ルノー「メガーヌE-Tech」発表。万一のバッテリー火災時安全性に工夫
独ミュンヘンで開催中のIAA Mobility 2021より。仏ルノーが人気車種Megane(メガーヌ)の電気自動車モデル、Megane E-Tech Electricを公開しました。
世界の自動車メーカーが続々と電気自動車を発表する時期にあって、Megane E-Techが他とまったく違うのは、万が一、バッテリー火災が発生したときに、消防士が数分で火を消し止められるように工夫されているところ。
エネルギー密度が極端に高いEVバッテリーからの火災は非常にタチがわるく、ときに数mもの大きさの火柱を、散発的にかつ数時間〜数日にわたって吹き出すことがあります。うかつに車体に触れれば感電の危険性があり、中途半端な放水は火をさらに大きくすることもあり得ます。
にもかかわらず、自動車メーカーは各社独自に設計したバッテリーを搭載しており、火災発生時の初動対応で個別に注意すべきことがあるかなどはわかりません。そこでルノーはMegane E-Techのフロントガラスにこのクルマに関する構造や安全対策資料にアクセスできるQRコードを表示しました。
このアイデアによって救助チームは、現場でクルマに関する情報を入手できます。たとえばバッテリーとエアバッグの格納場所、乗員救助のために安全に車両を切断できる場所といった情報が提供されるとのこと。ルノーいわく、この情報は、消防士が行う救助活動を最大15分短縮することができ、命を救う可能性を高められると述べています。
クルマそのものについてもう少し説明をしておくと、SUVスタイルになったMegane E-Techは、ルノー日産三菱連合が開発したEVプラットフォーム「CMF-EV」を採用しました。これは日産の新型ARIYA(アリア)と共通のものです。そしてルノー曰く、Megane E-Techは厚さ110mmという非常に薄いバッテリーパックを採用することでフロアを低くしており、見た目のクロスオーバー感とは裏腹に、ドライバーは従来のメガーヌと変わらない目線の高さに座るだろうと述べています。
前輪駆動方式のパワートレインは、モーター出力 / トルクに96kW(130hp) / 250Nmと、160kW(218hp) / 300Nmの2種類をラインナップ。容量40kWhまたは60kWhのバッテリーをそれらに搭載します。航続距離は40kWhモデルで約300km。60kWh版は最長470km(WTLP基準)とのことです。また、一部バージョンでは最大130kWのDC充電設備に対応し、その場合はたったの30分で最大300km走行できる文のエネルギーをバッテリーに注入可能とのこと。
搭載するインフォテインメントシステムはAndroid Automotive OSを採用しており、関連する各種アプリ(ナビ、メディア再生、メッセージングその他)に対応。もちろんGoogle Assistantも利用できます。
Megane E-Tech Electricは2022年3月に販売開始予定とのこと。それまでは紹介動画の最後にある軽い皮肉でニヤニヤしておいてください。
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