果ガスを出してしまう
・製造するにも処分するにも化石燃料(石油・石炭・天然ガス)を大量に使用
・燃やされると温室効果ガスと有害物質が発生
・日本は国内でゴミを処理しきれず海外に送っていて、その輸送過程で二酸化炭素を排出
今年のノーベル物理学を受賞したプリンストン大学の真鍋淑郎さんの研究がまさにこれなんですが、二酸化炭素をはじめとする温室効果ガスが、今地球をどんどん温暖化に向かわせているのです。プラスチックをたくさん使うことが、異常気象につながっているなんて、一瞬ピンときませんよね。
●日本のプラスチック廃棄量は世界2位!
でも、世界気象機関によると、2011〜20年は観測史上最も暑い10年間で、2020年の世界の平均気温は過去最高水準だったそうです。産業革命前の平均に比べ約1.2度上昇していて、このままいくと地球が限界点を迎えてしまうと警告しています。
これが「人間の活動が原因」と研究者たちは断言しているのです。プラスチックゴミの1人あたりの廃棄量が最も多い国はアメリカですが、その次は日本です。つまり、私たちは今よりもっとプラスチックを減らす努力をしないといけないのです。
●まずは身近なプラスチックから減らしていこう!
来年春からは、レジ袋だけではなくその他のプラスチック製品の削減やリサイクルを促す「プラスチック資源循環促進法」が施行される予定です。とくに「ワンウェイプラスチック」(Single-use plastic)と言われる、一度だけ使用した後に廃棄することが想定されるプラスチック製品が対象になります。
フォーク、スプーン、ナイフ、マドラー、ストロー、ヘアブラシ、くし、カミソリ、シャワー用キャップ、歯ブラシ、ハンガー、衣類用カバーの12のプラ製品について、コンビニやクリーニング店、ホテルなどに使用を減らすよう義務づけたり、有料または代替素材への転換を求めていくという法律です。
そもそもストロー(Straw)は、英語で「わら」という意味ですから、本来の自然由来のものに戻すと言えるかもしれません。プラスチック新法施行に向けて、今からプラスチックとお別れする準備をしておきましょう。
【皆さんにもできること〜節約にもつながるプラゴミ対策編〜】
・プラスチック製品をワンウェイにしない(繰り返し使えるものは使う)
・家で食べるなら、プラスプーンやフォークを断ろう
・自販機でペットボトル飲料を買う前に少し地球のことを考えてみる
→これから寒くなるので、お好きなホットドリンクを水筒に入れて持参するのもGOOD♪
・エコバッグを複数持ち歩き、レジ袋と本格的にさよならする
・過剰包装のものを選ばない
・エコポイントを貯めてお得なサービスを受ける
→一部コンビニでおでんを買う際、鍋をもっていくと割引になるサービス等も
・使い捨てコンタクトレンズの空ケースをリサイクル
参考:アイシティのecoプロジェクト
・マイボトル持参を習慣に。おトクかつ地球に優しい
・不織布のマスクはプラゴミと同じなのでポイ捨て厳禁!
・洗濯の際はネットに入れて、マイクロプラスチックが流れ出るのを防ぐ
→ナイロン、ポリエステル、アクリルなど化学繊維はプラスチックと成分が同じ
・ソーダ好きの方は、炭酸水メーカーでペットボトル削減へ
たまりがちなクリーニングのハンガーもリサイクル
残念ながら、コロナの蔓延でワンウェイプラスチックの使用は増えています。衛生上の理由や食事のテイクアウトに伴うもので仕方がない部分もあるとは思いますが、スプーンやフォーク、マドラー、クリーニングのハンガーなど「もらってあたり前」から、「もうタダではない」と今から意識を変えていきましょう。
【木幡美子(こばたよしこ)さん】
(株)フジテレビジョン CSR・SDGs推進室所属。フジテレビにアナウンサーとして入社し、おもにニュース番組を担当。2011年よりCSRの部署へ。2018年にSDGsをテーマにしたレギュラー番組『フューチャーランナーズ』
を発案。内閣府男女共同参画会議・女性に対する暴力に関する専門調査会委員等、政府の審議会の委員も多数務める。企画・監修するミニ番組『体感!サステナWAVE』
が毎週火曜22:54‐23:00放送中(関東ローカル)。TVer
では見逃し配信も。